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群がる人々

 NHK スペシャル「追跡 復興予算 19 兆円」を見ると、金の亡者どもが復興マネーに群がっているなあと、つくづく思う。

 NHK 調べでひとまず疑わしいものは総額 2 兆円あまりということで、お役所の言い分としては「被災地へは十分すぎるほどすでに配分している」というものだったけれど、被災地の復興にひょっとしたらいつか役立つかもしれないよ、というような名目で、それらがあさっての事業に使われている実態を許容できる理由にはならないのではないかと。

 例示されたひとつの沖縄の道路工事。 これは昨年までは道路整備の予算だかから普通に配分されていたのに、今年はこれが地震対策でもあるのだ、という名目を付け加えることでその大半を復興予算から使っているとか。 もちろん大雨や台風といった災害対策工事として進められていたということで、それ自体が悪いとは言わないものの、予算を持ってくるところはやはり違うのではないかと。

 岐阜のコンタクトレンズメーカーで工場を増やすために使われている例。 生産が増えることで利用する人が増え、ひいては東北の販売店での従業員が増える可能性があるから、という理由で復興予算が回されているとか。 それならばいっそ東北に工場を作ったほうがよほど役に立つというものではないのか。 新たな雇用が数百人規模で行えるはずだ。 販売店員が仮に増えたとしてもいつのことやらわからない上に、増えたところで数人とか十数人というレベルでしかないだろうに。

 せめてこうした事業は一定の期間に効果がでていない場合には返還を求めたいところだけれど、どうせそんなことは考えてもいないし、するつもりなどないだろうな。

 商売を営んでいた個人などが、グループとして復興のための補助を申請したそうだが、申請が多すぎて予算額を超えてしまい、東北三県あたりだったかの合計では 60% 近くが補助を受けられないため、生活の再建が進められないとか。

 岩手県だかの場合で不足している額は 100 億円ほどだった。 ほかでも似たような額として合計 500 億円くらいあれば、そうした意欲ある人々の生活再建を後押しすることが可能になるはず。 2 兆円をよそへやっておきながらその金額は出せないというのは、どういうことなのか。 「首をくくる覚悟で借金するしか、もうない」と嘆息していた姿を役人はどう見るのか。

 医師が医療を再開できない現状や、がれき処理は国費でおこなうからと杜撰な経費処理が行われ、事業者の言い分で相当無駄な金が浪費されてしまったであろう現実。 もちろん、人手の点でもとても十分にさまざまのことが行えなかったであろうことは理解できるし、それ自体が悪いとはいいがたいけれど、ほぼ同じ大量のがれきを処理しなくてはならかなった石巻市と東松山市とのあまりの違いには愕然とする。

 実際のところはわからないが、他県の処理業者とかがやってきて、ここぞとばかりに荒稼ぎしたという例も少なからずあったと思うべきなのだろうな。

 復興のみならず、自宅の再建や帰郷の目処すらたたない不安な日々を送っている人々にこそ、使われるべき予算だったのではないのかという点で、はなはだ疑問といわざるを得ないのに、回答したお役人はまったく問題ないと薄ら笑いを浮かべて答えているのが非常に気味悪かった。 その自信を被災地の人の前で言えるのであれば、よほど腹の据わった大物なのだろうなと。

 19 兆円のなかのたかだか 2 兆円なのかもしれないけれど、それだけあったらあれもできる、これもできるということが被災地にはたくさんあるはずなのだが。

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