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NHKスペシャル「大英博物館」を見る

 NHK スペシャルで大英博物館の二回目。 一回目のエジプトもなかなかよかったけれど、古代ギリシアもなかなかだった。(もっともエジプトで紹介された数々の文書の多くはすでによく知られているものが多かったわけではある)

 白い大理石の彫刻やら建造物の印象が強いけれど、最近の研究で実は極彩色に塗られていたと分かってきたとかで。 しかも、それは過去においては常識として知られていたにもかかわらず、とある歴史家によるいわば陰謀みたいなもので歪められてしまい、いつしか大理石なのだから白くなければ意味がないといったあさってな認識の増長を促し、果ては、より白くする間違った「クリーニング」などが行われてしまう事態に発展していたことがあったなどとは。

 少なくとも博物館の学芸員などちゃんとした人々の手によってではなく、博物館のスポンサーであった金持ちの指図によって作業員が行ったらしいのだけれど、金持ちというのは文化などには興味がなく、結局金にしか興味がないのかという。

 表面を削られてしまったために、色はもとより微細な細工までもが削り落とされてしまったのでは、もはや修復など不可能。 多大なる人類遺産の損失。 いわば万死に値するような行為だったのだけれど、彼らがどう処遇されたのかはよく分からなかった。

 再現してみた色豊かなそれらを見ていると、なんだか近年の怪しげな新興宗教が極彩色のそれっぽい絵を多用したがるのは、不思議と連関があるのだろうか、などとも苦々しく思ってしまったり。

 堺雅人のナビゲーションも悪くない。 ただ、たかだか3回の放送しかないというのが、なんとも残念。 大英博物館ともなれば一年くらいかけてじっくりやってくれてもまだまだお釣りがくるくらいと思うのだが、どうもこの頃の NHK は小さな単位で物事を進める傾向が強くなってしまった。

 民放化をすすめるのはやめて、昔を思い出した腰をしっかりすえた番組作りをして欲しいなあ。

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