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外事警察 その男に騙されるな

 NHK ドラマの映画化(というか続編としての映画)。そもそもにおいて外事警察なんて言葉はほとんど一般には知られないような用語なので、「それ何?」という人が多かったのではないかというドラマ当初。公安とか SP とかだとまだ認知度は高いと思うのだけれど(岡田准一主演のドラマ・映画もあったし)、さすがに外事警察というのは耳慣れないだろうなと。

 で、これが実際に即しているのかどうかということも含めて、われわれにはとてもその判断をつけることなどできようはずもなく、多くはフィクションであろうし、あることについては意外と現実に即していたりするのかもしれないというやや疑心暗鬼的な意識もあるので、ついつい物語世界の設定になじんでしまうという特性はあるのかもしれない。

 その意味においては、もうそう思ってもらえたら成功したようなものなのかも。

 とはいえ、どうも映画ではなにが起きているのか、どういうことなのかがわかりにくくてちょっとイライラしてしまう。どうやら韓国から危険なものが盗まれたらしいというのはわかる。起爆装置はまた別にやりとりされているらしいというのもわかる。で、日本がどう関係してというあたりがなかなかわからず、どうやら町工場に作らせるということらしいというのはわかってくる。

 そもそものところでいうと東日本大震災をもってきて、そのどさくさにまぎれて東北のとある大学だか研究機関だかにあった重要な科学技術に関する秘密資料が盗まれたという話があって、それがあったがゆえにその小型核爆弾? の製造が可能になるとかならないとか。

 で、それを作った科学者というか技術者というかが北のかの国との関係もあるという男でどうのこうの。このあたりの国際関係がオブラートに包むのでいっそうっとうしかったりもする。ハリウッド映画みたいにあからさまに描いてしまえば楽なのにとかも思うけれど、まあそうもいかないのか。

 で、日本国内でその製造に関して動いている企業とのあれこれがある中盤はまあよくわかる。ただ全編通じて特に説明されない嘘がたくさんあるので、どれが本当のところなのか次第に判別が難しくなってきて、もうどうでもいいやといった感じになってしまう。爆弾を作った男には日本人の妻と娘がいたのだが、生き別れになってしまっており、できることなら死期の近い自分としては今のうちにひとめ会いたいとも思っていると。それならとちょうどよい年齢の、そして素性も複雑な女性を娘ということにしておいて交渉材料にしようとしているらしいのだった。

 娘ということにした女性が日本国内で拉致される事件は外事課主任がしくんだ罠だったようではあるし、だまされるなといったところで、だまされているのかどうかもすでにわからない。もう少しこのあたり描き方があったのではないかなあというところはある。ハリウッドのスパイ映画とかでもだましだまされというのはよくあるけれど、もう少しそのあたりがわかりやすかったり、たとえ気づかなかったとしても、割とすんなりと「そうだったのか」とわからせてくれる演出が多いので、見ているほうとしてはもやもやがなくて楽しめる。

 どちらかというと広げた風呂敷の大きさのわりに、顛末はちっぽけだったという印象ばかりが残ってしまった。日本の映画・ドラマとしては珍しい部類だと思うし、ネタは面白いのだからもう少し違った演出とか描き方とか、つまりは脚本として練り直していたらなあという感じ。

 キャラクターとかも面白いので、もう少しじっくりと企画制作してもらうとよいのではないかなあ、などと。でも、まあそれなりには楽しめるけど。

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