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第一容疑者

 なにやら GyaO! で週末イッキ見などという企画をはじめたということで、そのひとつが「第一容疑者」だったので頑張って見た。いや、以前全部ではないと思うのだけれど見たことはあるので、恐らくというはじめの二作(前後編なので都合四作)を除いてみてみたのだった。

 そもそもグラナダ TV のこのシリーズを知ったのは、早川ミステリ文庫で出ていたリンダ・ラ・プラントの小説「冷たい夜」あたりを読んだことに起因していたのではなかったかと。このロレイン・ペイジの三部作も実にハードでよいのだけれど、そこの解説かなにかで紹介されていて気になっていたのではなかったか。

 恐らくはイギリスに限らないのだろうけれど、いまだ女性が上に立つことを良しとしない男というのは多いもので、そんな男社会の縮図ともいえるような警察組織にあって、警部そして警視として手腕を発揮していくジェイン・テニスンを主人公とした一連のドラマ。本庁から派遣されて捜査の指揮をとり、所轄の刑事を使いこなさなくてはならないと。なじみの刑事を連れて行くこともあるけれど、単身であることもあったり、女であることからいいようにあしらわれたり。所轄の上役からも捜査に邪魔がはいったり。

 事件の解決という点でいうといまひとつ突飛な感じもあって、じっくりと納得のいく結末を見せてもらうというドラマとはいえない感じがあるのは日本のそれとの違いなのかもしれない。アメリカの「クローザー」などともやや違うのか。ただ、警察内部の不正や汚職といった部分があったり、肝心のワルは野放しにされるというような結末が多くて(このあたりは「クローザー」などとも似通う部分)、正直不満も残ってしまうのは、「水戸黄門になれてしまった日本的な感覚ゆえなのかもしれない。

 とはいえシリーズ構成はなかなかおもしろくできていて、テニスンが妊娠中絶をしたという回で扱われる事件は幼児誘拐事件であり、捜査に対して声を荒げるかと思えば、自らの行為(中絶)ということと幼い命との間で複雑な心情をのぞかせてみたりも。

 意外なくらいに奔放な男性遍歴などもでてくるのは謎でもあるけれど、最終話に関してはそれもまた伏線となっていたりでなかなかうまい演出だったりはする。

 なによりテニスンを演じるヘレン・ミレンが素敵。(「サイレンサー」はやめておけばよかったのにと思うけれど)

 作品に関わったリンダ・ラ・プラントが小説にもしていて、少なくともはじめの二作は出ていたはず。その後については未確認。これもまたなかなかにいい味を出しているのでドラマとは違った感じで楽しめる。

 気をつける点としては一話が長いということ。100 分あまりなので気軽に見始めると大変なことになるかも。それが前後編だったりするのだから。そう思うと話の展開が遅いというのはあるかもしれない。また、どの事件もどうもしっくりしない終わり方ばかりのようにも見えてしまう。日本の「相棒」などでも最近はそうした巨悪はどうにもならないという終わり方が増えたように思うので、現実的な解なのかもしれない。


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 ああ、絶版。

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早川書房 1996-11

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 これまた絶版か・・・

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