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ちゃんと知って、ちゃんと考える

 [ 山本弘のSF秘密基地BLOG:ラジウムだってこわいんだ ]

低線量被曝の影響がよく分からなくて、議論の的になっているのは、そのためなのだ。統計から被曝の影響を見出すことはできない。だから「これぐらいの被曝量ならこれぐらいリスクが上がるはず」という理論的な類推しかできないのだ。

 つまり「確かなことは分からない」としか言いようがないのである。

 これを聞いて「影響があるかどうか分からないのはこわい」と思うか、「なんだ、統計に出ないほど小さな害しかないのか」と思うかは、あなたの自由である。
 僕としては、0.1%程度のリスクの増加を恐れるより、他にもいくつもある、がんのリスクを増加させる要因(喫煙、飲酒、肥満、運動不足、野菜不足、塩分の取りすぎなど)を警戒する方が、はるかに合理的で有益だと思うのだが。

 自然界にあるから安全だとかじゃなくて、そもそもの性質としてどうなのかってことは理解しなくちゃね。知らないだけで身近なところに意外と保管されていたりはするわけで。もちろん大半は仕事上必要だったりできちんと管理されて、現行であれば届けもされていてということなのだけれど。

 かつて健康グッズとかにしようと輸入したものの、そのままぞんざいに保管しているなんてニュースは時折でてくるわけで、そうしたことがこれをきっかけにしてより見つかってきているということなわけで。

 原爆が落ちたから広島ではいまだに高線量なのかと思ったら、ほかとまるっきり変わらなかったというのも事実であるし。0 でなければ安心できないという風潮はやや狂気に満ちているようには思う。

 まあ、正しいことを見極めるには難しい世の中になっているのは間違いないかもしれないけれど。

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