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すっかり冷めてしまった「アイスマン」

 NHK スペシャルの「完全解凍 アイスマン」を期待して見たのだけれど、なんとなくもやもやした感じが残ってしまった。なぜだろう。

 1991 年だかにたまたま登山者によって見つかったミイラ。当初は遺体遺棄事件的に扱われていたらしいのだけれど、どうも妙なのでと司法解剖の前に考古学者に見せたら 5000 年くらい前のミイラですよと。

 アルプス山中でずっと氷漬けだったので状態よく残っていたのが見つかったのだと。で、ひとまずは冷凍保存していて、表面調査くらいはしていたらしいのだけれど、それではやはりあまり分からないのでいよいよということで解凍して調査する許可を取ったと。内臓とおぼしきあたりやら脳の組織やら 150 箇所あまりのサンプルを採取して検査したとか。

 そのあたりだけならば、なんともわくわくという内容なのだけれど、どうもこの専門家というのが素人っぽいというか、説明がいちいち胡散臭いというか無理というか、どうもそういうあたりで鼻白んでしまったのかもしれない。

 必ずしもすべての人が医学的な専門家ではないのだろうから止むをえないのかもしれないが、鼻を出したままマスクしていたり、防護帽子をしっかり被らずに髪の毛が露出したままだとか、果ては採取したサンプル組織を試験管に入れるという時に、素手で試験管を持っていたりとか。もう、あなたがたは素人か? という感じがしてしまって。

 また、左腕を右方向に体の前を横切って伸ばしているという奇妙な姿勢についての考察も、やや奇妙なものだった。

 まず、左肩のあたりにやじりが見つかった。方向からすると後ろから矢を射られたものらしいと。さらに、右目のあたりに傷があり、なにかで殴られたものと考察。ここまではまあよい。

 はじめに後ろから矢で射られ、次に右横から石かなにかで殴られたと推定。アイスマンは後ろに仰向けに倒れた。アイスマンの右腕を取って体を右に向け、そのままうつぶせになるようにした。そして、矢を抜いた。だから左腕が体の前を右方向に向いているのだ。というのが、学者さんの考え。

 しかしだ。矢は体の左後ろから刺さっている。仮にその状態で後ろに倒れたら、その矢はどうなるか。やじりが残っているのでそれ以上はささっていない。とすると、ばったりと後ろに倒れて仰向けになったというのはやや違うような感じがする。

 また、仮に矢を抜くために起こすとしても、アイスマンの左腕を取って右を向くように(つまり先の説明とは逆向きに)体をひねらせたほうが、矢はすぐに抜きやすい。

 もちろん、利き腕がどうだったとかいろいろ考え方はあるだろうけれど、やや不自然な推論ではなかろうかなと。

 いろいろ発見もあったということで、面白かったのも事実なのだけれど、どうも今ひとつ感が強く残ってしまったので、面白みも半減という感じ。阿部寛のでてくる部屋の感じも、先日放送された「中国文明の謎」のそれと酷似していて、あれは必要だったのかという感じもあって、ますます今ひとつ感が。

 期待して見ただけにちょっと残念な番組だった。

#その前に別番組でも残念があったのだが、それはまた改めて。

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