超高層プロフェッショナル
1979 年の作品ということでいかにも昔風の建築現場。原題は「STEEL」で、どうやら建築用の鉄骨材料という意味合いらしい。
古い映画なので(というと怒られるかもしれないけれど)実に物語りはシンプルで、淡々と描かれるあたりがかえって見る方の余計な視点がなくなって楽しめるというか。娯楽映画ってもっとこういう感じでよかったんだよねと思わせる。
財をなした建築会社の社長でありながらいまだに現場に出るのが大好きな男。都合でやむなく弟が経営する運送会社に資材運搬の契約をしたものの、兄とはそりがあわないようで、なにかともめていた過去があるらしい。そんなさなかにきょうも現場にあがっていた男が事故で命を落としてしまう。
あとに残ったのは娘で、一応会社を引き継いで作業中の現場も指揮しようとするのだが、いまひとつうまくいかない。そこへもってきて件の弟がこの機に乗じて建築会社を我が物にしようかという腹積もりらしく、資材運搬を遅らせたり、トラックで運び込んでもすぐには下ろせるようにしないなどいやがらせを続ける。
対抗するべくかつて高層建築現場でならした男をくどきにいくのだが、今はトラック運転手。なかなかその気になってくれない。ようやくなんとかくどき落としたものの、工期に間に合わせるには人材不足。そこでかつての仲間を招集するのだが、誰も彼もひとくせもふたくせもあるような者ばかり。なんとか作業にかかったとはいえ、資材運搬絡みでのトラブルなどが頻発。
一方で、あらたに現場を指揮することになった男はかつての事故かなにかで高所作業にトラウマを持っていて、一緒に作業することができないことを隠しているのだった。こんなやつとは仕事ができないと仲間割れも起きたり。
はたして工期に間に合わせることはできるのか? という物語。まあ、たったそれだけなのだけれど、それだけだからゆえに実に楽しめる作品。もちろん、最終的にはその建築会社の娘と現場仕切る男との物語もそこそこに。
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