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「言葉をめぐって」

信濃デッサン館で槐多忌


 2011 年 3 月 11 の震災以降、なにかというと「絆」とか「つながろう」とかいう言葉がさも重要で貴重で、唯一無二の絶対的善であるかのような捉われ方が蔓延するようになって、なんともいえない気持ち悪さを感じていて、あるいは書いたことがあったかもしれない。もちろん、本来的なそのものに異論はないし、人が生きていく限りにおいて絆も大切なことであるし、つながりというものも大切であったりありがたいものであったりするのは間違いないと思う。ただ、なにかと安易にそこに逃げ込むようなこの風潮はいささか気持ち悪くはないか、とずっと感じていたのだった。

 で、槐多忌のイベントが行われたという新聞記事で、脚本家の山田太一さんがそれについて触れられたそうで、あながちその感覚は間違いではなかったのだなと思ったところ。

東日本大震災をきっかけに「絆」という言葉が盛んに使われるようになったことが取り上げられ、山田さんは「人間は、他人のことばかりを心配していられないと私は思う。絆という言葉を(軽々に)使ってはいけない」と強調した。金田一さんは「いい言葉だが、使われ過ぎて価値が下がってしまったような気がする」

信濃毎日新聞 2 月 24 日朝刊

 被害があまりに甚大だったがために、そうした言葉の羅列でかろうじて自分をつなぎとめておけた人というのも、あるいは少なくないかもしれないので、一概にそれを否定するものではないものの、つながってさえいればいいのだという風潮が昨今のスマートフォンの普及とネットワークの充実と SNS 依存とに発展して、社会全体として非常に依存度の高い危険な状態も一部では生まれているということもまた考えなくてはいけないのではないかと。

 某政党名に使ったのなどは、本当に世間受けだけを考えた悪手ではないかなあと個人的には思っていたりするのだけれど。

 いずれにしても全体がいっせいにある方向に流れようとしているときというのは、気をつけなくてはいけないものがあるとあらためて肝に銘ずるべきなのではないかなあと。

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コメント

御意。

投稿: のら猫 | 2014.02.26 03:57

ども(^^;

投稿: ムムリク | 2014.02.26 09:26

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