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消える傍点

 DAISY3 において傍点を表現するためには青空文庫のような背景画像を使うなどしなくてはならず、ということで、ひとまずはそれをそのまま使わせてもらっている。 ところがどうも状況によって奇妙な現象が起きる。 傍点が消えるのだ。

 青空文庫式の傍点表現は、該当文字列部分の背景画像として傍点の画像を指定し、それを repeat-x で横方向に繰り返し表示させるようになっている。 よって必ずしも一文字ずつに傍点が合わないという表現にはなる。

 で、この傍点指定部分がたまたま行の折り返しにあたると、折り返された次の行に傍点が反映されない。

 つまりは、恐らくブラウザ側での処理の問題なのだろうけれど、通常であれば文字列の特定の範囲にだけ背景画像を設定するなどということは想定しないのだろうなと。 背景色くらいはあるかもしれないけれど。 で、repeat-x をそのまま素直に当該行の横方向にだけ反映しようとするので、行が折り返されて次の行に変わったなどということに、うまく対処できていないのではなかろうか? と。

 ところが、それならばと当該文字列の文字ひとつずつに対して背景画像を設定しても結果は似たようなものになる。 こうすると文字ひとつに対して傍点が設定されるので実際らしい表現が可能になる。

 しかし、行の折り返し部分ではやはり傍点が消える現象が発生する。 ただ、それぞれに設定しているので消えるのは折り返しの最初の一文字だけで、次からはきちんと表示される。 もちろん、個々に設定している場合には repeat-x ではなく no-repeat を指定している。

 正直、この後者の消えてしまう現象はやや謎。 いずれにしても折り返しにたまたま合わなければ消えてしまうことはないのだけれど、そこがリフローである図書の悩ましいところ。

 ブラウザの描画エンジンに依存すると思われるだけに、諦めるしかないのだろうなとは思うのだけれど。

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