グレート・ディベーター
いい映画を観た。黒人への差別が色濃く残る 1935 年。テキサスの大学でディベートチームが選抜される。黒人の地位や社会的な立場をよくしていくためには教育が必要だという一環なのか、正々堂々と議論できる人材をということなのか、熱心な教師のもとでめきめき力をつけていく。
一方でその教師は夜の顔も持っていて、経営者に搾取されている小作農を夜な夜な集めては集会を開き、組合を作って戦おうと呼びかける。
当然、農場主らは面白くないので、保安官らと一緒になって自警団をつくり、集会を見つけてはリンチを繰り返す。首謀者として教師を逮捕するも、小作農や大学の教員らがやってきて、騒ぎは大きくなり、しぶしぶ保安官は釈放することに同意する。
やがて、黒人ははいることが許されないハーバードとのディベート大会が実現。しかし、保釈の条件で州外には出るわけにいかないと教師は残り、生徒3人だけでハーバードへ。
テーマが直前で変更され、「法に背き、不服従であることは正しいのか」といったテーマで討論。黒人チームは賛成の立場で討論。戦争などを例示して法に従うべきだといった論を展開するのがハーバード側。
最終的には、ディベート大会を転々と移動するさなかに体験した黒人をリンチし、火刑にするのを目撃した話をもってきて「いわれなき仕打ちにたいしては、たとえ法をおかしても行動をすべきだ。ただ、それは武器を持って戦うことではなく、不服従であるべきだ」といった論で終わり、勝利を収める。
実話に基づく話ということもあるけれど、余分なものもなく、といって足りないものもないという感じで十分に作られた映画だった。監督・主演を務めたデンゼル・ワシントンもよかったけれど、なんといっても主役はディベートチームの生徒を演じた4人だろうなあ。
10 年あまりも前の映画ではあるけれど、よいものを見られた。
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