アブラムシは単為生殖
「サイエンスゼロ」で生物農薬。あー、天道虫ね、と思ってみていたのだけれど、いやはやそればかりではなかった。たしかに天道虫を使ったものを中心に紹介はしていたのだけれど、その天道虫の農薬化についてもいろいろアイデアがあったし、なによりもというか余談的なほうにも驚きが。
その主たる目的であるアブラムシ。そのアブラムシは単為生殖で子供とはいえ成体のアブラムシをそのまま生み出すのだとか。確かにその映像でもまんまアブラムシの形で生まれてくる。これはちょっと怖い。ゆえにあっという間にどんどん増える。だからこそ、どんどん食べてくれる天道虫の効率的な用い方が求められると。
アブラムシはそんな単為生殖であるがゆえに化学農薬に耐性ができると、その形質をそのまま持った個体がどんどん生まれてくるということで、非常にやっかいなのだということも。
ということで天道虫。なによりも飛んでいってしまうことを考慮しなくてはいけないということで、開発されたのが飛ばない天道虫。より飛ばない個体を選んで品種改良し、ほとんど飛ばない個体群を作ることに成功したという話。ただ、非常に時間がかかるので(数年単位)、RNA に働きかける手法が研究されているという話も。遺伝子組み換えではなく RNA の働きを阻害しようという手法。これだとすぐにでも活用できると。
さらに高校生による方法として紹介されていたのは、羽を接着剤で固定してしまうという方法。専門家ではむしろでてこない発想だと話題。しかも、適切な接着剤がなかなか見つからないとか、動き回るとやりにくいとかで、グルーガンを利用するとか、掃除機をつかって動きを封じておいてちょいちょいと接着するとか。特許申請もしていていよいよビジネス化されるらしい。
幸いにして接着剤にしてもずっと有効ではないとのことで、やがてはとれてしまって普通に飛べるようになるとか。手軽であって自然への負荷も少ないというある意味素人であるがゆえの発想の妙。なかなk面白い。
生物農薬としてすでに使われているものとしては、ほかにダニ(嫌われものなのに)とか、線虫とか、カビとかもあるのだとか。ずいぶんと知らない間に進化していたのだなと。科学は面白い。
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