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浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学

 勢いづいて三冊目。解説によれば今回はやや難解な内容になったのではないかと。まあ、そういう側面は正しくもありちょっと違うようにも感じた今回。全般には今回はやや物足りないような印象がしてしまった。

 一話目のパラドックスはまあこれまでと似たような感じ。続く二話目ではタイトルとしては「アイシテルの正弦」となっていて、目次では「正弦(せいげん)」とあえてふりがなをつけてミスリードしているものの、ふりがななしで見るとどうしても「アイシテルのサイン(sin)」としか読めない。方法はどうあれ三角関数を使って愛を語るのだろうなと結末まで予測がついてしまう。

 三角関数についての渚の解説はなかなか面白いと思うし、そのあたりはよいのだけれど、暗号の話になってくると正直そこに気づくのはやや無理があるのじゃないかと思えてしまうため、実際にそれを検証してみようという気持ちもなくなってしまう(横着とも言う)。ゆえにいろいろ理由付けはするのだけれど、なんだかちょっと冷めてしまう。

 プラトン城では正直状況がいまひとつはっきりと伝わってこなくて、「なんだ、そんなことだったのか」と、そういう状況だったのならばもう少し分かりやすくとか思ってしまう。読み解けなかった僻みかもしれない。

 最後の函館の物語などはもうやたらと定理や著名な数学者の名前をやたらと列挙しているだけという感じがしてしまった。で、内容的にはこれまでと比べるとなんということもない話で終わってしまっているような。

 これまでのようにうまく数学のエッセンスというかトピックというかを絡めた解決といった雰囲気がずいぶんと弱くなってしまったような印象なのだった。確かにちょっと小難しい解説をはさみすぎたという嫌いもあるのかもしれないけれど。どちらかというとキャラクターで読ませようとしていないか、というところも。

 3.5 冊目は、さてどうだろう。

4062772515浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫)
青柳 碧人
講談社 2012-06-15

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