猿ロック THE MOVIE
確か深夜帯にやっていたドラマの映画化だったか。面白そうかなと興味はあったので映画を見る。まあ、面白いのだけれど、なにかちょっと残念感が。
キャラクターは面白いがちょっと極端すぎて漫画にはよいが実写にはやや向かないところを感じてしまう。展開はそれなりに面白いのだけれど、最終的に脈絡がなさすぎていまひとつ楽しめない。結局警察内部でなにがあったのかとか、それをどう処理されたのかといったところがまるっきり見えてこない。
もちろん、具体的なところは明らかにしないで、結局暗部はそのままでというのはありがちな描きかたではあるし、それそのものはよいのだが、警察署長がいったいどちらについているのかが不明瞭であるとか、それによってなにがどうなっているのかが見えてこない。暗部そのものはあいまいでもよいが、人間関係や対立関係といったところは明瞭でないと(もちろん、裏切りとかいろいろあってもよいのだが)結局物語りがどう進行しているのかが楽しめない。
かばんの中身がなんであったのかとか、それがどれほどやばいものなのかといったあたりもよくわからないし、最後の場面で詰まっていた大金をどこに隠したのかとか、その代わりとして入れられていた「星の王子さま」の単行本。あの量をいったいどうやって即時に準備したのかとかがあまりに無理がありすぎる。
映画なので多少の無茶は面白ければよいというのはあるけれど、全体がどうもちぐはぐした展開だったりするので余計にそうした瑣末なところが杜撰すぎるように感じてしまう。全体がしまってさえいれば、そのくらいはまあいいよねと思えるのだけれど。
テレビの2時間サスペンスで渡辺謙だかが主演した鍵師を主人公にしたものがあったけれど、よほどあちらのほうがしっかりしていて楽しめる。
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