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ミッドナイトイーグル

 日本にもハリウッド的なサスペンスをというような感じなのかと思うのだけれど、いろんな意味では残念な感じになってしまっている。それなりに面白く見ることはできるのだけれど、要所要所の雑さが気になってしまうと現実に戻されてしまうといった感覚。

 かつてはならした戦場カメラマンだった男が、今ではさえない仕事をしているようなしてないような。雪山に上ってはなんとなく写真を撮っていたりいなかったり。たまたま撮影してしまったのが、なにやら怪しい機体が墜落する現場で、命を狙われると。

 ところが白の世界の雪山に彼ともうひとりは目立つジャケットに大きなリュック。他方相手は白迷彩に身をつつみ、その存在が作中でもほとんど明かされないので詳細はまったく不明なものの、それなりに軍事的なプロ集団が日本に潜入して活動しているらしきことだけが描かれている。

 にもかかわらず、彼らの弾がまったくといっていいほど当たらない。あんなに目立つのに。天候上の理由とかを言い訳にもできるかもしれないけれど、それにしてもという連続でしらけてしまう。

 さらには、風呂敷が大きすぎて収拾がつかなくなっているという感じの展開で、そもそも彼らが何者なのかは最後までわからないし(はっきりさせたくないという意図もあるのかもしれないが)、半島系と思われる男女が追われるエピソードについては、彼らは誰になぜ追われるのかが判然としないままになってしまう。

 最後にステルス機にたどりついて戦闘が行われるけれど、倒しても倒しても後からあとから増えてくるそれは、はたしてどうやってそれほど多数の侵入者がやってきたのかとか。日本の警備がすぐれているかどうかはわからないが、それほど用意に部隊が潜入できるほど日本の警備は穴だらけだろうかとも。

 結局のところ(あくまでも恐らくという想像だけれど)、最後のステルス機での篭城場面を描きたくて物語が作られ、ほかはそれのためのこじつけに過ぎないのではなかったのかと。が、さすがに収拾がつけられなくなって「えーい、とんでもない悲劇にしてしまえ」とばかりに米軍に一発お見舞いしてもらって終わりにしてしまえというちょっと短絡的な終わりを迎えるのだった。

 舞台も役者も違ってハリウッド映画であったなら、そんな話でも「あー、面白かった。でもかわいそうだったね」で終わるのかもしれない。ただ、やはり日本ではどうにも無理があるような映画なのだった。

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ジェネオン エンタテインメント 2011-10-17

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