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古代エジプト戦車をつくる

 忘れないうちに、といっても二週間以上経っているように思うので、だいぶ忘れてしまったけれど。E テレ「地球ドラマチック」で古代エジプトの戦車を再現しようという試みが面白かった。いくつかの遺跡の壁画に詳細な製造過程が残っていたりということに、まず驚くのもあるのだけれど、その進化の過程も楽しい。

 現在も残っているという木材加工の技術を使って再現を試みるのだけれど、車輪にしろ、本体から馬への接続のための棒にしろ、現在であってもかなりの困難を経てようやく出来上がったというのに、2000 年あまりも前の時代にこれを量産(どのくらいの数かは定かではないにしろ)していたのかと思うと恐るべき加工能力。

 木材を蒸してから型にあてて強引に曲げていくのだけれど、つまりは型となる部分もなんらかのもので作る必要はあるし、それをしばらくの間どうやって固定するのかとか、そもそも精度をどう確保するのかといったあたりも現代とは違って困難ではなかったのかと。

 車輪のスポークも今では棒でと考えるところ、なぜか板状の木材を V 字にまげてそれを張り合わせるという離れ技。どれかひとつでも角度が異なればきちんと収まらない。それを接着して加工。スポークの数も当初は 4 本だったのだが、それでは変形が起きてしまうために 6 本へと変更されていく。曲げる角度はますます鋭角化し、より困難であったろうに。

 さらには馬への接続をになう棒は本体との接合部も兼ねており、震動によるゆれを吸収するためにあえて本体とはゆるい接合をしていると。つまりやや余裕のある穴に差し込んであるだけで、前後に動くためにゆれ吸収をするとか。

 ほかにも、その形状が微妙な曲線を描いていて、現代の職工たちにとっても困難な加工で、何度か木材が割れてしまったりと失敗。ようやくにしてなんとか形になったものの、またしてもこれを量産するなど、どれほどの労力なのかと。

 最終的に馬も当時にあわせて小型のものを準備して実際に乗ってみると、はじめは失敗もあったものの、問題点を解消してなかなか快適な乗り心地になったらしい。急旋回もできるようでかなりの機動力があったこともうかがわせた。

 これによって戦の姿がまったく変わってしまっただろうことは、想像に難くなく。古代の人のすごさをあらためて思い知る番組だった。

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