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本当に必要な人にほど、情報は届かない

 たとえば近年話題に上ることも多くなった熱中症。その予防方法や熱中症とおぼしき状態になったらどう対処するべきかといった情報が、ニュースにしろ情報番組にしろ、新聞、雑誌、ウェブでもまあいろいろ流れてくるわけです。おそらくは多くの人がそうした情報にふれているし、目にしているし、あるいは耳にしているはず。はずなのだけれど、それが本当の意味で届いているのかは非常にあやふやなのかもしれないとこのごろ思うわけなのだった。

 というのも暑くなってくると「熱中症に注意しろといっても、どうしたらいいかわからないものなあ」といった言葉を受けることがあるからなのだった。いや、それはこれこれこうだしと話しても、「室内にいたってなるっていうんだから、どうしようもないよな」とか言う始末だったり。

 知らないわけではないし、見聞きしていないわけでもない、けれどもなんとなくそれらは右から左へとすり抜けているらしい。熱中症への恐怖だけが残存していてそこから先が欠落してしまう。事は熱中症にとどまらないのだろうなと。

 たとえば自転車の通行区分などに関すること。近年になって自転車は車両なので原則車道の左端を走るようにという話が(それなりに)頻繁にでるようにもなり、歩道通行可の場合は歩道内の車道寄り(見かけ上は歩道の右側通行をするようなことにもなる)を徐行するようにという話も出るようになった。

 また、歩道での逆走は一定程度許容されているようだけれど(それもどうかとは思うが)車道における逆走はそもそも罰せられるべきなのだろうけれど、これがまかり通っている状況もある。路側帯さえ走れば問題ないと考える人があるらしい。

 警察としてもそれなりには広報につとめているようではあるけれど、やはり広報不足は否めないのではないかと思うし、マスコミが報じる量もやはり少ないのではないかとも。それでいて一部の人にはよく知られ意識の変化もないわけではない。総じてその手の人というのは自転車に乗ることにきちんとした意識を持っているような人であることは多いかもしれない。

 つまり、周知の徹底が十分でないということもあるけれど、きちんと理解されていない、あるいは目にしていてもいざ自分のこととしてきちんと理解・行動してない人というのが多いような印象。

 たとえばマスクの装着方法。新型インフルエンザショック以来マスクを使う人は急速に増えた。同時になんどとなくその正しく、効果的な装着方法についてもテレビなどを通じてなんどとなく報じられているにもかかわらず、身近やテレビなどで見かけるそれはどれもこれも不十分なものばかり。すきまだらけであったり、鼻を露出させたままであったり。

 結局、どんなに情報を発信したところで本当に必要な人には届かないという不思議な現象がなにかあるのではないかという感じ。すでに実践できている人は何度も何度もそうした情報を目にすることになるので、相当周知されているはずだと思ったり、はたまたもういい加減目障りだからやめて欲しいと思ったりするかもしれない。けれども、本当に届くべき人にはその時点でもまだ届かない、あるいは届いてもそれを自分のものにしてもらえないという現状があるのではなかろうかと。

 これはいったいなんなのだろう?

 あらゆる情報が広く広く拡散しているかのように思う社会にあっても、必要な人に必要な情報がいきわたるとは必ずしもいえない。そのこと自体はある程度納得できるものの、どうしてこうまでそうした人の絶対数は減らないのだろう? あるいは、たまたま目にするのがそうした人々なだけで全体としては印象以上に認識されているのだろうか。どうもそんな感じはしないのだった。

 歩道でいえば自転車と歩行者を分離するために中央に白線がひかれたりしているのだが、これによってむしろ逆転が起きている例は少なくない。人が右側を、自転車が左側を走る。つまり、歩道の車道側を歩行者が、車道から離れた側を自転車が走っている。それも平気でというか、むしろそれが当然であろうというように。せまい歩道であるならばまた少し違ってくるかもしれないけれど、十分に広い歩道においてもそうだったりする。学校できちんと学んでいるはずの小中学生でも同様なのを見ると、なんとも残念な気持ちにもなる。

 結局、どんなに情報を流し、周知につとめたところで、本当にその情報を届けたい相手には決して届かない、なにかが存在するのではないか。そう思うしか説明がつかないような気がするのだった。

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