歌うクジラ
NHK スペシャルのクジラとシャチの番組を見た。というか、これは今年だったか昨年だったかに放送したアリューシャン・マジックの関連映像とでもいうことなのかと。
そのときは大量のミズナギドリが見渡す限りの海原を埋め尽くしている様や、たくさんの鰊が群れている様などを紹介していたのだったかと。いや、小笠原あたりで巣立った鳥がそこで確認されたという内容でもあったろうか?
いずれにしてもちょっと想像を絶するくらいの光景がそこにあったのだった。
今回はそこに集まるクジラとシャチの攻防の話が中心で、クジラは子育てのためには温暖な海域が必要なので南の海で子育てをするが、母親クジラにとっては餌がない。結果子供が育ってベーリング海まで連れて行くことができるまでは餌を取れないまま授乳するのだとか。
そうしてすっかり体重も減り、体力も衰えぎみのところをなんとかアリューシャン列島まで泳いでいく。その先のベーリング海には豊富なプランクトンがあって、4万頭というクジラが食べても、食べつくせないほどだとか。
その餌場へと向かうわけだけれど、子供連れということで、今度はそれをシャチが狙う。母親にしてもすでに体力も消耗しているし、子供を助けられるわけでは必ずしもない。数頭のシャチが連携プレイで子クジラを窒息させて餌食にする。
そのおこぼれを海鳥やヒグマが狙う。半数くらいの子クジラが命を落とすとか。
しかし、まあそうして延々と命をみなつないできたのだと。
シャチに狙われた子コククジラをザトウクジラの母親たちが協力して助ける様は、研究者もはじめてみたのだということで、なかなか貴重で迫力ある映像だった。残念ながら海中のため、いまひとつはっきりとわからないのが難ではあるのだけれど。
糸井重里さんも見て「よかった」といったことを書かれていて、昔年寄は NHK を良く見ていたが、自分もそうなってきたのか、などといったことも書かれていた。ただ、考えるに、NHK は子供から年寄りまで、それぞれが見られるような番組を用意しているが、民放では若い世代しか見ていないのではないかという番組作りしかしていないということでもあるのかもしれない。
スポンサーの意向というかもしれないけれど、消費という観点からしたらむしろ高齢者は金はあるが使いどころがないという人も多いとかいう(実態がどうかは知らないが)。とすれば、むしろ高齢者が見たくなる番組をながして、そこに宣伝することは消費を促進する手段ともなるのではないのか? とも思ったりするが、そういう思考は違うのか。
そういう自分も高齢者の仲間入りってことかしら。
銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ (ハヤカワ文庫 JA 185) 大原 まり子 早川書房 1984-04 by G-Tools |
クジラのみならず、同じ仲間のシャチも仲間を呼んでいたのがなかなかよかった。
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