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エンド・ゲーム

 読み始めてすぐに「あれ、弟がいなかったっけか?」と思いつつずっと最後まで読んだのだった。で、これまでのシリーズと同じ家族ではなかったのだとようやく理解して、そうだったのかあと苦笑い。「光の帝国」「蒲公英草紙」を取り出してみると、確かにどれも同じ家族というわけでもないし、時代設定も違うようだ。もうずいぶんと前に読んだというのもあって(蒲公英草紙はまだ最近のうちではあるけれど)もうすっかり忘れてしまっている。

 これまでの作品とはやや違った近代的な物語であるし、概念てきなところでもやや理解が難しいようなイメージの世界があって、なんとなくもやもやしたものを残したまま読み終えたというのが正直なところ。これまでよりもより突っ込んだといえると思うものの、解明させそうで解明してくれない、そんなもどかしさがあってもやもやっとしたままだったのだ。物語としては実にすんなりとしっくりと入ってはきたのだけれど。

 このシリーズはいったいどこへ行こうとしているのだろう。終わりはくるのだろうか。まだまだ続きますというのはうれしい反面、さてどうなるのだという心配のようなものも。行き着いた先が「上と外」みたいな状況だったら、あまり嬉しくないような。(「上と外」の詳細ももう忘れてしまったけれど、なんだかもやもやして終わってしまったような連作短編連続上梓というスタイルそのものが、なんともだったようにも記憶(やや記憶の彼方))

 イメージはとても面白く読んだので楽しかったけれど、これはまた前二作も読み直してみないとダメかなあとも。

4087464326エンド・ゲーム 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)
恩田 陸
集英社 2009-05-20

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