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浜村渚の計算ノート 3 と 1/2 さつめ ふえるま島の最終定理

 5 冊目がでた、というところでようやくにして 3 と 1/2 さつめを読む。きむらさんが 1/2 さつめにというのには理由があるといったことを書かれていたのはもういつのことやら。とにもかくにもこれまでの短編集から変わっての長編。一冊まるまるふえるま島のおはなし。

 なにやら瀬戸内の小島で黒い三角定規がやろうとしているとかの情報を受けて出向くという趣旨で、ところがどうやら別の島に変な刑事に連れて行かれてしまって、その変なホテルでおきた奇妙な事件に関わることになるということで。

 フェルマーというかフランスの数学者そろいぶみという感じで展開する物語は閉鎖空間でのある種の密室事件。まあなかなかおもしろい具合にまとめてくれてます。ヒントは確かにあるし。ただなんとなくイメージが十分わかずに読んでしまったので、あまり格別の思いもなく「そうなんだ」というくらいで読んでしまったのですが。

 フェルマーだからといって最終定理(大定理)が直接絡んでくるといったとんでもない展開はさすがにないわけで、事件そのものの解決はやや数学とは無縁といってもよいのでは。島の謎という意味においては数学的なところが使われているのだけれど、まあそういわれればそう判断できなくはないけれど、そういう謎解きをしろといわれてもなかなか容易ではないのではないか、などとも思ってしまったり。

 なぜそれが使われるのかという必然性があまり実感できないと、とってつけた感がしてしまうのはあって。いや、ぼんやり読んでいたのもあるので、あまりどうこうは言えないのもある。

 いずれにしても、まあ長く楽しめたのは確かで、渚の子供からちょっとだけ少女になりかかった感じとかも面白かったけれど、どちらかというとオイラーさんのほうにひかれるものがあったりとも。ぜひとも今後も活躍させていただきたく。

4062773015浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理 (講談社文庫)
青柳 碧人
講談社 2012-07-13

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 作者がすすめているのがこれ。証明そのものよりもドキュメンタリーらしい。

4102159711フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
サイモン シン 青木 薫
新潮社 2006-05-30

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 当時買ったのはこれ。でも、ちんぷんかんぷん。(再読に挑戦してみるか!)

4062570742フェルマーの大定理が解けた!―オイラーからワイルズの証明まで (ブルーバックス)
足立 恒雄
講談社 1995-06-15

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