期待とは少し違っていたこころ旅
NHK BS で放送している「日本縦断 こころ旅」とかいう番組が長野県にきた、ということでここ二週間ほど夕方の地域ニュースの時間でダイジェストを放送していたのだった。火野正平さんが自転車で走っているということでちょっと気にはなっていたけれど BS なので見られないなあと思っていたのでほぼ見た。
が、ちょっと期待はずれというかなんというか。番組の趣旨としては悪くないし、番組そのものも悪くはないのだけれど。つまり、なぜ自転車で走らなくてはならないのか? というところがまったく意味をなさないような感じがしてしまうからなのだった。
てっきり全行程を自転車で走って回っているのだとばかり思っていた。なにしろスタッフ 4 人が自転車で併走している。さらには撮影車両もあるようではあるし、カメラも別にまだあってそれらの一行の様子を撮影してもいる。にも関わらず、走っているのは視聴者から送られた思い出の場所までの 10 - 20 km 弱の行程だけなのだった。
長野市では茶臼山の恐竜公園ということで、行程は城山公園から恐竜公演までのおよそ 17km ということだった。翌日は列車で飯山駅まで輪行し、飯山駅から野沢温泉のとある峠までの 13km あまりだった。さらに翌日は列車とバスを乗り継いで(とあった)上田駅まで行き、そこから御牧原までのこれもまた 10 数キロほどだった。そして次は野辺山のとある岩だかのある場所ということで小海線に乗ってなぜか佐久広瀬駅で下車してそこから自転車で 10 km あまりを走ったと。
だいたいほぼ 10km ちょっとを走るようにコース設定してそこだけをわざわざ自転車で走っているらしい。視聴者からの頼りでは別にすべての人が自転車で訪れたというわけではもちろんない。大半が車でということだろうし、公共の交通機関を利用してということもあるかもしれない。
なぜ、その身近な区間だけ自転車で走らなくてはいけないのだろうかと。どうせ走るなら全行程を自転車で走って巡ればよいのにと。
火野さんの年齢的なことや体力的なこともあるのかもしれない。自分だってもはやそうそう長距離を走れる自信などない。それでも番組としてせっかくやっているのだから、そしてなにより時間に余裕もあるのろうから(といっては失礼かしら)全面的に自転車で訪ね回るという形でもよいのではないかなと思っていたので。というか、そうでなければむしろ自転車を使う意味がないのではというふうにも思ったので。
もちろん自転車を現地での移動手段として持っていって観光を楽しむというスタイルはある。だから全面的にこれが悪いとかいうわけではないのだけれど、ではなぜその部分だけ自転車で走らなくてはならないのかというところが不自然に感じてしまうのだった。
視聴者の方が自転車でそこへ行ったというのであれば、それを再現するという意味はあると思う。車で行ったというのなら車でもいいのではないかと。逆に歩いたというのであれば歩いてみるというのが、より体感できる企画なのではないかなと。
なぜこんな中途半端なことになってしまっているのだろうかと少し残念に思ってしまったのだった。自分がかつて走っていたから余計にそう感じるだけなのかもしれないけれど。
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コメント
ほんとにその通りです。自転車で10kmの距離なんで、ママチャリでも1時間もかかりません。こころ旅が始まった2011年は、全行程ではなかったけれど、それでも今に比べて相当の距離を走っていました。何年もやっていて、完全に手抜きになっています。酷いときは5km」しか走らない日もありますね。
着替えもカッパも全て並走の車に積んで、旅をしているように見せかけてます。おそらく、「視聴者は火野さんが自転車で走っている姿を見るだけで満足してるんです」とスタッフは言い訳するでしょうけど。でも、だからといって、どんどん距離を短くして、「ロケ」に変わってもいいということではないように思います。
投稿: チーチャン | 2017.05.12 08:04