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千一夜物語 1

 100 分で名著でとりあげたときにふと思い出したので、久々に探し出して読んでみた。というかどうやら四分の一くらいしか読まずにそのままになっていたらしい。購入したのはもうずいぶんと前のことでたぶん当時はどうもあまり面白く感じなかったような記憶がある。

 ところが今回読み始めたら意外とするすると読み進められて、気がついたら 1 巻を読み終えてしまったというくらい。名前とか役職とかの名称についてはカタカナを見ていてもイメージがあまりわかないので、なかば読み飛ばすようにしていったのだけれど、物語の展開そのものにはそう影響しない。

 物語の中にさらに物語があるという入れ子構造が深かったりして、一瞬今どこにいるのかわからなくなるような感覚もまた楽しい。それにしても登場する女性たちの自由奔放でたくましいこと。ふがいない男どもをうまく操縦してしまうところはさながら「あんたは九州男児なんだから」みたいな感じもして、そのたくましさに惚れ惚れするくらい。

 さらには女性たちのあけっぴろげなところというか、性に対する積極性というかもすさまじく、いやそれはある意味男によって作られた物語であろうがゆえに、必然的にそうした男の願望というものも含まれているのではなかろうかなどとも思うのだけれど。それにしても、多くの場面でこれはポルノ小説なのではないかと思うようなところさえある。

 とはいえ部分的には児童物語としても使えるような不思議な冒険譚として楽しめるものもあるわけで、そのあたりの変化というのもまた面白いのだろうなと。翻訳者はそのあたりなかなかつらいものもあるのではなかろうかなどと。

 が、1 巻を読み終えてそうだったと気づく。これは延々と最後の最後まで終わらないのだったなと。物語が途中になってしまっている。うーむ、気になる。王様の気持ちをはからずも体感することとなってしまった。シャハラザードと妹の計略の見事さよ。

 似たような話がないとは言わないものの、かなりバリエーション豊かで、これが延々と続いているのかと思うとなんとも驚嘆すべき物語であるなあと。もちろんその成立の歴史をかの番組でも知ったけれど、ただ一人によってなされた結果ではないからというのもあるけれど、こうした話がゴロゴロとしていたアラビアというのはなんともすごいところであるなと、あらためて。

 さて、しかし、続きについては持っていないのでどうしたものか。読むのはずいぶんと先のことになりそうだ。


 佐藤さん訳のは古書店でしか入手が難しいか。バートン版では表現が軟らかくなっていることであろうなあ。

B00EXCXE2M千一夜物語(1) (ちくま文庫)
佐藤正彰
筑摩書房 1988-03-29

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