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アラビアン・ナイト

 E テレ「100 分で名著」でアラビアン・ナイトだった。終わってしまってからだけれど、ちょっと書いておく。一回目でとにかくびっくりさせられて、シェヘラザードもすごいがアラビアン・ナイトもすごいと感心。誰が書いたのかも分からないし、そもそもどれが本当にアラビアン・ナイトを構成する物語群なのかもさっぱりわからないという現実。いや、まさかそんなこととはつゆ知らず。そうだったのかあと。

 はじめに翻訳されたのは 200 あまりの物語だったそうで、どうもこの時点ですでに勘違いがはじまったらしく、原題が「千夜一夜物語」でもあり、王様に殺されてはたまらないとシェヘラザードがたくみに寝物語として語り続ける形態から、それなら当然 1001 夜分の話があるに違いない。ということで、探し探して適当にくみ上げてしまったとか。

 しかも、これがさらに後々の編纂者によって追加され、構成されて、なかば強引に 1001 の物語に作り上げられて(と考えるのが、まあ妥当なのだろうなと)しまい、さらには、そうしたものがいくつか存在するというのだから。

 そもそも一夜ごとに分割などされていなかった話を集めてきては、強引に適当なところに区切りをつけて編集してしまったりともう本末転倒な感じに作り上げられていたとは驚き。

 とすれば、一番はじめに翻訳されたものこそが、あるいは真実に近いアラビアン・ナイトなのではないのか? とも思うが、さて、どうなのか。

 などという思いも漂いながら、女たちのたくましさや賢さや、さまざまな物語が重層的に語られていくさまを堪能した番組なのだった。

 そうした歴史をもつからこそに、その物語の結末にしても自由奔放に作られているということで、1001 夜目にシェヘラザードが子供をつれてきて、王様の子供にございます、どうか御慈悲をといわんばかりの展開であったり、まあいろいろあるらしい(子供の人数も多種多彩だそうな)。そういえば著名なバートン版もあるのだったな。

 最後に王様への説教を延々とぶつというパターンもあるそうだけれど、解説された方の話でも、そういうのがあったのでは面白くないし、それはそれまでの物語から自然とくみとってくれる程度が程よいのではないかというのが印象的。

 そういえば昔文庫を買っていたはず、と思い出して発掘してきたらちくま文庫版の第1巻だった。しかも、刊行をはじめたばかりのころで全10巻中既刊は第1巻のみという表記。たぶん、ほとんど読んでいないはずなので、この機会に少し読んでみるかと手近に出したところ。さて、さて。


 持っているのはこれなのだけれど、既に絶版らしい。

B00EXCXE2M千一夜物語(1) (ちくま文庫)
佐藤正彰
筑摩書房 1988-03-29

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 そして現役はバートン版! ということは色気はないということか。

448003840X千夜一夜物語(全11巻セット)―バートン版 (ちくま文庫)
大場正史
筑摩書房 2005-11

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 まだ、ある。

4043064020バートン版 カーマ・スートラ (角川文庫―角川文庫ソフィア)
ヴァーツヤーヤナ 大場 正史
角川書店 1997-04

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