YesなのかNoなのか
このところ気になってしまう言葉が続いたので(といっても三ヶ月くらい間があったのね)、記録しておく。
[ 【PC Watch】 ブラザーのドキュメントスキャナ「ADS-2000」を試す ~USBメモリやAndroid端末への直接出力にも対応 ]
事実、今回発表された2製品のうち最上位モデルの「ADS-2500W」はPCレスで動作し、読み取ったデータを直接クラウドにアップロードできるなど他製品にないユニークな機能を備えており、否が応でも注目が集まる。
[ いよいよ発売:Amazonの電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」を使ってみた - ITmedia eBook USER ]
紙に近いと言われるその表示品質とは別に、これが紙ではないと嫌がおうにもユーザーに感じさせる部分でもある。
強調部分はわたしがつけたもの。
否応なく、とは言うけれど、「否が応でも」とか「嫌がおうにも」とかはいったい何を言いたいのだろうか?
いやおう【否応】「いやだ」という返事と「よろしい」という返事。
「--を言わせない・--も無い[異存が無い]・--無しに[=無理やりに]」いやがうえに【弥が上に】
今までもその傾向は見えていたが、それにますます輪をかけることを表す。
「美しきものを--美しく飾る・酒が入り、宴会は--も盛り上がった」新明解国語辞典第四版
なんだかあれもこれもがごっちゃになって、しかも誤変換までしているのか(誤変換ではないのかもしれないけれど)、もうなにがなんだか。
うーむ。
追記:
蛇足ながら上記ふたつを直すならば、前者は「弥が上にも注目が集まる」であるし、後者は「否応なくユーザーに感じさせる」とするべきではないかと。
| 固定リンク
コメント
僕はちょっと違うかな。「否が応でも」は馴染みがあります。
事実、参照リンクを見ていただければわかりますが、小栗虫太郎はともかく岡本綺堂や石原莞爾も使っているので、十二分に通用する日本語だと思います。
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%90%A6%E3%81%8C%E5%BF%9C%E3%81%A7%E3%82%82+site%3Awww.aozora.gr.jp&rlz=1C1GTJA_jaJP380JP380&oq=%E5%90%A6%E3%81%8C%E5%BF%9C%E3%81%A7%E3%82%82+site%3Awww.aozora.gr.jp&sugexp=chrome,mod=5&sourceid=chrome&ie=UTF-8
その一方、有島一郎や宮本百合は、「いやでも応でも」ですね。
投稿: arton | 2012.11.21 00:31
なるほど、確かにそうした使い方はあったのですね。そうした例に出会ってなかったのもあって違和感があったのかもしれません。
とはいえ、「否」が「嫌」になると微妙な感じもします。
投稿: ムムリク | 2012.11.21 09:12
夏目漱石は、「厭 ( いや ) でも応でも」と書いていますね。厭は現代では嫌で変えられるので、それもありかも。
投稿: arton | 2012.11.21 20:44
なるほどです。
日記にも書かれてましたが、やはり「否(いな)」という音が間違って(あるいは変化して)「いや」というようになって、そこに字が当てられたというようなことだったのかもしれませんね。
投稿: ムムリク | 2012.11.22 11:50