キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け
投資会社を経営する男。世間的には利益も出して向かうところ敵なしという風ではあるのだが、実は投資の失敗によって多額の負債を隠している。この危機を乗り切るために銀行との合併話をなんとかうまくまとめたい。ところが相手はなかなか交渉に乗ってこない。そぶりはみせるものの調査に余念がない。
家庭では妻との不仲。若い愛人との関係もぎくしゃく。そんなおりに愛人と深夜のドライブ中に事故を起こして愛人を死なせてしまう。アリバイ工作をするために、見知りの若い黒人男性を呼び出してその場を去るが、警察は助手席で死んでいた女性に不信感を持つ。同乗していたのは投資会社の社長である男であろうとはなから疑っている。
ところがこれという証拠もなく、相手はなかなかの大物なので手を出し難い。黒人男性をゆさぶってみるのだが、なかなか落ちてこない。そこで、証拠写真を捏造して裁判に持ち込む。本当のことを言わないとお前は刑務所暮らしだぞと。
一方で投資会社内部では、社長の娘が経理資料に不自然なところを見つける。なにか不正が行われているのではないか。父親である社長に話を持ちかけるが、そんなことはないだろう、自分が確認しようといったふうに適当にあしらわれてしまう。しかし、やがて娘は多額の負債を隠している証拠を見つけてしまい父に説明を求める。投資に失敗したが、銀行との合併話さえうまく乗り切れば、自分はともかくお前たちはなんとか安泰でいられるといった説明。隠しおおせると思うのかと父を非難する娘。
合併話はなかなかうまく進展しないが、負債の事実はなんとか隠している。最後の賭けにでて相手と直談判。いますぐこれにサインしないのならばこの話は終わりだとばかりにせまったところ、案外あっさりと受諾。金額はやや安かったようだが、そのあたりはお互い猿芝居のようでもあり。
裁判ではあるはずのない証拠写真の捏造のトリックをあばくべく動き出し、ついには捏造が発覚。黒人は釈放される。が、それで収まらないのは担当刑事。男が妻と不和であることから事故当夜の男のアリバイについて、妻に執拗に確認を求める。妻は妻で夫が事故を起こしたであろうことを確信しているので、黙っている代わりにこの書類にサインしろと男に突きつける。偽証する代わりにすべての財産を失うことに同意するもの。
そうして会社も財産も家庭も失っていく男。逮捕されることはなくなったし、会社も存続。それでも、自身の今後は。というところで物語りは終わり。
刑事があまりに優秀すぎて、すぐに投資会社の社長に目をつけてしまうとかはちょっと無理やりなのではないかとも思うものの、ほかの展開はなかなかにスリリングで楽しめた。
![]() | キング・オブ・マンハッタン -危険な賭け- [DVD] Happinet(SB)(D) 2013-09-03 by G-Tools |
| 固定リンク
« ファイアーボール | トップページ | 美しき諍い女 »
コメント