散り行く桜?
昨年久しぶりに見始めていた大河ドラマ。別にどこかの知事さんのように、絵が汚いだのとか分かりにくいだとかはたいして思わなかったものの、なんとなく今ひとつ感がしてきてひと月くらいで見るのを止めてしまったのだった。
はたして今年は新島襄の奥さん? 女だてらに鉄砲撃つ! などなど、なんとなく惹かれるものがあって見始めていて、今年はなんともしっくりくる出来で見続けているのだった。
ところが。
世間では「方言が分からない」だの、兄様(あんつぁま)の入浴シーンを出せだの、なんのかんのとまたぞろクレームをつける輩があるとか。
方言について何言っているかわからないと思ったことはないのだがなあ。実際特徴的な部分を残しながら、ある程度現代的な言葉に変えているのではないかと思うくらい。
さらには字幕をつけろとかいう輩もあるらしいが、今はすべてデジタル放送になったわけで、基本字幕はついている。前にも書いたけれどこれは別に耳が不自由な人でなくても便利だ。音で聞くだけではどういう意味の言葉なのかわからなくても、字で見るとそういうことかとわかる言葉も多いので。
ところが、どうも NHK はこうしたほとんどクレーマーでしかない意見におろおろして、あっちにフラフラこっちにフラフラとしすぎるのではないかと。その結果が先日 24 日放送分の「蛤御門の戦い」。当日はキャプチャできなかったので、本日再放送分をキャプチャ。
「ことば解説」というデータ放送利用のサービスをはじめているらしいが、そこまでしないと分からないような方言とは思えないのだけれど。当時の武家社会のいわば専門用語的なものは、あってもよいかもしれないけれど。
解説図面がつくのは分かりやすい面は確かにあるのだけれど、これは果たしてドラマなのか? もはやドキュメンタリードラマというやつでは。
このくらいのテロップ(というにはあまりに中央だけれど)ならば、従来からもあったし、場面の説明程度なのでよいけれど。
このテロップはどうなのか? トーキー映画の弁士でもあるまいに。
そしてここにきて、もうドラマはどこかに消えうせてしまった。これは「その時、歴史が動いた」なのか? 「歴史秘話ヒストリア」なのか? こんなふうに、画面のこの人たちがどういう軍勢で、こちらに映っている人たちがこういう軍勢ですよなどというテロップが本当に必要なんだろうか? これはもう本当にドラマじゃない。
こんな風に視聴者らしい人からのすべてのクレームに応えてばかりいると、番組の本来の意義はどんどん失われていくのではないかと。そうして、そんな番組をせっかく見てくれていた正しき視聴者が却って離れていってしまう、という本末転倒の結末を生まないのか。
さながら、民主党政権があっちにフラフラ、こっちにフラフラと定まらないままに転落の末路を歩んでいるように,
NHK も同じ轍を踏もうとしているのではないのかと。
このままこんな調子が続くようであると、せっかく楽しみに見ている「八重の桜」はもはやドラマではなくなってしまい、多くの視聴者を逆に失うのではないのかと。
少なくともわたしは、いささか興が冷めてきてしまっている。最後まで見たいと思っているのに。
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