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ピーナッツ

ウッチャンナンチャンのウッチャンこと内村光良監督主演なので、コメディーなだけの作品かと思ったら意外やそうでもなく、コメディーはいれつつもしっかりとしたドラマになっていてなかなかにくい作品だった。

 いわば一発屋といったところでとある本が売れたことで一躍人気スポーツライターに持ち上げられたものの、最近は泣かず飛ばずでいい加減落ちぶれてしまった主人公が、古巣の町に戻ってきて、かつてみなとやっていた野球をまたやれたらいいなというのが発端。

 けれども街は今再開発の波に飲まれようとしていて、野球チームの中心だった商店街の存続すら危うい。まあ、それでもまた野球やろうよというあたりから動きだすのだけれど、野球を軸にしてそれぞれの事情であったり、心に秘めていたものであったり、いろいろが少しずつうまい具合に明らかになっていくあたりがなかなかいい感じ。ゆるさと固さがちょうどいい具合に混在していて、うまい具合にこちらの気持ちをつかんで離さない。

 もちろんメインはいよいよやってくる野球対決。再開発を飲むかどうかを野球の試合で決めようじゃないかという展開に。かつてはならしたとはいえ、空白時間も長く、ある意味にわか作りを否めない商店街チーム。メンバーもなにやら老若男女という色合いで旗色が悪い。

 案の定最初こそ期待させるが、次第におされるようになり、さて最後の起死回生はあるのか、という展開はまあありきたりではあるけれど、結末はご都合主義に走らないけれどうまく収めてくれるところがなかなかの才能だなあと感心。

 ちょっとホッとしたい、という時にはもってこいの映画ではないかなと。(芸人さんが多数出演しているため、その演技には不十分なところが多々あるものの、まあ、それもいかにも素人っぽい自然さと許容すれば、それはそれというところ)

 遅れてきた青春映画として必要十分。

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ジェネオン エンタテインメント 2006-08-04

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