NHKスペシャル「原発テロ」を見たものの
近頃では 22:00 過ぎにテレビを見ることも少なくなっているのだけれど、なんとなく NHK スペシャルの「原発テロ」を見てみる。が、簡潔に言えば、内容が内容だけにあまり詳細に触れることができないという理由ゆえに、いまひとつすっきりしない番組になっていたようにも感じたのだった。
もっとも重要なことは、どこぞのセキュリティ関連の団体の方だったかの発言で、「皮肉にも福島第一原発の事故によって、原発テロでは内部に侵入する必要は必ずしもなく、外部の電源供給を絶ってしまうだけでメルトダウンを引き起こすことが可能なのだとテロリストたちに知られてしまったことだ」といったような内容のこと。
番組としては、世界で起きている原発敷地内への容易な進入事件であったり、世界中でテロに対する脅威と警戒のレベルが格段にあがってしまったことや、今まではわかってはいても現実味をあまり帯びない状況だったものが、まさに現実のこととして受け止めて対処しなくてはいけないという意識に変わったのだということを主張していて、それがすべてといってもよかったのかなと。
それ以上でもなければ、それ以下でもない。
なにしろ諸外国において、それは軍事機密レベルの秘匿性をもった内容であり、日本のようにかなりの部分を公にしてしまうようなことは諸外国のためにもならないということがなかなか進まないと米国あたりが危惧しているのも頷ける内容。
といって、まあそれだけなのだけれど。
そういってしまうとここまで時間をかけて番組にしなくてもよかったのかもしれないと思わないでもないけれど。実際これ以上伝えることも難しいであろうし、実際ようやくにして国内の警察警備現場に取材したけれど、それとてあまり内容のないものでしかなかったわけで。ニュースソースとして伝える程度でよかったのかもしれない。
つまり、わざわざ普段は見ない時間に起きてまで見ることもなかったか、というような感想なのだった。いや、現状を知るという意味においてはそれなりではあったのだけれどね。
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