サンクチュアリ
クローズアップ現代で福島で増える野生動物。人が入れなくなってしまって以来動物が幅をきかせていて、人のいない住宅にもはいりこんで、食べ物を食べつくしたり、ガリガリと削りまくるネズミの群れであるとか、人をまったく警戒しないイノシシであるとか。まあ、もっと早くに対策しておくべきだったのだろうなと今更ながらに。
ネズミも大量に発生しているらしく、食料をあらかた食べられてしまっているし、養鶏場もすっかり処理されてしまっているらしく、それがよいのか悪いのか。住宅の中といわず外といわず、あちこちをかじりつくし配線がどうなっているかわからないことを思うと、すべて取替えでもしない限りは通電できないだろうという話も辛い。
一部人が帰っている地区であっても、すっかり無人になれてしまったので警戒するでもなく、一応警戒したとしても実に悠々としている。田畑を荒らされる度合いも増えているようで、これを元に戻すのは簡単ではないなあと。猟師がイノシシを捕獲しても放射線の濃度が高いので食肉にするわけにもいかないということで、つまりは処分するしかないと。といって、それで放射線の影響が消えるわけでもなく。
国や行政が後手後手に回るばかりで、どんどん新たな問題が深刻になっていくのだなあとあらためて。かつては「いずれ帰りたい」と思っていた人々が、もはや「これでは帰るという場所ではない」と思わざるを得ないのも、なんとも切ない話。
単純に人を入れないのが悪いわけではもちろんないけれど、いずれ帰還と本当に(国や行政が)考えるのであればしっかり対策しなければ、どうにもならないただの原野に帰れといってもそれは無理というもの。お定まりで想定外だったということなのだろうけれど。
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