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バンク・ジョブ

 1971 年のロンドン。麻薬の密輸で儲けているマイケルXという男をどうにかしたいのだが、裁判に持ち込んだもののなにやら重要な秘密を隠し持っているらしく無罪放免。政府としてはこの男をどうにかするというよりは、その秘密を奪わないと今後困ったことになるということで MI-5 のエージェントに指令が下りる。

 昔はちんけな悪さをしていたが、今では中古車販売をしている男テリー。しかし、借金が返せなく取り立てが面倒なことになってきた。そこに旧知の女性がやってくる。美人。いい話があるんだけど、と。話というのは銀行強盗の計画。とある銀行でセキュリティの更新のために一週間手薄になるのでチャンスなのだと持ちかける。しかも狙うのは貸金庫なので被害が判明したところで貸主はそうそう被害を申し立てるわけがない。預けているのを隠したいようなものばかりを預けているのだからと。

 彼女の裏に見知らぬ男の姿を認めて嫌な感じがするテリーなのだが、背に腹はかえられないとばかりに仕事をすることに。といっても彼も仲間もそういう大きな仕事などしたことがない。いろいろな仲間を寄せ集めてなんとか計画をたてる。

 狙う銀行の二軒隣の店舗が現在使われていない。そこを借りたのでそこの地下から穴を掘って貸し金庫まで行く。週末であれば誰にも見咎められずに計画を実行できる。ところが、外においた見張りとの無線交信を無線愛好家によって傍受され警察に届けられてしまう事態に。ただ、場所の特定はできずに警察も地道に罠をはって捜そうとする。

 貸金庫室にはいって仕事をしていたが、どうもいよいよ警察の動きが怪しいというので途中で引き上げることにすると、車ははりこんでいた MI-5 によって停止させられるが、嫌な予感がしていたので別の車を手配していたテリー。実は話を持ちかけた女は MI-5 に密輸容疑で捕まっており、交換条件で銀行貸金庫のとある番号にはいっている品物を盗み出すよう指示されたもの。その内容は王室王女のふしだらな写真。かのマイケルX がみずからを守るために隠し持っている品物。

 ところがそれはテリーの知るところとなり、さらにはいろいろとやばいものが発見される。政府要人らの性的嗜好を隠し撮りした写真であるとか。

 貸金庫がやぶられたことが知られると、いろいろヤバイものを預けていた方面が慌てだす。ストリップバーを経営する男は数多くの警察官に賄賂を要求されていたのだが、それらを逐一記録していた手帳を預けていた。娼館を営む女は客の要人らを隠し撮りした写真を預けていた。警察官は警察官で、要人は要人で各方面に手を回し、自ら犯人探しに動き回り、MI-5 は肝心の王室スキャンダル写真を入手できないまま作戦は宙ぶらりんで犯人には逃げられたまま。

 万一作戦が失敗しても、素人同然のワルを使っただけなので簡単に処理できると思っていたのだが、予想外の展開。いろんな方面から狙われることになるテリーと仲間。いよいよヤバイ仕事だったとわかり、山分けしてそれぞれ逃げるのだが、ひとりふたりと足がついていく。

 王室のスキャンダル、政府要人のスキャンダル、警察官の汚職、麻薬密売組織の壊滅などなどが織り交ぜになって、三つ巴四つ巴の展開でさあ、テリーどうするというあたりの後半のドキドキ。

 で、これが実話だというのだから。名前はすべて架空のものにしてあるとはいうものの、なんとも危険な事件で、いかにも欧米さんであるなあと。

 結末がややあっさりとしてしまっているのが残念な感じもあるのだけれど、それを補ってあまりあるほど十分面白い。いや、面白いなんていったらいけないのか。

 原題は「THE BANK JOB」なのだけれど、銀行のお仕事というか銀行強盗とでも訳せばよいのかしらん?

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