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「檸檬」

 こんなにも短くて、「一度は読め」的に長年言われている作品に限って、あまり読んでいないというのは、つまり天邪鬼な性格が理由しているのだろうな、とは思うのです。

 で、こういう機会を得て、あえて読んでいると「なるほど」と思うものもあるし、「これは一体?」と思うものもある。 さながらこの頃の某インスタントラーメンの CM のようなところも。

 檸檬のそれは、なんとなく雰囲気はわかる。 気分はわかる。 けれども、それでどうなのだ、とも思ってしまう。 なにがそれほど「よい」とされるのかはよく分からない。

 書店の棚から次々と本を取り出しては下に置き(とはいっても平台という意味ではあろうが)、そこに檸檬を残してニンマリして店を出るというのは、なんなのだろうなあ。

 「まったく、ゴミは持ち帰りなさい」と、店員には思われるだけかもしれない。 などと思うのは時代が違いすぎるためもあるのだろうか。

 きっとこれを中高生時代に読んでいたら、もっと反発していたかもしれない。 むしろ、今だからある程度冷めてみていられるのかもしれない。

 だからといってつまらない作品だというつもりはなく、雰囲気は好きだ。 ただ、なにを言いたいのかはよくわからない。

 まあ、小説なんてそんなものかもしれないかなあ。

4101096015檸檬 (新潮文庫)
梶井 基次郎
新潮社 2003-10

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 物語としては、こちらの檸檬のほうが広がりを感じてしまったり。

B00074C4LM私花集〈アンソロジイ〉
さだまさし
ワーナーミュージック・ジャパン 2005-02-23

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#底本が旺文社文庫では、もはや確かめる術は基本的にはないなあ。

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コメント

こんにちは。

私も去年初めて読みました。
確か感想をつぶやいたはず…と検索してみたら、「はた迷惑な客だ」と書いてありましたw

投稿: tako | 2012.08.23 23:21

まさしく「はた迷惑な客」ですね。
いわゆる老後の楽しみというのは、ある意味正しいのかもしれませんね。

投稿: ムムリク | 2012.08.24 10:33

「檸檬」を最初から「爆弾」と読み替えると、大分違った感想が
浮かび上がってくるかも(^^)

投稿: 黒豆 | 2012.08.27 15:19

確かにそういう妄想で書かれているのはわかるのですけれど(^^;
なんというか、それにしたってそれがどうしたのさ、といった感じもありまして。難しい世界です(^^;

投稿: ムムリク | 2012.08.27 15:47

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