おふくろの味 昭和は遠くなりにけり
今年度の NHK 「きょうの料理」のシリーズとして「おふくろの味 定番 100 」というのがあって、いわば昭和の懐かしい家庭の味 100 種類を一年をかけて紹介していくという。これが、なかなかよい。
卵焼きとか、鶏のから揚げとか、味噌汁とか。それも料理か? といえばそうかもしれないけれど、それでもやっぱりそれも料理なのだよというところと、むしろ今こそそうした料理が姿を消しつつある家庭が多いのかもしれないという思いもあったりする。
忙しい親が多いのもあってあまり料理する機会がないという家庭もあるやに聞くし(というか身近なところはそうだ)、ほとんど母親の味というのを知らないままに成人している子供の今後を思うと大丈夫なのかと心配に思うところもあったりする。
だからこそこんな本当に日常的な家庭料理を見直すことは、和食が注目されている今というのも含めていろいろと次代に継承していくという意味でも大切なのかもしれないなあと。
とまあ、お題目は別としても、自身で作っていた作り方と違っていたりするものもあったりして、そんな作り方もあったかと新鮮な発見があったりするのもうれしい。いわゆる定番といわれるものだけに、自分にとっては(あるいは自分の家庭にとっては)そういうものと思っていたものが、それだけというわけではないのだと気づかせてくれるというのもなかなか楽しい。
今週は清水信子(しみず しんこ)さんによるきんぴらごぼうなどがあって、ずっとひたすら炒めていたのだけれど、ごぼうを切ってからさらしていた水を使って煮るのだという作り方を紹介されていて驚いた。それならやわらかくもできるだろうし、ひたすら炒めているよりも手早くできそうだ。などなど。
目先の変わった創作料理的な献立が近頃は多いのだけれど(きょうの料理)、毎日のことだけにこうした懐かしい基本を振り返るというのは今こそ必要かもしれないなあと楽しみにしていたりする。
難があるとすれば、大半の講師の方が実におばあちゃんになられてしまっていて、やや手順や手元口元がおぼつかない感じがあって、担当アナウンサーさんが必死にそれをカバーしているのがつらい感じではあるのだった。野口さんにしろすっかり縮んでしまった感があるし。まあ、おふくろの味というからにはそれもまたやむを得ないところか。
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