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逢魔が時

 「ヒットラー: home&dry」を読んで、そういえばあったなあと思い出したので期限切れになるまえにと見たのだった。実のところ配信がはじまったころに見つけてはいたのだけれど、合計 3 時間あまりという長さもあっていまひとつ乗り気になりきれなかったのだった。しかし、うん、これはなかなかいいなあと。

 ヒットラーにはなんとなくのイメージしか正直もっていなくて、独裁者で悪でホロコーストで収容所でといったやや断片的な認識しかなかった。彼がどのようにして彼となっていったのかといったこととかはまったく知らずにいた。

 もちろん、このドラマ(映画ではなくてテレビドラマらしい)のすべてが正しいかどうかを判断するすべはないので、当然のことながらドラマとしての脚色がないとは言い切れないのだとは思う。おそらく、そうした点を割り引いたとしても、その異常さというか狂人ぷりはよくわかるし、その点に関してだけは多少の誇張が仮にあったとしても、全般として間違いというのは無理なのだろうなという認識。

 3 時間あまりという長丁場にもかかわらず、確かにまったくそんなことを感じさせないドラマの展開。仮想敵を作って「奴らのせいで我々の安寧が損なわれている!」という演説を強烈に繰り返す様は、某国の姿を彷彿とさせたりも。

 ところが、よくよく考えるとそれは某国だけの話ではなく、近年の日本の現状(政治、社会)を思っても、類似の影は実に多いと気づかされるわけで。(小泉劇場とかその最たるものではないのかとか)

 危険なにおいが充満している現代社会であるのだなと、改めて感じたりするわけで。

 ドラマにしろ映画にしろ、ドキュメンタリーにしろ、つまり表現するということについてはどうしたって製作側の意図というものがはいるのは避けられないわけで、その点でいろいろ批判もあるやに聞くけれど、それはそれとして評価するのが正しいところなのだろうなと。

 いやいや、なかなか見ごたえのあるドラマだった。そして、人間の怖さを強く思った。


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コメント

ちょっと才能に欠けていた画家志望の貧乏青年が、後々ああなって行くのには、もちろん本人の資質が一番大きいけれど、時代と一般大衆が怪物を作り上げて行ったという側面も大きいですよね。
その人物を選んだのは国民の自業自得だ、と言われないように気をつけなくてはならないのは、まさに今の状況ですよねえ。

投稿: 黒豆 | 2013.01.22 11:02

時代は寵児も生むし、魔物も生むということなのでしょうね。
そういうことにだけはしたくないものですね。

投稿: ムムリク | 2013.01.22 11:34

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