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皆勤の徒

 SF 短編賞を受賞した作品だけの電子書籍版なので、先ごろ出版されたものとは別。というわけでその受賞作しか読んでいないのだけれど、素直に言うと面白さがわからない。世間を見ても絶賛する声ばかりなので申し訳ないけれど、なにが面白いのかと思ってしまうのはどうしようもない。

 もちろん、こんな奇妙奇天烈な世界観であるとか、独特の造語の感覚であるとか、そして小説としての文章技術ということでいったら確かにうまいものを持っているのだろうなとは思う。ただ、それと面白いと感じるかどうかは別物だと思うのだ。

 正直なにが語られているのかよくわからない。なにが起きているのかがよくわからない。断片的に理解はできるが、それが物語り全体としてだからどうなのだ? という感じでしかない。ある種ホラー小説のようでもあり、SF のようでもあり。ただただ奇妙な小説という以外には評価のしようがない。というのは決して間違った感想ではないと思うのだが、どうもネットにはそうでない意見が多いかのように見える(あるいはそれは版元さんが反応する情報ばかり目にするので偏りがありすぎるのかもしれないけれど)。

 似ているというわけでもないけれど、連想したのが牧野ねこの「名のない家」だった。奇想天外新人賞の佳作だったかになったのだけれど、このとき確か筒井康隆だったかが「書き直すのだったら佳作にしよう」と言ってそれを受けて書き直しをしたのだった。紙上でそれを読んだわけだけれど、なんとも奇妙な物語で正直よくわからなかった。なんとなくその奇妙さ加減というあたりでは似通ったものを感じるのだった。

 牧野ねこはその後牧野修などの名義でホラー系の小説など書いていたようなのだけれど、過去の本はあれもこれも絶版らしい。書いてはいるらしいけれど。

 さて。

 選者はかなり評価しているのだけれど、読者を相当に選ぶ作品・著者であるのは間違いないのではないかなと。少なくともわたしには好めないものだった。あまりに評判がすごいので読んではみたけれど。

B007KSYIYO皆勤の徒 -Sogen SF Short Story Prize Edition- (創元SF短編賞受賞作)
酉島 伝法
東京創元社 2011-07-26

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