チェスをするトルコ人
E テレ「地球ドラマチック」でからくり人形。といっても最後のほうだけなのだが、その最後にチェスをするトルコ人がでてきた。いや、それはからくり人形ではなくインチキなのだがと思いつつ見る。当初はまるっきりからくり人形として扱われていたが最終的には違ったのだと明かされたのでまあホッと胸をなでおろす。
日本の茶碗を運ぶ人形であるとか、欧州で知られた自動人形の類とは違って、あれはマジックのネタとして使われただけで、実はなかにチェスの名手が入っていた。ステージマジックのひとつでしかない。たとえばそれは小さなテーブルの上に載せられた箱のなかにスフィンクス風の頭があるものであるとか、はたまた消える貴婦人の話であるとかと同様にマジックの範疇でしかなかった。
それはすでに事実として知られていることなので、そのままからくり人形として終わってしまうとちょっとまずいのではと思いつつ見ていてので、そうではないときちんと説明されたのでひとまずはホッとしたのだった。
とはいえかの時代においてはそれすらもマジックとしてではなく、超常現象的なものとして人々の間に知られることとなったのはあらがいようのない事実でもあったのだろうこともまた事実で、ある意味マジックにとって非常に恵まれた時代であったということも言えるのだろうなと。
あくまでも想像でしかないが、イースターエッグのそれであるとかも紹介されていたとすれば、ちょっと残念だったかもしれないけれど、まあ仕方ない。
ちなみにチェス人形などマジックとしてのそれについては「奇術のたのしみ」(松田道弘・著、筑摩書房)に詳しいので、マジック好きであれば一読するのをぜひともお薦めしたいところ。まあ、既読であったからこそ、先のチェス人形のことを知っていたわけではあるのだが、そのからくりの全貌を詳細に解説しているという点でもなかなかに興味深いので、興味のあるむきには一読されるとよいのではないかと。
奇術のたのしみ (ちくま文庫) 松田 道弘 筑摩書房 1985-12 by G-Tools |
と、思ったのだが、どうやら絶版らしい。なんともなあ。図書館でどうぞ。
アル・カーシーのロボットショーをまた見たいものだなあとふと思いだした。あれはショーとして実にうまくできていて楽しめたのだがなあ。もう無理かもしれない。
| 固定リンク
コメント