おらほのオリンピック
NHK で放送された「山里のオリンピック」を見た。四国の山間の地域 4 つが集まって 43 年間行われているというオリンピック。有体にいえば地区の運動会というところではあるのだけれど、ちゃんと聖火まで用意してオリンピック然として開催しているのがなんともいい。
地区対抗の運動会ということだけでいえば、わたしが育った地区でも広範な地域による運動会だったのでなかなかに盛況だった。よく借り出されてマラソンにでたり、メンバーがいないからとリレーにまで呼ばれたり。まあ、そういうことはきっと各地の運動会で見られることかもしれない。
番組での 4 地区のうちひとつが人口の減少で選手集めが困難になってきたのが問題だった。500 人あまりということで、見ていると子供の数が少ない。ゆえに競技によっては参加すら厳しいこともあるかもしれない。いや、今年はよくても近い将来無理が生じることは目に見えている。だから、このあたりで競技についてなど検討する時期ではないかという意見も出たのだけれど、結局「だからといってオリンピックをやめるわけにはいかないから、頑張ってくれ」ということになっていたのだった。
そのときになったらまた考えようということではあったのだけれど、悪くいうと典型的な日本的後回し主義。
ま、それはそれとして。ところがこの一番人口の少ない地区がとてつもないまとまりを持っている。少ないからこそというものかもしれない。すべての人が顔見知りという感じでわきあいあいと練習に励み、道具を提供し、当日はもちろんのこと、それ以前からなんとも楽しそう。
そんな選手層としては厳しい地区なのに当日は優勝を争う位置に今年もつけていた。残念ながら優勝は逃してしまったけれど、順位なんかは二の次で住民みんなが楽しんでいる姿がとても印象に残る。そういうのってあったなあと。
運動会が地域にとっての一大イベントであるというのは、この時代にあっても変わらないことなのだろうなと。それは田舎だからとかではなくて、なにか別の理由もあるんじゃないかなとも。
震災以降”つながる”という言葉がもてはやされているけれど、本当は言葉じゃないのかもなあと。
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