無策
NHK クローズアップ現代にて豪雪の除雪などで死亡する高齢者の問題を取り上げていた。あまりの豪雪で自治体としては除雪予算が足りなくて困っていると。人手も足りないので、高齢者から雪下ろしなどの依頼を受けても対応しきれないと。
妙高へは県内の積雪の少ない地域の建設会社などから応援を送って一時対処したとか。そして、次はボランティアの話題に。ボランティアも笑顔で、やってもらったお年よりも笑顔で、いいねといった展開。ただ、受け入れ側がボランティアを効率的に配置したりといった受け入れ体制が十分ではないので課題だと。これからはボランティアによって地域がつながる時代ですね、みたいな話で終わった。
その間にも空き家が雪でおしつぶされ、除雪が間に合わない高齢者がきしむ家の中で恐怖におののいている。週末ボランティアなんかの自己満足では解決できない問題だと思うのだけれど。(ボランティアが悪いというわけではなく、その程度のレベルをはるかに超えているということを認識するべきだということ)
なぜ、自衛隊の派遣を要請できないのだろう? なぜ、そのことにまったく言及されることがないのだろう?
仮に法的な問題とか、一定の要請基準を満たしていないとかというのであれば、その説明くらいあってもいいはず。6 年前には出動して作業しているのだし、東日本の大震災でも中越の地震のときでも自衛隊の派遣はあったわけで出来ないというわけではないのだろうと。
そこに制度的な制限があるのはわかるけれど、自衛隊の自の字もでないでボランティア、ボランティアというのは本当にことの重大さを理解しているのだろうかと思わざるを得ないわけで。
せめて、「自衛隊を要請するとかはどうなんでしょう?」とアナウンサーが水を向け、仮にそこに障壁があるならそれをきちんと説明するというのはあってしかるべきだったのではないかなあと。自衛隊を頼むとお金がかかるのだろうか? なにが問題なのだろうか? と。
そんなにボランティアでこの国を維持したいならそれこそ自衛隊だってボランティアでいいじゃないか。政治家だって公務員だってボランティアでやれよと思ってしまうくらいに。
今本当に欲しいのは予算なんかじゃなくて(いや予算も確かに欲しいけれど)、それ以上に集中して継続して組織的に動いてくれる大量の人力なのであって、それには自衛隊の存在こそ望ましい。雪上での訓練にもなるし、第一組織だって動ける体制はすでに整っている。ボランティア組織の運営能力を嘆くこともない。
座してただただ高齢者が雪によって亡くなっていくのを待っているだけのように見えるのは、なんとも虚しい。自治体も動かない。メディアも無関心。これはある種の高齢者対策なのかと思ってしまうくらいに。
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