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クジラの彼


4043898045クジラの彼 (角川文庫)
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-06-23

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 ベタ甘ラブロマ、いいじゃないですか。たぶん、青春まっさかりの頃ならそんなこととても思えなかったくらいに甘甘で、べったりで、だからこそ今ならそんなものでも「うんうん、いいね。そういうのも」と思えるのだろうな、などと思いつつ楽しく読む。まあ、傍から見たら気持ち悪いオッサンでしかないかもしれないけれど。

 小さな物語の主流となったそれぞれの大きな物語でも、十分に甘いラブロマ要素があったと思うのだけれど、さすがにそちらはメインのお話がそれはそれで重みを持っていたので単純にそればかりというわけではなかった。その分の鬱憤を晴らすかのような短編の集合体はかなり強力。

 なるほど、「海の底」の冬原と夏木にそれぞれそういう話を持ってきましたか。望ちゃんが立派になってもう、とか。レンアイ真っ盛りの自衛官の悲喜こもごも。自衛官だからこそというシチュエーションをうまく使った、もう恥ずかしいやら嬉しいやら、うらやましいやらの物語が手を変え品を変えてのもりだくさん。

 うん、いいね。もはやそんな縁もなくなった年齢だからこそ、うん、いいねと素直に思えるのかもしれない。

 で、まだまだ未読の多い有川浩だけれど、おそらくは彼女の本領というところはさまざまな状況、設定におけるレンアイにこそ発揮されるのだろうなと、あらためて感じた次第。それが SF であれ、現実的な舞台であれ、レンアイを描くために用意された舞台にすぎなくて、そうしたいろいろの状況下でいろいろのレンアイを描くことが実にうまいのだなあと。

 ハマる人が多いのも実に頷けるのだった。まあ、わたしもそのひとりなわけで。ぼちぼちとますますハマッていきますよ。

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