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ボイスメール

 売れない脚本家。売れないので学校で脚本について教えている。いや、それはちょっと矛盾する。いや、売れないという理由がわかれば、それはそれで生徒たちには有益なので意味があるともいえる。

 ある日留守番電話に奇妙なメッセージが残されている。見知らぬ人間からですぐにここへ来てくれないと殺されてしまうというようなもの。いたずらかなにかと思って消してしまう。ところがなにやら事件が起きていて、さらには自分のすぐそばで転落死体がという事件にも遭遇。メッセージがあるはずだと刑事にいうのだが、帰宅してみるとメッセージは消えている。

 次第に警察はこの男こそ犯人なのではないかと疑いはじめる。さらに電話がやってきては事件にどっぷりとつかりこんでしまう男。犯人にいいようにあやつられてついには元恋人?を殺害しようとしているかのように演出されてしまう。

 友人の男性、好意的な女生徒などなど怪しいと思われる人物はいるものの、なかなか事件の背景も手口も見えてこない。ということで中盤までのドキドキ感は実によい感じにできている。

 が、最後に犯人だけははっきりするのだけれど、その手口や犯行動機についてはどうにも弱い。というか手口についてはまったく明らかにされないまま終わってしまうので消化不良感が非情に強く残ってしまう。サスペンス感は満点なのに。その狂気の部分がまったく闇の中ではどうにも面白みが半減してしまう。

 そもそもボイスメールという邦題ではあるものの、実際には留守電ばかりなのでメールという感じではないのでこの邦題もいささかとんちんかんなものになってしまっている。携帯電話だかを使ったサスペンスシリーズの三本の最後らしいのだけれど、詰めが甘いのが難点で、他を見ようかどうか悩むところ。

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