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ルームメイト

 交通事故にあった春海。入院中もやさしくしてくれた看護師麗子と一緒に暮らすことになる。事故の加害者側の保険屋との交渉は麗子が窓口になるというのだが、なかなか進展しない。というか相手の話によればそもそも会ってもらえないらしい。

 暮らしているうちに時折麗子の不思議な言動が目に付くようになる。つい今しがたまで自分のしていたことをすっかり忘れてしまうような。あるときには犬を連れていた子供に向けてトゲのある言葉を投げつけて顰蹙をかったりする。その後その子供が犬を探していると知って家に戻ると流しのシンクには血のりがべっとり、ぐつぐつと沸いている鍋の中には・・・。

 しだいに麗子の存在に恐怖を感じるようになる春海。このあたりで見ている側は、なるほどそういう話かとたいていは理解する。一方でそれでは不通すぎて面白くなかろうと考えると別のトリックに思いがいたる人も一定数はいるはず。

 そうして麗子のなぞな行動に振り回されつつ、いつしか事故の加害者の男性のところで仕事をするようにもなって事態はさらなる狂気をはらんでいくと。麗子は保険屋を殺害、助けにきた加害男性も危うく。春海も怪我を負って入院。事件は収まったかに見えたが、春海と麗子の交換日記を読んでいた警察官が奇妙なことに気づくと。四人の人物がいる。麗子は二重人格と思われたので春海とたしても一人足りない。

 このあたりから単純な多重人格ミステリから少し離れていって、ちょっと見ている側には予測不能な感じになっていく(いやできるのだけれど、そうきたかという新鮮さはあるというか)。

 四人目の存在がなければ単にひねりの効いた多重人格物というだけだったけれど、四人目がちょっとしたアクセント。とはいえやや無理があるといえばあるので十分だったかといえば疑問も残る。

 全体としてはうまく映像としてまとまっているのでなかなか見ていて引き込まれる。わけても深田恭子の存在が大きくて、怖さを倍増しているというてんで見事。夏の夜にちょっと涼しくなれるかも。

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