みんな空なんじゃよ
相対論に続いての「100分で名著」は、般若心経。以前には源氏物語もやっていたはずなので、実に見事な長短の対比。いや、この短さだからこそ 100 分という長さではある意味足りない深さを持っているともいえそう。
まずは「空(くう)」の概念からはいるわけだけれど、やはりこの空(くう)というのは少々やっかい。いや、わかる。わかるけれど、なんとも抽象的なところから抜け出せない。その、もやもやした感じがなんとも気持ち悪い、いや、それこそ空(くう)なんだ、みたいにぐるぐるしてしまいそう。
般若心経はもうずいぶんと昔に読んだ。そうして、一通りの意味合いはある程度理解して(と思って)、一時はすべて暗唱できるようにもなったのだが、やはり継続しないとどんどん忘れてしまうもので、今では前三分の一と後半の一部というくらいになってしまった。途中も断片的には覚えているかもしれない。
「とくあのくたらさんみゃくさんぼだい」で、「あー、レインボーマン」であったか、などと思ったりも。
いずれにしてもこの短さに集約できるなら、長いのなんてもはや無用であろう、などとも思ってしまうのだが、それは凡人の浅はかさなのだろうか。いや、「ぐだぐだ言ってんじゃねえよ」という声も聞こえてきそうな、違うような。まあ、観音様がそんなことを言われるはずもなく。
百万言を尽くすよりもたった一言で言い尽くしてしまう、ということもあるわけで、真理というのは奥深い。
![]() | 『般若心経』 2013年1月 (100分 de 名著) 佐々木 閑 NHK出版 2012-12-24 by G-Tools |
あらまあ、デザインがすっかり変わってしまっている。
![]() | 「般若心経」を読む (講談社現代新書 606) 紀野 一義 講談社 1981-02-18 by G-Tools |
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