"Maid" in Japan
テレビ放送 60 年記念ドラマということでかなり力がはいっていたドラマ「メイド・イン・ジャパン」。折りしも日本の経済や企業の先行き、海外展開、中国との関係などが注目される中だったこともあって、ちょっと刺激的な物語展開を予想させたのだけれど、次第にちょっと尻すぼみ感がでてきて、最後はうーむという。
大手家電メーカーが倒産の危機を迎えて内密に再建チームを動かす。日本の大手自動車メーカーとの新型充電池の契約が破棄されて、中国の新興企業と契約するとの情報からその充電池を取り寄せてみると自社の製品と酷似している。なかでも中心となる技術は自社オリジナルのはずで、技術が盗まれたとしか思えない。
中国にわたって直接交渉。盗まれた技術の正当な対価を支払ってほしいというが、これは当社で開発したものとつっぱねられる。が、工場にいって出会ったのはかつての同僚で、新型充電池開発を担当していた技術者。しかし、会社の存続が危ぶまれるなかでプロジェクトを凍結し、結果会社を去った人物。
打つ手ががないので訴訟に持ち込むことになるが、今度は中国企業側が日本にやってきて事実無根であると会見。
一方社内では社長が会社更生法適用のための準備をさせはじめる。中国企業の会見にあわせてこちらも会見するというが、社長は出席を拒否。再建プロジェクトは会長が極秘に進めていたのもある。
が、中国企業の会見で当の技術者が自分がずっと開発してきて、それがつぶされた。その後この企業にうつって開発したもので、それを技術盗用というならそういえばいいと。しかし、現状の生産体制には不良品を否定しない悪い性質があって、粗悪品を出荷することはできないので、出荷はしばらく遅らせるつもりだと言ってしまって騒動になる。
その結果、日本企業側の会見は急遽中止となり、さらに、その後選んだ道が訴訟をやめて、その中国企業と提携すること。で、物語はまあ、終わる。
うーむ。なんだか結局情に流されていけばうまく解決しますよみたいな話になってしまった。主人公矢作の娘が妙に大人びすぎているのも無理がある感じだし、いろいろと面白そうな伏線があったわりには尻すぼみで終わってしまった感が強いような。
あるいはそれは期待が大きすぎたためなのか。
我々日本人そのものが、まさに Made in Japan なのだから、がんばれば乗り切れるよ、というくらいのメッセージで終わってしまったのは、ドラマだから仕方ないとはいえ、なんとも物足りなさが募った。
中国企業との訴訟になれば、日本政府が支援してくれるはずだと考えていたという会長の話も、ちょっと無理があるようにも思えるし。
それなりに面白くは見たのだけれど、やはりちょっと詰めが甘かったのではないかなあという感じは否めないのではないかなあ。
次はぜひ「おかえりなさいませ、ご主人さま」方面のアイデアなどで、現代社会を見るというのもよろしいのではないかと。
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