インド映画恐るべし:「ラ・ワン」
かつて「ムトゥ 踊るマハラジャ」で一気に知るところとなったインド映画。なぜに劇中に詩と踊りがはいって歌謡ショーになってしまうのだ、という不思議な作りが特徴なのだけれど、あれはあれでなぜかハマッてしまうところがあるような。
そして、2011 年の作らしいのだけれど、「ラ・ワン」というインド映画を見て、インド映画の進化ぶりに驚いてしまったのだった。ワイヤーアクションばりばりで、CG バリバリで、ギャグやコメディ要素はちょっと好みではないものの、なかなかかっこよくて素敵なできばえ。それでいてしっかり数回は歌って踊ってのインド映画らしさがはいっている。
とあるゲーム制作会社で、そろそろ話題になる新作出さないとどうにも会社が危ないんだ的な話になって、作り上げたのがマスタースレーブ式のバーチャルで楽しめる格闘ゲーム。お披露目会当日に開発者のリーダーかと思う主人公の息子が、試しにプレイさせてもらうと楽しいらしい。しかも、社員がテストしたときにはなかなかステージをクリアできなかったのにステップアップして対戦中。
しかし、時間がきたよと中断されると、ゲーム中の悪役が途中でやめるな、お前を倒してやるみたいになっている。実はこの悪役キャラクターが人口知能を持っていたがゆえに次第に自我を持ち始めて、デモ用の義体に乗り移って現実世界への実体化をしてしまうという展開。そんなまさかと思うけれど、まあそのくらいの荒唐無稽はハリウッド映画にだってたくさんあるから許してしまう。
そして、ユーザーネーム「ルシファー」を探すが見つからず、開発者である二人を殺害。ルシファーを探しはじめると。無茶苦茶な話ながらゲームのキャラクターであった「ラ・ワン」が実体化して命を狙っているとわかった子供が父の同僚の女性とユーザー側のキャラクターである「G ワン」の実体化を試みると。作業をはじめようというところでラ・ワンに見つかりそうになって母親と車で逃げ出すと、どうやって撮影したのかというくらいのカーチェイスじゃなくてラ・ワンと車のチェイスになる。
危機一髪というところで G ワン登場。ラ・ワンを倒すものの、まだ死んではいない。母親と息子、そして父親の顔を模して作られた G ワンとで祖国インドに帰国。やがて、ラ・ワンも復活してインドへ向かうと。
ところで、問題は息子の提案で悪役は絶対的に強いという設定で作られてしまっていること。他人に変身する術も持ち、その力も G ワンの比ではないので、どうあっても勝ち目がない。「俺様を無敵に作ったことを後悔するんだな」みたいなことまで言われてしまう始末。
さてさて、結末はどうなるのか。という二時間半あまりの長編。繰り返すけれど、もちろん歌と踊りもある。そして、それがなんともハマってしまって脳内リフレイン。
まあ、いろいろケチをつけようと思えばいくらでもかもしれないけれど、ここまできたら楽しまなければ損じゃないかというインド映画。エンドロールでのメイキングもなかなか見もので、これだけでも一作いけそうなくらい。
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コメント
「ロボット」も凄いですよ(^_^;
「ボンベイ」という映画は、宗教対立とそれに巻き込まれた恋人たちを描いたシリアスな話なのですが、やはり歌と踊りが入ってきます。
インド映画は、別次元の文法で作られています(^u^)プププ
投稿: 黒豆 | 2013.05.16 10:38
やはり「ロボット」もすごいのですね(^^;
気になります。
本当、インド映画って次元が違うという感覚が合いますね(^^;
投稿: ムムリク | 2013.05.16 11:56