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OWL に会う

 E テレで再放送の「森の賢者 海の哲人」を見る。実は二週間あまり前の本放送をワンセグ録画していたのだけれど、うっかり録画予約してなかったのもあり冒頭を逃したのと、バッテリーがもたなくて最後の 10 分あまりが録画できなかったままだったのだった。

 おりよく再放送が「MIT 白熱教室 第2回」の前にあるというので、そちらを見ることにしたのだった。

 聞き書き甲子園、なるものが高校生を対象にして行われているらしく、すでに 10 年くらいになるらしい。何をするのかと思ったら、おおむね老人という域に達したさまざまな仕事の名人(多くは森や山や海にかかわる)をたずねて話を聞くということらしい。どこぞの大企業のウハウハ社長にでもなく、政治家のえらーい先生でもなく、ひっそりと山で木を切っているおじいさんとか、海で伝統漁法に長年携わってきた人とか。

 最初はなんだかよくわからない感じだったが、あー、これはハローワークなのかと思った。会社説明会では絶対に知ることのできないハローワーク。しかも、仕事ということにとどまらず、人生のハローワークとでもいおうか。

 五箇山の萱葺き職人を訪ねた女の子は、自分の進路にも悩みを感じて、再び名人のもとを訪ねている。そこで、自分のことを語りはじめる。名人は「そういうことなんだよ。自分の心も開くし、だから相手も心を開く」みたいなことを話してくれる。

 具体的な答えを出してくれるわけでもない。具体的なことを尋ねられるわけでもない。けれど、その仕事に向けるまなざしであるとか姿勢であるとか、あるいはそこで暮らす普段の生活であるとか、70 年 80 年と生きてきたその歴史と経験であるとか、そうしたところから生まれる言葉の温かさと重さと強さと。

 そんなきっと言葉にはうまく表せないかもしれないものを、彼らはきっとつかんでいるだろうなと。

 大学卒業しても就職できないという時代。一流の名の知れた企業ばかりに群がる傾向。「とにかく一流大学に進学するほうがいいと思うな」という母親。けれど、本当にそれは重要なのかと迷う娘。

 サラリーマンとは違った、山の仕事や海の仕事に関心をもつ生徒。あるいは、そことは違ったとしてもこれまでとは違った視点で社会や未来を見ることになるであろう生徒。

 こういう取り組みが、あったのだなあと。

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