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木星の骨


4488282172木星の骨 上 (創元推理文庫)
フェイ・ケラーマン 高橋 恭美子
東京創元社 2011-09-21

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4488282180木星の骨 下 (創元推理文庫)
フェイ・ケラーマン 高橋 恭美子
東京創元社 2011-09-21

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 「儲けるという漢字は信者と書く」というのは有名なアナグラム的解釈ですが、時代が荒れているときほど宗教が流行るともいわれ、旧来の宗教のエッセンスだけを寄せ集めたような、はたまたもはや SF ではないかという荒唐無稽な教義を掲げたものまで、新興宗教というものが現れたりもする。殊に金集めに執着しつつもそれを否定するような新興宗教であれば、まさにそれは先のアナグラムを証明しているようなもの。

 今回のデッカーの相手はそんな宗教団体「神の環教団」。さながら要塞のように周囲を囲み、建物にはほとんど窓がなく、数百人はいようかという信者たちはそこで自給自足の生活をしている。外部との接触はほとんどない。教祖はかつて天体物理学で名をはせた著名な人物ジュピター。教団の外の世界にいる人々は邪悪な者たちで、いつか宇宙からかれら教団を助けにきてくれるとかこないとか、そうしたことをまことしやかに信じている。

 その教祖が死んだという知らせが警察に届いたのは、疎遠になっていたというジュピターの実の娘から。かけつけてみると遺体は動かされ儀式を行って埋葬でもしようかという教団の動き。あくまでも不振死であることから捜査を進めるものの、教団側は決して手放しで協力的とは言いがたく、むしろけんか腰でデッカーらに応対するリーダー格の男、プルート。

 現状の保存が十分になされなかったことや、いまひとつ協力的でないことなどもあって進展を見せない捜査のなかで、教団の女性と少女が行方不明になり、誘拐されたのだと訴える教団。そうこうするうちに教団所有の養鶏場でリーダー格のひとりがむごたらしい切断遺体で発見されるにいたって、事態は少しばかり変化をみせはじめる。

 そして下巻に突入したところからは一気に事態は動きを見せて教団と警察との全面戦争へ。要塞然とした教団建物にはうかつに近づけず、内部には爆弾をしかけているとの情報もあり、手をこまねく警察。中にはすっかり洗脳されてしまっているとはいえ多くの子供もいる。救出のための手段はないのか。上巻のややゆったりした展開とはうってかわって、下巻の手に汗握る緊迫感がなんともいえないコントラストをみせる。

 そうした事件のさなかにも家庭になんとか戻って父親たらんとするデッカーの姿が描かれるのが、このシリーズの特徴。義理の息子たちときちんと向き合って語りあうなかで、子供の複雑な心情や境遇について語られる。かつて彼らが遭遇した不幸な事件についても今回はじめて言及され、刑事であり父親という立場でありながらそれに気づけなかったことを悔やむ姿は、そのまま教団の子供に向かう姿勢とも重なっていく。

 そうした家族や夫婦の成長物語という位置づけもこのシリーズにはあって、ただの警察小説やサスペンス小説に終わっていない要因。ひらたく言えば実に人間味にあふれているということ。

 教団との戦争が終結するところで、映画でいえばさながらエンドロールが流れるけれど、その後に置かれたエピソードの深さも忘れてはいけない。すべてが解決、収まったかに見えていたところに思いがけない展開。

 読み始めたら一気に最後までひっぱってくれるその文章のうまさにも相変わらずうれしくなる。しっかりと準備を整えてから読み始めることをお薦めします。


オリヴァーが問いかけた。「この男の言っていることがわかる者はいるかい?」
「わかんなくていいの」とマージ。「言ってる本人だって、どうせわかっちゃいないんだから。でも、自分に酔ってるのはたしかね」(P.157)

「ぼくらが知ってるとは思ってなかっただろうね。大人って、子供には目も耳もないと思ってるんだ。もちろんぼくらは事件のことを知ってたよ。ひとことも口にしなかっただけで。だって母さんは怯えきってたし、学校全体が動揺してたから。だれも、面倒な子供たちの話を聞いてくれる暇なんかあるわけないよね」(P.307)


木星の骨  (上下巻)
  • フェイ・ケラーマン
  • 東京創元社
  • 1008円
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書評

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ドラマ「ラストマネー」最終回

 思い出したように NHK ドラマ「ラストマネー」。放送が終了した。終りに近づいたら急激に人気が高まったようで、検索とかも活発だった様子。で、すっかり波も穏やかになったので。

 案外あっさりと逮捕されるにいたって、最後の注目は取調べの続く中自殺してしまい、さて息子を受取人にした保険金はどうしてくれるのか、といったところに。そのあたりはまあ面白い展開かもなあと思いつつも、全体としてみたら物足りなさのようなものも。結局、あまりに悲惨な貧しい過去をもっていたから仕方ないことだったのだという印象ばかりをだしていて、なんとなく掘り下げ方が弱かったようにも。脚本家が折れてしまったのかなあとも。

 まあ、そこからさらに話をひねるにはなかなか難しかったのかなあとは思いつつ。

 結局当初社内的には保険金など払う必要はないといっていた専務が、逆にこれはいい宣伝になると支払いやむなしという方向で会見を開くという展開は悪くなかったけれど。ただ、そこで終わってしまったので物足りなさが。前半の感じから思うと、もう少しそのあたり突っ込んでくれたら面白かったかなあという。

 まあ、本来保険業界をうんぬんするドラマ設定ではなかったわけなので、そればかりは仕方ないのかとは思うのですが。

 全体としてなかなか面白く見たのだけれど、やはりややまとまりに欠けてしまった感は否めないかなあと。

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メモ:ReVIEWの使い方など

 ReVIEW の使い方などについてメモ。

 ReVIEW記法 基本文法最速マスター - 達人出版会日記

 はじめてのReVIEW~InDesignへの取り込み - 名もないテクノ手

 ReVIEW の使い方 - A Day in Serenity @ Kenji

 NCX の存在にはちょっと驚いたのだった。ビューワーとかで見ているとファイルの存在に気づかないので。

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ページという概念

 かれこれ何度目なのかという昨年の一大電子書籍ブーム。今回はかつてとは少しばかり様子は異なるようで、端末にしろ書籍そのもにしろその物量はそこそこ維持されているようであるし、なおかつ今も新規が登場したり。サービスにしても「今ここで流れに乗らなくては」という焦りにも似た空気を傍目には感じたりもするわけですが。

 それはさておき。昨年春頃にブクログが誰でも手軽に電子書籍を作って販売できるサービス「パブー」をはじめたのだけれど、今も毎日書籍が生まれている様子。もっとも名も無い市井のひとびとによる出版ばかりかというとそうでもなく、著名な著者や出版社などが利用する例も多く、有料書籍の話題になっている多くはそうしたものなのかもしれません。

 ま、それもさておき。

 今頃になって自分でも利用してみて思ったのは「ページ」というものについて。パブーの書籍一覧でカーソルを合わせるといくつかの情報がポップアップされるのですが、ページ数というのもあります。ただ、中には 1 ページとか 2 ページといったものも多くあります。書店に並んでいるようなものの電子書籍版のような場合には、それ相応のページ数が表示されるものもあるのですが、意外なくらいに少ないものも少なくありません。

 まさかそんなページ数で、と思って閲覧してみると状況がわかってきました。これはすなわちウェブページ数。書籍としてのページ数とイコールではない。というのもパブーのはじまりの基本はサイトにログインしてブログを書くように編集してもらうという手法だったから。もちろん実際にそれしかない書籍も中にはあります。

 これを仮に PDF として閲覧すると数ページ程度のものになったりするわけなのだけれど、作成された基本となるウェブページ(いわばブログ形式)では 1 ページや 2 ページ程度でしかないという状況であると。当然、このウェブページは量がまちまちなので文字数の多いページもあれば、少ないページもある。

 極端なことをいえばページ数が 1 ページであっても、実際に PDF などで見たら 100 ページ以上あったということだってありうるのかもしれない。ページ内の文字数に制限がなければ。

 で、こうなると実際に見るまではどの程度の分量の書籍なのかが判断できないという弊害があるなあと。どうしてもわからなくてはいけないというわけでもないけれど、普通書籍を見たときにその厚さは気になるであろうし、購入の目安のひとつになることだってあるのではないかなと。その点ではこのページ概念でしか表示されないのはどうも不便な気がしているのです。

 印刷出版された本をもってきたものの場合には、PDF あたりからインポートしているのかと思われるので、おおむねページ数は実際のそれと同じになっている様子。せめて PDF になったもののページ数を表示するようであればどうかとは思うのですが。ePUB の場合は基本として可変ページ数なので、これを基準にというのは無理があります。

 ただ、PDF からインポートしたようなものの場合、これをパブーのウェブページとして閲覧すると、1 ページごとにページを遷移しなくてはならないということになるので、あるいは煩雑に思うかもしれないけれど。とはいえ、それは PDF として閲覧することと同じでもあるし問題ないのか。

 いずれにしても同じページ数という概念ではあっても、パブーでは複数のものが含まれており、書籍の分量をはかる指標として使うにはウェブページ数ではやはり実態と離れてしまうのではないかなあと。

 まあ、そんなことを思ったのでした。

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クローザー シーズン4

B0030Z3FRCクローザー 〈フォース・シーズン〉コレクターズ・ボックス [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-07

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 「クローザー」もとうとうシーズン4(本放送的にはさらに進んでいるようだけれど)。それぞれのシーズンごとに底辺となるテーマというか物語があって、それぞれの回の事件とも絡んだりしつつ展開していくのがなかなか楽しい。副本部長のポープの離婚調停にブレンダがでなければならかったりもしたし、ふたりの恋愛やらやや早めのメノポーズに悩まされるブレンダだったり。そしてとうとう今回は FBI のフリッツとの結婚が現実となるのか? という展開で進んでいたのだけれど、最終話でいよいよ結婚した。なるほど。

 それぞれの事件としてはいろいろ面白いものがあるけれど、13 話あたりだったかの弁護士が犯人であったのだけれど、逮捕できない事態に追い込まれてしまう話とかがなかなか見ごたえがあっていい。

 チーム内恋愛が失敗してぎくしゃくしている二人の様子もこのシーズンでは強く描かれていて、この先の展開が気になるところ。うまいなあ。

 すでにチームにはいろんな危機があって、チームそのものも名目上は変化しているのだけれど、そうした細かいところもすこしずつ気を配って作られているのがまた面白さのひとつ。

 唯一残念なことはシーズン2あたりから次第に「Thank you」というブレンダの嫌味たっぷりというか、意味ありげで印象的だったせりふがなくなってしまったこと。あれがよかったのだがなあ。まあ、同じことの繰り返しに甘んじていては、飽きられるというのもあるから仕方ないことかもしれないけれど。

 まだまだ展開が楽しみなドラマ。

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腰巻の悲哀

 [ Island Life - 本の帯 ] ときどきの雑記帖 濫觴編 経由

腰巻など脱がせてしまえ!


 本の帯の経緯について井狩さんあたりの本でなにかなかったかなと思ったのだけれど、残念ながら手元では見つけられなかった。自分が知っている限りでいえば、まず日本の出版社独自の宣伝方法で、著者、装丁者方面ではこれを嫌う向きもあるのは確か。

 一方で古書店などではこれが価格を二分するようなこともあるわけで。もちろん帯があるものの価格が高くなるということもあると。当然ながら文庫本のそれがそうであるというようなことはなく、箱入りハードカバーなどの手合いで希少なものの場合などに限られるわけだけれど。状態がよければなおのこと。

 少なくとも帯というのは出版社が売り上げ増のために客をひきつけようとしているものなので、読者の手に渡った時点でその役割を終えている。そしてカバー表紙と同じで取替えができるというのが意味を持っているわけだ。発売時、なにかのキャンペーン時とで替えることであらたな命を吹き込む。文庫などは顕著であろうし、賞を取っただの、急に話題になっただの。児童書であれば課題図書になっただの。

 ただ、やはり普及的な書物は別として意匠を凝らしたような装丁ものであると、邪魔なものでしかないというのもまた確かなのだろうなとは思う。下手をして長年棚に置かれて日焼けあとなど残ろうものなら・・・。

 で、思い出すのが椎名誠。「腰巻など脱がせてしまえ!」(「本の雑誌」1980年18号掲載)と題して書いていたことがある。

つまりそうなのだ。あの「コシマキ」というものは、その本の著者も、画家も、装丁者もあずかり知らぬ出版社側の必殺まとわりつきインベーダーのようなものなのであるのよ。そうしてあれはつまり、いかにしてその本を沢山のひとびとに売るか、ということだけを考えているシロモノなのでありますから、コシマキの効用というものは、つまり書店に置かれて、誰かに買われていくまでの間----というふうに、これはもう誰が考えても実に明確にその「有効使用期間」というものが限定されているものなのでありますよ。 (P.164)

 で、次第に腰巻がずっとついたままになっているものが増えてくるとカバーのような機能がついてきてしまって表紙カバーのデザインとあわせたものがでるようになり、第二のカバーのようになってしまった、と続ける。

 しかし、ここで思い切ってエイヤッとカバーを取り去ってみるべきではないのか、その手始めに腰巻から捨ててはどうか!と意気軒昂。

本のほうだって腰巻をまとっているのに慣れてしまっているからはじめはやっぱり、

あっだめ、いや、いや、などと身をひねらせて抵抗するかもしれない。しかしそこが勝負なのだよ。「エイヤッ」と思い切ってまずはとにかく無理やりにでもはぎとってしまえば、あとはたいていなんとかなるものなのである。
(P.168)

 とまあ、腰巻なんか脱がせてしまえと訴えるのであった。まあ、それもわかる。とはいっても案外残してあったりはするのだけれど、自分では。

 ただ、書店の文庫の棚などではまばらに帯が残ると見た目にもよくないので、時折帯一掃作業をしたりすることがあって、実はひそかな快感であったりするのはなかなか知られない楽しみであったりはするのだよなあ。

 まあ、帯の面白さも不要さもそれぞれあると思うので、まあ好みでどうぞと。保管の際には日焼けあとが残るのでご注意をと。そして、一度くらいは帯を取った素の装丁を楽しむ機会をもちましょうと。

#引用はいずれも「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」(本の雑誌社)所収から

 ここにも帯ワン・ケノービが!

4041510147もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵 (角川文庫)
椎名 誠
角川書店 2000-04

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 装丁としてはこちらのほうが好き。

4938463008もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵
椎名 誠
本の雑誌社 1981-04

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そぐわない表現

 ゴルフの石川遼がおつきあい宣言をしたとかしないとか。いや、そんなことはどうでもいいのだけれど。日刊スポーツの記事がどうも気になったのだった。というかスポーツ紙なんて見ないし、買わないし、なのだけれどたまたまワイドショーでやっていたので。

111025nikkansports


「スター選手だからと言い寄る女性とではなく、以前からの知り合いとのお付き合いや結婚をするのが望ましい」という家族の考えにそぐう女性だ。
日刊スポーツ(11/10/25 一面)

 「そぐう」ってなに?

 「そぐわない」とは言う。ふさわしくないとか適当でないとかいう意味。しかし、その反語として「そぐう」という表現は聞いたことがないし、すくなくとも手元の辞書類にはそうした記載が見つからない。あえていうなら「そう(副う)」あたりかもしれない。

そぐわな・い

 いつも・(その時)の状態から見て、異質だという感じを与える様子だ。
 新明解国語辞典第四版

 で、調べると古来「そぐう」はあったようではあるものの、現在通常は「そぐわない」と否定形で使うのみであるとの記載は見つかる。間違いというつもりはないけれど、あまり適当な使い方とは思えないような気はする。

 先の文でも、「考えに合う」でもいいだろうし、「考えに適う」でもいいだろうし、普通に表現できると思うことからもなぜこんな表現を選んだのか疑問に思ってしまうなあ。

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骨までいただきます

 そろそろ旬というには時期が過ぎてきたのかなとは思うものの、まだまだ脂ののりのおいしい秋刀魚。秋鮭のおいしい季節にもなるわけだなあ。もちろん安くておいしいので一年中わりと秋刀魚を常食するのですが。ただ、やはり冬から春、春から夏へと向かうにしたがって、冷凍物の秋刀魚は脂も失われ、なんともちょっとさみしい感じの姿になってしまう。

 やっぱりこの時期の味は大事だなあと。

 昔ならば骨も内臓も丸ごとバリバリと食べていたのだけれど、さすがにそれが辛くなってきてしまったので中骨を残すようにしてしまった。また、この時期のものは本来的にそうでもないのだけれど、時期をすぎた冷凍物の場合は内臓は食べないほうがよいともいう。事実ほとんど原型をとどめないような姿になってしまうのであまりおいしそうではない。

 さらに言うと近年になってなぜか内臓のあたりにウロコが大量にあることがあって困ったことになるのだった。外のウロコというわけではなく中にある。主には口元に近いほうなので、あるいは漁獲してからウロコが取れて、それを飲み込んでしまったところで冷凍なりされてということなのかなあと想像はしているのだけれど、昔はあまりそういう印象がなかっただけに少しばかり謎に思っていたりもする。

 そんなこんなでこの頃はすっかり内臓も取り除いて食べるようになってしまった。別に内臓そのものは嫌じゃないのでちょっと残念なのだけれど。

 で、中骨。これもただ捨ててはもったいないのでちょっと焼いて香ばしくして食べてしまうようにしている。これがうまいのだよねえ。秋刀魚に限らず鮭とかでも焼いたりじっくり煮込んでやったりして食べられるようにするとこれがおいしい。水煮の缶詰とかでもわかるように。

 怒りっぽいあなた。カルシウム足りてますか?

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「くくる」

 [ 信濃毎日新聞[信毎web] 斜面(2011/10/23) ]
20111023syamen

 (斜面も WEB に公開されていたのだなあ:朝日新聞でいうところの「天声人語」)今朝のコラム「斜面」を読んでいてちょっと気になった。こう書かれている。

古代ギリシャの名言集をくくって驚いた。

 それを言うならば「繰って」ではなかろうかと。「くくる」というのは一まとめにするとかいうことで、ページをぱらぱらとめくっていくという意味の「繰る」とは違うと思うのだけれど。それとも長野ではくくると言ったかな? 少なくとも自分にはそういう覚えがないのだけれど。あるいは他県でそういう言い方があるのかもしれないけれど。

くくる【括る】

1.[それ自体ばらばらな物について]ひもなどを縦横に掛けて、一つの物として扱えるようにする。
2.巻きつけて、締める。

くる【繰る】
1.綿繰り車に掛けて綿の種を取る
2.[長いもの]順に引き出・す(して巻き取る)。「ページを--[=めくる]」
新明解国語辞典第四版

 本当は「ぐぐって」と書きたかったとか? それならわかる気がする。

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季節の終り

 銀行家の夫婦が旅行にでようとしたところ夫人のパスポートが作成できなかった。出生証明書が偽造されているというのだった。そのため夫人の出生を調べてほしいというのがサムスンへの依頼。調べを進めるうちにどうやら母親はバーで歌手をしていた女性らしいと分かるが、その先がなかなか進まない。養女として育てていた女性はすでに施設に入っていて、痴呆が進んでいるようだという声もあるものの、サムスンの印象としては振りをしているだけではないかという様子も。ただ、頑なに語ろうとはしない。

 そんなさなかに「いますぐこちらの仕事にとりかかってくれるなら長期にわたって十分な報酬を払う用意がある」という依頼が。貧乏探偵のサムスンにとっては願ってもない話ではあるものの、一度はじめた調査を打ち切る気にもなれない。まして、調べるほどに謎は深まりどうにも気になって仕方ないのだから。

 クラブ歌手の玉の輿の果ての殺人事件。裁判の結果無罪となって以降その姿は杳として知れず、けれど母親とおぼしき彼女は今も娘の様子を気にして調べている気配も。鍵を握るとおぼしき養母が殺害されるや、これで終わりかと思ったものの、丹念に調査を進めるサムスンが少しずつ 50 年前の事件の謎を解き明かしていく。

 ところが読者としてはこれがなかなか分かりにくい。いや、およそこうかなと思うのではあるけれど、なんとも人物がこみいってきて次第に分からなくなってくる。けれども、怒涛の結末はなるほどと膝を打つものでリューインのうまさにうなってしまう。

 淡々と、けれど事実の解明には決して妥協しない、それでいて人に対するやさしい心遣いも忘れないサムスンの面目躍如という作品。でも、読後ちょっと秋風を感じたりはする。作品としては冬なのだけれど。タイトルもうまいなあ。

4150784094季節の終り (ハヤカワ・ミステリ文庫)
マイクル・Z. リューイン Michael Z. Lewin
早川書房 1996-08

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追記:10/23

人生は短い。なによりも大切なのは人間であり、心の通じあえる人間は大切にしなければならない。(P.338)

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「恋愛小説家」

 著名な恋愛小説作家なのだけれど異様に潔癖症で、他人に触れたり触れられたりというのを嫌う。道路や床の継ぎ目部分を避けて歩くという奇妙な行動。隣人とのかかわりも極力避ける。有体にいって変人。それが、たまたま隣人の飼い犬を預かることになってから少しずつなにかが変化していって、気がついたらあれほど気にしていたこと事がまったく気にならなくなっていることに気づくと。

 オカマの売れない画家と、ベストセラー作家と、病の子供をかかえて貧しい暮らしのウェイトレス。けれども潔癖症の作家の唯一の外食できる場所がそのウェイトレスのいる食堂であると。なんとも不思議なかかわりが織り成す物語がいいのだよね。

 とはいえ食事するのにプラスチックのスプーンやフォークを持参し、それを使うのはよいとしても、袋から出す動作がなんとも大雑把で、手で触っても気にならないらしいのはなぜだろう。自分の手ならいいのかな。などとも思いつつ。

 しかし、ジャック・ニコルソンという役者は不思議な人だなあと。いわゆる二枚目という感じではないのだけれど、なんとも憎めないものを持っているようで、結構こうしたラブコメディに出演しているわけだし。誤解を恐れずにいえばブルドックみたいな顔つきなのだけれど。

 その意味ではヘレン・ハントだって同様か。美人というほどでもないし、すっかりいい歳ではあるけれど。まあ「ツイスター」以来のファンなので気になりませんが。

 見ながらつい「またそんな悪態吐いたら駄目さあ」とか思ってしまうくらい、引き込みのうまい映画ではあるなと。

B004E2YUJC恋愛小説家 [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2011-01-26

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 寒くなってくると思い出すのが犬のこと。いや、正しくは戌のこと。戌は安心や安全の守り神のように思われていた時代が少なくとも数十年前までは日本にあったのだと。今ではちょっと失われているだろうなあ。

 妊婦さんのお腹に巻いた腹帯、岩田帯ってやつは五ヶ月目の戌の日から巻いたとか。戌という字が入れてあったようにも記憶している。元気な子が生まれるように戌が守ってくれるということだったかと。

 寒くなって暖房をそろそろ用意しようかというときにも戌の日。この日に暖房の準備をすれば火災にあわないといったことが言われていた。今ではそんなこととは関係なく、少しでも寒ければ暖房をつけるし、暑ければ冷房をいれるしという生活なので、そういうこともないだろうし、そもそもそんなことを知っている人も少なくなったのだろうなと。(まあ、冷房のほうは関係ないですが)

 昔であれば暖房といってもあまり効率的なものがなかったわけで、戌の日までしばらく我慢するということもあるいはできたのかもしれない。今ではそうした我慢がない生活かもしれない。もっとも、そんなことをいうと「我慢して風邪でもひいたらどうする」といわれてしまうかもしれない。まあ、程度問題なのではあるけれど。少なくともそうして意識することで、火の扱いについて注意するという気持ちが自然と生まれていたのかもしれない。せめてそんな意識だけは残していきたいかなとも。

 ちなみにこの 22 日土曜日が戌の日。24 日月曜日は霜降。11 月 3 日文化の日も戌の日です。まあ、そろそろコタツを用意しようかという季節ではあります。あまり寒くならなければいいなあ。

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「手紙」

 人の生命にかかわるような罪をおかしてしまう人のなかで、罪の意識もなく行為を楽しむかのようにおかしていく人というのはそう多くはないのだと思いたい。多くの場合はそうしたかったわけではなく結果としてそうなってしまったというものであった場合、それでも罪は罪であって償いはしなければならない。けれど、それはその人自身だけにかかわるだけでなく、周辺のさまざまな人々にまで影響を及ぼしてしまうということにはなかなか思いが及ばない。後になってそれに気づいたとしても、それをまで償うことはなかなかに困難を伴う。

 数年前にとある裁判で判決の言い渡しに際し、裁判官が異例ともいえる形で被告にさだまさしの歌を示したことがあったけれど、償うということも難しいし、許すということもまた難しい。

 手紙とか文字とかの持つ意味であったり、不思議な温かさといったものをあらためて思わせる内容ではあったなあ。メールではこの感覚はあまり体験できないかもしれないとも思う。同じ文字ではあるのだけれど。そうした経験が薄れてしまった社会というのが、ある種の殺伐さを生んでいる背景にあるいはあるのかなあ。

 昔は、よく手紙を書いたなあ、と。

B000MTEA6Y手紙 スタンダード版 [DVD]
日活 2007-04-27

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 これとか「パッチギ」とかいい仕事していたのにねえ。


 LP持っているけれど今ではプレイヤーがない・・・。

B00024Z7Y8夢の轍 プライス・ダウン・リイシュー盤
さだまさし
フォア・レコード 2004-06-30

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民を見る

 地元新聞によれば先日善光寺で映画「一遍上人」のロケが行われたのだとか。写真つきで載っていた。

 一遍上人役にはウド鈴木。一遍上人像というのがイメージにないので合っているのか、そうでないのかはわからないのだけれど、なんとなく面白いかもしれないなあとだけは感じた。

 そういえば井上井月を題材にした映画も伊那方面で撮影されていたのだったなあと。田中泯さん主演で。まもなく公開らしい。

 [ 映画「ほかいびと」伊那の井月 間もなく公開! : Min Tanaka  Official-Web-Site ]

 [ 善光寺で映画「一遍上人」ロケ 市民エキストラ出演 | トピックス | 信州・長野県のイベント観光情報や話題が満載!信州Liveon ]

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とある電子処理手順書(ソフト)の設置設定(インストール)

 とあるプログラムを使わせてもらえる機会をいただいたので試してみた記録。まずはそのファイルの大きさに驚いた。「インストールには少々時間がかかります」とは言われていたものの、よもやそれほどのものとは思わなかったのだった。ダウンロードを始めてそのファイルサイズに唖然。1.1GB の ZIP ファイル。これはなかなか目にできない巨大さだ。

 プログラムというのでせいぜいがところ数百メガバイト程度と思っていたら単位が違う。この単位だと PC-BSD の肥大化しているインストール DVD メディアを思い出すところ。今は 3GB 程度あったのではなかったか。ダウンロードだけで ADSL 環境では二時間あまりはかかったはず。これが Ubuntu であれば基本は CD-ROM 一枚分くらいのファイルサイズだったはず。適宜あとからネットワーク経由でインストールができるのでありがたい。

 ということで 40 分あまりかかって無事ダウンロード完了。そして展開してインストール。MSI ファイルがあるので実行すると、.NET Framework4 が必要なので先にインストールするようにというメッセージ。今すぐインストールする? と尋ねてくるので「はい」と答えるとインストールが始まる。

 が、.NET 4 のインストールが完了すると静かになってしまった。ということであらためて MSI を実行。.NET Framework4 LangagePack が必要だという。これまた「今すぐインストールする?」というのでお願いする。(いや、本来言語パックだったら一緒にいれてくれたらいいのに、とか思いつつ)

 三度目の MSI 実行。SQL Server 2008 R2 が必要だからインストールしろ、という。「今すぐインストールする?」というのでお願いする。

 終わったので四度目の MSI 実行。が、SQL Server 2008 R2 を先にインストールしろ、という。いや、それは今入れたはずでは? しかしなんらかの事情で失敗したのかもしれないと、ひとまずはもう一度お願いする。終了する。

 五度目の MSI 実行。が、無常にも SQL Server 2008 R2 を先にインストールしろとのたまわれる。うーむ、何かがおかしい。

 ということで展開したファイルの中を見る。SQL Server 2008 R2 のインストールにはバッチファイルが利用されているようなので、直接インストールプログラムを実行してみることにした。すると、「Windows Installer 4.5 を先にインストールしろ」という。それか! バッチファイルではそのメッセージが出てこないのだった。

 ということで手動で Windows Installer 4.5 をインストールする。もちろん、これも展開した中に存在している。その後あらためてバッチファイルを実行すると今度は先ほどまでよりもずっと長くインストール作業が続いている。どうやら途中でキャンセルされていたのは確実。

 その後 Java Runtime のインストールや .NET Framework3.5 のインストールを経て(もはや鬱陶しいので手動で先にインストールした)、ようやくプログラム本体のインストール完了。確かに時間がかかった(笑)。

 もっともこれには当然理由があって、WindowsXP だったからというのと、たまたまクリーンインストールしなおしたものだったので(各種更新ファイル適用や SP などはあたっていたけれど)、それまでなら入っていた .NET3.5 などが入っていなかったからというのもある。

 プログラムの実行環境としては XP 以上なので、それを見越してそうした環境で必要になるかもしれないプログラムをひとつにパッケージしたので巨大な ZIP ファイルになったというのはわかった。ただ、残念なのはどうせなら必要なものを次々と「これもないから先に入れるよ」とインストールしてくれたら便利であったなあとは思ったのだった。というのも、このプログラムを使うことを想定しているユーザーは、それほど PC に詳しいわけではないユーザーが大半であろうし、なおかつ XP ユーザーも相当数いそうな感じはするから。

 ことに Windows Installer 4.5 の関わる SQL Server 2008 R2 のインストールはハマルだろうなと。付属のテキストファイルにもそこまでの説明はないし、仮に書かれていても想定されるユーザーがそれを読んでくれるかというと、それは難しいかもしれない。

 XP の延長サポートにしても 2014 年までなので、もはやそう気にすることでもないと思うとしたら、それはきっとそんな期限のことを理解し認知している一部のいわばパワーユーザーであって、一般家庭のユーザーなどは「なにそれ?」状態だと思われる。「WindowsUpdate って必要なんですか?」「Java とかいうのがアップデートできるって言っているけれど、したほうがいいですか?」というのは割りと普通なのではないかと思えば、2014 年以降も XP ユーザーが潜在的に多数いるであろうことは想像に難くないのではと。

 しかし、光回線が増えてきているとはいえ、1.1GB ものファイルを落とすというのはちょっと嫌な感じはあるかなとも。ネットワークのない会場とかで配布するのであれば、全部入りというのも必要であろうけれど、そもそもダウンロードできるということはネットワークにつながっているわけであるから、最小のものにしておいて、インストールの際に適宜ネットワークからインストールということができたらよいなあと。

 Windows7 などの環境であれば SQL Server 2008 R2 くらいしか必要ないかもしれないので、無駄なダウンロードをすることにもなるし。まあ、このあたりはいろいろ考え方や難しい面もあるのかもしれない。とはいえ、今後プログラムのアップデートが行われたときには、本体だけのパッケージというのも用意してくれないと、またぞろ 1GB オーバーのファイルを落とすなどという無駄をするようになってしまう。それは避けてほしいなと。

 まあ、「必要な○○が見つかりません」とかいってそのままインストールを終了してしまうよりは、はるかに親切なつくりともいえるのかもしれない。なかなかにインストールパッケージというのも難しいものだなとあらためて思った次第。


 閑話休題。

 ソフトウェアとかインストールとかはうまい日本語というのがないものだなあと。ハードウェアなら機器とか装置とかそれなりに納得できるものがあるのだけれど。無理やり造語してみたけれど、なんともしっくりしないなあ。

 で、つまりはこれを言いたかったのだという。

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ジェネオン・ユニバーサル 2011-01-26

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B002UD1ET6とある科学の超電磁砲 第1巻 <初回限定版> [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル 2010-01-29

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マウキー

 (では、わたしも)

 ネット上で交流させていただいている方とはほとんど実際に会うことがなかったわたしなのだけれど、今回縁あって涼さんとお会いすることに。緊張されていたということだけれど、いえわたしの比ではないでしょう(笑)。というくらいに稀なことだったので。二年ほど前に河野さんにお会いしたのが、そういう意味でははじめてだったのではないかと。それに続くという快挙であります。

 もっとも、時間的にもゆっくりできたので、いろいろお話を聞かせていただけてなかなかに楽しかったです。レッツノートの軽さにも素直な驚きを覚えたり。

 思えばココログをはじめたころにたまたま(なのでしょうね)とあることでコメントしていただりが発端で、まあその後はさほどだったのですが、このところちょっと急速にという感じでしょうか。精力的に活動されている様がとても素敵です。

 わたしがマウキーを設定することになったブログ先はとうに無くなってしまったけれど、いまでは mixi にまでアプリで登場するほど。涼さんはどちらから設定されたのでしょうね。

 例の件についてはようやく実行環境を用意でき、その過程でもいくつか気づいたことなどもあるのですが、問題ないところはここに書いたり、ほかは場合によってはまた連絡させていただきますね。

#すっかり私信モードであるなあ(^^;

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Main

 近頃新聞を見ていると「メーン」という表記を見かけるようになった。メーンイベントとかメーン会場とかという用法として。なんか変な感じがしているわたし。ネイティブ的にはそういう発音なのかしらん。でも、辞書の発音記号的には違うような気はするのだけれど。

main [mein]

 メインでよいような気はするのだけれどなあ。辞書が古いかしら。人間が古いかしら。

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届いていますか、届けていますか

 先日の永六輔さんの番組でメモしていたことがでてきたので記録がてら書いておこう。いや、出てきたのではなく、正しくは忘れていたのだけれど。

 宮本常一さんから言われたという言葉として紹介されたのだったと思う。「電波が届く先に君も行って、そこで見聞きしたことをスタジオで話しなさい」といったことだった。ラジオの番組でスタジオから話すだけでなく、その電波が届けられてそれを聞いている人たちにじかにあって、その人たちの声を姿をきちんと受け止めてそれを伝えなさい、ということかなと。

 今年は大きな災害があり、その影響がいまだに大きく響いていて、さらにはそこに反体制的な動きが根拠のない憶測などを喧伝して、考える力を失った人々を恐怖に陥れていたりするような状況が続いている。相反するふたつの力があるけれど、それらははたしてその届くべき、届けられるべき場所の声や様子というものをきちんとその目で受け止めた上でのことなのだろうかと思うこともしばしば。

 世田谷で高い放射線量が計測されたという事件をとっても、ラジウムが発見されてもなお「証拠の写真を見せろ」だの、きっと政府や東京電力が仕組んで原発の影響ではないのだと仕向けようとしているに違いないなどといっていたりするわけだ。では、その方々が政府や東京電力たたきのために仕込んだという考えはないのか? とか。

 あさってなところにいて確かなことなどわからないままに、みずからの愚かな憶測によってだけ恐怖をあおり、そ知らぬふりをしているということはないだろうか。電波が届く先というのは、なにも放送人に限っての話ではないはず。そのことをあらためて心にとめていかなくてはなあと。

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沈黙のセールスマン


The silent salesman

 なんとも不思議な感じのタイトルで、事件の鍵を握っているセールスマンがいるのだが沈黙を守っていて話してくれない、といったことを想像してしまったりするけれど、そういうわけでもない。いや、そうでもあるのか。そもそもの依頼はとある女性からのもの。弟が会社で爆発事故にあい入院しているのだが、面会を許可してくれないという姉からの依頼。事故からはかれこれ半年以上が経過しているにもかかわらず。その彼の職業がセールスマン。

 調べていくうちにセールスマンにもかかわらず事故があったのは製薬会社の研究所であり、彼もその研究員としての働きもあったのだという。依頼人である姉の希望はとにかく面会を許可してほしいというもので、なんとかその要望は通ることになるのだけれど、途端にもう依頼の件はおしまいにしてくれという。明確にはしないものの製薬会社から買収金がたんまりとはいったため。

 なんとも不可解な事件にかかわってしまったのでどうにもすっきりしないので、入院している弟の妻に話をもちかけあらたな依頼人として調査を継続していくと、なにやら警察からも手を引けとなかば脅迫され、その影には FBI の存在があるのだといわれる。ところがどうにもその話が嘘っぽい。そうして調べていくうちに、事件のとんでもない真相が少しずつ見えてくるという。

 元妻のもとにいる娘がたまたま遊びにやってきて調査の手伝いをしたり、探偵サムスンの日常がそのままに描かれながら不可解な事件の謎がひとつずつ解決していく様がなかなかうまい。480 ページあまりの大部ではあるのにページを繰る手が止まるようなことはほとんどない。

 やさしくてけれど頑固で、自分の信念に関してはあくまでもタフで、そんな愛すべき主人公サムスンの活躍は強くひかれるものがあるなあ。貧乏だけど。

 入手困難なのかあ、残念。

4150784043沈黙のセールスマン (ハヤカワ・ミステリ文庫)
マイクル・Z. リューイン Michael Z. Lewin
早川書房 1994-05

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追記:10/15
 手持ちの表紙画像を追加

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黒猫邂逅

付箋

 有朋自遠方来、不亦楽乎

 誤解を恐れずに素直にいえば、7 年あまり前には思いもしなかったことであるなと。こういう日がこようなどとは。

 宿題については、諸般の事情により(というか PC 的な事情により)ちょっと遅れます。

#まずは HFS 問題のかたをつけなければ。

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”探しています”

2011panaff

 いったいいつまで継続しなければならないのだろう。

 こうした経費がどれほどかかっているかはわからないけれど、年に二度くらいはこうして案内が全戸配布される。いまだに見つかるとはいうけれど、それは恐らくごくわずかなのではないかなと。

 この先も延々とすべての台数を確保できるまで続けなくてはならないのだとしたら。もはやそれは二次被害といってもよいレベルの実害といってもいいのではなかろうかなと。ひところ騒がれたガス給湯器はどうなったのだろう。

 いっそ、警察でよく聞くローラー作戦ではないけれど、全国のすべての住宅・企業などを個別に回って捜索でもして終わりにするくらいにしないと、もう止めることができないのではないかと不安に思ってしまったり。

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イレブンス・アワー

 最近はどうかはよく知らないけれど、そもそもの韓国ドラマ人気のはじまりのときというのは、かつての日本のドラマを思わせるような世界観が再現されていたから中高年の女性に人気がでたのだと思っている。で、その頃にしろ最近にしろあまり韓国ドラマに興味がない。まあ、日本のドラマにもあまりひかれるものがないわけだけれど。

 そんな中でたまたま見たアメリカの「イレブンス・アワー」というのがなかなかいい。イレブンス・アワーというのは「ぎりぎり」といった意味を持っているそうで、そうした極限的な状況下のミステリという位置づけで作られている。科学的な見地からの捜査が必要だったり、理解に苦しむような事件を科学の目で解き明かしていくというスタイル。

 FBI の科学専門家が調査にやってくるのだが、頭脳明晰ではあるものの、いってみれば科学莫迦というところがあるので没頭すると周囲が見えなくなる。自身もさりながら、犯人に不用意に近づいたりして危険な目にあうこともあるからと護衛として捜査官がついている。という設定。

 登場する科学アイデアがぶっとんでいたりするので、どこまで現実を踏まえているのかよくわからないところもあるのだけれど、なかなか楽しい。1話2話あたりはまだすっきりしない感じだったけれど、3話以降はスタイル的に落ち着いてきた感じで実にいい。1話あたりでは護衛のレイチェルのサービスカットがあったりしたけれど、そういうおせっかいなものを省いても十分にひきつける内容になってきた感じ。

 配役もなかなかうまいなあという感じで物語にすっとはいっていけるのもいいなあ。「クローザー」といい、こうしたドラマをもっとテレビでやってくれればいいのにと思うよ。韓国ドラマばかりやらないで(笑)。


 シーズン3あたりから「Thank you」がなくなってしまったのが残念。

B004GYW00Yクローザー<フォース>セット1 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2011-03-02

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B004GZ4L50クローザー<フォース>セット2 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2011-03-02

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どんとなった花火だ

 本来の体育の日。やっぱり 10 月 10 日はよく晴れる。そしてさわやかに汗ばむくらいに。明日は少し気温も低めで気持ちひんやりかもしれないけれど、この暖かさのあとではほどよいというくらいかもしれない。もっともそれはずっとそこにいるからかもしれないけれど。

 移動祝祭日となっては本来の記念の意味もどこかに吹き飛んでしまい、それはやっぱりよろしくないよなあとは思うものの、どうすることもできず。

 とまあ、それはそれとして、運動会シーズンともなると早朝の花火がつきもの。開催するときには花火をあげますと。まあ、雨であったりしたら花火というわけにはいかないだろうから、無理からぬことという感じではある。

 で、学校や地区でそれぞれ日が違うので、毎週のように早朝に花火があがる。そして夜は夜でどこかで花火があがる。お祭りの季節、イベントの季節でもあるのだろうけれど、昔はこれほどまでに花火を打ち上げるということはなかったような記憶が。温泉街などで誘客のために毎夜花火をあげるところなどもあるようだけれど、こうまで日常化してしまうと、なんとも節操がないような感じもしてしまう。

 やはり節目のときにあるからそれを楽しみにもするし、うれしいものなのではないかなあと。近頃はいろんな理由はあるにせよ、あまりに頻繁にあげられすぎるような嫌いがなくはないかと。そうなるとこちらとしても、花火を楽しむとかではなく、もはや騒音に近い印象しかもたなくなっていたり。

 ちなみに長野市では晩秋から初冬の時期である勤労感謝の日あたりで必ず花火大会が開かれる。少し寒い空のなかで打ち上げられる花火が、昔は楽しみのひとつだった。”えびす講”というのだけれど。商店は年末や冬に向けての売り出しに忙しく、みなこぞって買いにでたものだった。今ではそういう雰囲気も少なくなったものの、花火だけはそれなりに残っている。

 時期的に珍しいということもあって、最近はよそから来られる方もあるやに聞くし。それもこれもたまにだからいいのだよなあ。

B000NA27QCCD「ドンと鳴った花火だ」
岡崎裕美 杉並児童合唱団 森みゆき 小林哉子・東京荒川児童合唱団 鈴木幾代・東京荒川児童合唱団 井出真理 勝田達夫 東京放送児童合唱団 前田美智子 天地総子
音楽センター

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歩こう、歩こう、上を向いて歩こう

 一週間ほど前のことになるけれど、NHKで放送された永六輔さんのこの夏を追った番組を見たのだった。数年前には大きな手術もなさったように思うのだけれど、今度はパーキンソン病を患っていたのだとか。実のところ昨年だったかたまたまラジオを聴いていたら何を言っているのかわかりにくくて、どうしてしまったのだろうと思ったことがあったのだけれど、それがそうだったらしい。

 リハビリを繰り返して今ではかなり回復していて、比較的以前のような語り口だったのがちょっと安心した。そうはいってもなかなかまだ思うように体も回復しきらないようではあった。番組では毎年行っていたコンサートを今年で区切りにしようということで、そのあたりの一部始終を伝えていた。いわく、なんだか年寄りが昔を懐かしむだけになってきているからと。

 スタッフの中には若い人もちらほらいるようではあるけれど、恐らく主たるスタッフや出演者、さらにはなんといってもお客さんの多くがある年代以上を占めるという状況ではあるようで、そろそろ役割は終わったのではないかと。続けることにも意義はあるが、どこかで区切りをつけるということにも意義はある。ただ、それはなかなか難しい決断だったりはするだろうな。

 そうして最後は最後らしい趣向をこらしてすべてが終わり、それでもまた新しいなにかが始まるのだろうな。

 リハビリ中のエピソードで、外国人のスタッフに「いい歌があります。上を向いて歩こう、というのですが、永さん知ってますか?」ときかれて、思わず「知りません」と答えたというのがとても微笑ましかった。

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エディタのおもいで

 エディタといってしまうとなんとなくワープロは別物という雰囲気になってしまし、メモ帳とかはどうなのかとかあるものの、まあテキスト入力ツールとしてという枠内で考えるということにして。今はずっと秀丸エディタを使い続けているのだけれど、そこに確固たる理由があるというわけでもない。とりたてて不満があるというわけでもなく、シェアウェア代金も既に払ってしまってあるし、それ以降も変わらずに使い続けさせてくれているのでというところ。思えば Windows 3.1 時代から。なかなかに長い。

 ということでちょっとこれまでを振り返ってみたり。

 PC-88 時代は ROM または DISK-BASIC のフルスクリーンがエディタだった。エディタを使っているという感覚はなくて、すべてがエディタであり実行画面であるという非常にカオスなものだったなと今となっては思う。うっかりリターンキー押すとそこにあった余分なテキストがプログラムの一部として取り込まれてびっくりしたこともなんどか。

 PC-98 時代のはじめはなにかの付録にあったような簡易なエディタを使っていたはずで、その後噂に名高い Vz エディタを購入して使っていた。これは重宝してあれこれ書いたなあ。あの小さな DOS の画面でありながら二画面表示とかできて便利だったし。Windows になるまでは使い続けた。

 ここでなぜか CP/M80 時代がやってきて、ED で書いていたけれどやっぱり不便で途中から WordMaster を使った。これは便利。とはいってもマニュアルとかないままだったりだったので苦労したところもあったような。

 Windows 時代は先にも書いたように秀丸エディタを使っていると。ひところあれこれ試してみたこともあったのだけれど、次第になじんでしまったものを替える気にもならずそのまま。プログラマな人たちは emacs とか vim とかの Windows 版を使うかたも多いようだけれど、まあいいかと。プログラマではないし。

 DOS 時代から Windows 初期のころだとワープロとして MS ワークスが。機能はオフィスよりもずっとシンプルで軽快。とはいえ今でも一般家庭の使用ならワークス程度で十分じゃないかなとも思う。今となってはフリーなオフィスソフトもあるのでもはやなんともいえないけれど。

 諸般の事情でオフィスの 97 は持っているのでいまだに必要があればそれを使う。さすがにワークスはバーチャル環境くらいでしか動作しないのではないかな。メモ帳もほとんど使わない。

 あいまに PowerBook の時代が少しあって、雑誌付録かなにかにあったフリーの JEdit とかいうのを使っていた記憶が。とはいえ 3 年くらいで駄目になってしまったのでそれっきり。メインに使っていたというわけでもなかったので。

 Ubuntu や PC-BSD では標準で入っているエディタを使うくらいで(当然ながら emacs でも vi でもない)、こちらはあまりどうこうしようという気がない。

 考えてみるとプログラムを書くというよりも、純粋にテキストを書いていることのほうが多いからかもしれないかな。ちなみに DOS 時代に ctrl+; や ctrl+: で日付や時間を入力することが可能だったのだけれど、さすがに今はそういうことはないらしい。ただ、少なくとも Windows95 時代にはあったと思われる、メモ帳に .LOG と書いておいて保存するとタイムスタンプを自動で挿入してくれるという機能はいまだにあるらしい。

 すでに 15 年以上もそれが残っているというのがまたなんとも面白いなあと。涼さんのところを読んでそんなことを思い出したのだった。(長いぞ)


 思い出といったら、これだよね。

B000FUTZLK小指の思い出/恋のしずく/知らなかったの
伊東ゆかり
キングレコード 2006-08-09

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 あるいは。(早川じゃないんだ!)

4199050086おもいでエマノン (徳間デュアル文庫)
梶尾 真治 鶴田 謙二
徳間書店 2000-09

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怪物

 さてペ・ドゥナ三昧ひとまずの最後は「グエムル -漢江の怪物-」。優秀なアーチェリー選手らしいのだけれど、ここ一番というときに駄目な妹。長男はなんだか頭が弱くなってしまったらしいというキャラクターだが、ひとり娘を溺愛していると。末の弟はなにやらやくざな感じで生きている。

 物語そのものよりも、パトレイバーのそれに似ているということで当時話題になってしまっていて、ようやくまともに全編見たわけだけれど、まあそれなりに面白くはできているのではないかなと。冒頭の科学者?の行動はいくらなんでもという感じではあるし、数十本、百本以上はあろうかという薬品を下水に流すか? というのもあるけれど。そもそもその程度で突然変異して、魚があのような化け物になってしまう可能性があるだろうかとか。まあ、いろいろ思うところはあるにせよ、それはそれとしてもしもそういうことがあったら怖いよね、という映画としてはそれなりによくできていたんじゃないかな。

 ややちぐはぐな印象とか間延びした感じとかもあったけれど、悪くはない。それぞれのキャラクターの特徴は踏まえつつそれが最後の場面に対してそれなりに伏線として活きていたわけで。まあ、肝心の(個人的に)ペ・ドゥナ方面としてはあまり魅力はないのが残念。

 とってきた人間をわざわざあそこに蓄えておく必要があったのだろうかとか、最後のほうも統一性にはややかけていたなあとか。あの女の子は生還したように見えたのだが、父親的には男の子が自分の子供みたいになった終わりはなんだったのだろうとか、やや判然としない終わり方が消化不良ではあるなあと。

 いったい自分でもどちらに評価しているのかわからなくなってきた。ま、可もなく不可もなくかもしれない。

B000ZH6QZQグエムル-漢江の怪物-(スマイルBEST) [DVD]
ハピネット 2008-02-08

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ドラマ「ラストマネー」

 珍しく、などというと失礼になるかもしれないけれど、たまたまご覧になってから気になっていると涼さんをして言わせている、NHK ドラマ「ラストマネー」。なんだか今週で終わりそうな勢いだったのに、見てみたら次週から「第二部に突入」とか出ている。で、そうだったなと思い出す。このドラマ、各回の保険金をめぐる物語はいわば刺身のつまのようなもので、本当の柱は高島令子演じる女性が次々と男を魅惑しては死に追いやっていったという事件をベースにしていたのだった。まあ、とりたてて美人というわけでもない女性というには、やや無理があるようには思うけれど。

 ということで一人目が偽装自殺体として発見され、あらたな場所で生活を始めたというところで物語の第二幕がはじまるというのはしごく当然なのであった。次の獲物は彼かあ。

 とまあ、そうはいってもこの主軸の話は全体としてのことで、正直ドラマとしての面白みの主体はやはり個々の生命保険事案にあるといってもいいのかもしれない。むしろそこが気になってつい見てしまうというのはある。保険というのは考えてみると奇妙なものなのだろうなと。そしてそれもまた商売であるがゆえに、いろいろあるという。特になにごともなくしていれば問題なく支払いが行われるということが大半なのかもしれないけれど、それだけにとどまらないものをはらんでいる、それが生命保険というやつなのだなあと思うと、つい気になってしまうドラマなのだよね。

 さて、どういう結末を用意してくれているのかなと。

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「そんな先の話はわからない」

 [ FreeBSD Daily Topics:2011年9月30日 FreeBSD 1.x系とFreeBSD 10.x系ダブルディジット問題について|gihyo.jp … 技術評論社 ]

 想定外という言葉が今年(2011年)の流行語大賞になりそうなくらいな今、そんな先のことまで考えてなかったよとでもいうようなお話なのかなあ。まるで 2000 年問題のときにも似ているのかなというような。細かな事情とかは違うだろうけれど。

 ちょっとしたプログラムを作ったりするときも、うかつに陥りそうな話ではあるなあなどと思いつつ。

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すごいぞ、グムスン!

 ということでペ・ドゥナ三昧がしばしはじまるのであった。元バレーボールのエースアタッカーでありながら結婚して今は専業主婦。はじめての赤ちゃんを相手に疲労困憊する毎日のグムスン。夫の両親が翌日朝 05:00 にやってくる(!)ということで、少しはよい印象を与えなくてはと料理の準備にいそしんだりしている。夫は入社したばかりの会社で歓迎会ということで帰してもらえない。飲めない酒を飲まされてもうろうとしていたらぼったくりバーのお兄ちゃんに拉致されて高額請求されるハメに。

 今すぐやってきて金を払えという店のオーナーからの電話を受けて、あわててわが子を背負って出かけたものの場所がわからずにうろうろするうちに、なぜかヤクザから追われる事に。このあたりから物語りはもうわけのわからない展開になりはじめる。ひたすら逃げるグムスンと、なんだかわからないがあの主婦を追えとおいかけるヤクザ。あちこちの店に逃げ込むたびに、ヤクザ同士のいがみあいが激しくなっていく。

 一方で夫のほうは飲みすぎの反動で元気になりすぎて、店のほうでもお荷物になりつつある。怪しい黒服の男の登場や、逃げる途中で赤ん坊を見失ってしまったり、もうなにがなにやら。

 笑えるところに、ハラハラするところに、グムスンすごい! と見せてくれるところに、まあなかなかに楽しい映画。何より、ペ・ドゥナ満載という。正直、韓国ものはあまり興味がないのだけれど、これはなかなかに楽しめたのだった。

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ヒョン・ナムソプ
エスピーオー 2006-12-22

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真に冷静であるということ

 震災から半年あまりを経て NHK が積極的に地震や津波、原発事故関連についての検証を行っている。NHK スペシャル「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」は実に丹念に調査検証していて有益だった。名取市閖上(ゆりあげ)地区での人々の行動を丹念に調査し、それを分析。どのような特徴が見られたのかを考えていた。

 もちろん「正常バイアス」とか「同調バイアス」とかはすでに専門家の間においてはわかっていることであるし、時折なにかの情報として話題になることもあったのだから、今更という現象であるのも確か。ただ、あらためて現実の事象としてこれほどの大災害においても確認できるのだということを、多くの人がきちんと理解することが必要なのだと感じる。

 なにごともない、大丈夫なんだと思い込もうとする心理もよくわかるし、なんとなくぼんやりと雑事を続けてしまうという行動もやむをえないことなのだろうとは思うけれど、やはりそのあたりはひとりひとりが意識を改めていかなくてはいけないのだろうなと。

 愛他行動についてもそうした意識が働くことを責めることはできないだろうし、おそらくはそうした行動にでてしまうのも自然なことなのだろうとも思う。親が子供を思うのは当然のことであろうし、日ごろから面倒見がよい人であったりするならお年寄りが気になるというのも無理からぬこと。番組に登場してくれた男性も、もしも諦めて先に逃げてしまっていたら一生後悔することになったと思う、とは言っていた。

 ただ、非難するつもりではなくあえていえば、その行動がむしろ犠牲者を増やしてしまったという結果もまた重く受け止めなくてはならないのではないかなと。20 分以上にわたる説得を諦めていたら奥さんまで亡くすことはなかったはず。どちらがよりよいなどということは間違ってもできないとは思うものの、考えておかなくてはいけないことではないかとも思うわけだ。

 現に「津波てんでんこ」という言葉が話題になったことでもある。互助の精神は確かに美しいし、失ってはいけないとも思うけれど、確実に安全を保障できる範囲内にとどめ、それ以外の状況にあってはそれぞれが行動する以外にはないのかもしれない。

 少なくともこれから復興される町作りにあっては、そうした弱い立場の人々が迅速に避難できるような工夫、あるいははなから避難しなくても大丈夫な土地に生活できるような考え方が活かされるべきなのかもしれない。

 個々人としては、災害時にはまずは慌てることなく正しい情報をきちんと入手する努力をし、迅速に行動するという習慣を身につけなくてはいけないのだろうなと。

 そんないろいろを思わせてくれる有益な番組だった。それだけにもっともっと多くの人が見る機会をもって欲しいなと。そして、こうしたことがきちんと教育や行政・政治に反映されるといいなと。

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SLUMBER

 そういえば tako さんが映画を見て感想書かれていたなあと思い出した。映画「ゴールデンスランバー」。いきなり殺人犯にされて追われることになるという不条理な展開と、そこに大学時代の旧友がいろいろに絡んでくるあたりは確かに楽しい。独特なキャラクターの持ち味はコミック的でもあるし。

 で、冒頭のエレベーターシーンが実は最後のシーンと重なっているというのは面白いと思いつつも、実にわかりにくくて少し違和感が残ってしまった。冒頭のそこから事件がはじまったように見えていたのでまるっきりタイムスリップものみたいな印象になってしまって。そこはもう少し明確にわけてよかったのではないかとも。

 最後の花火をしかけるのも時間的にいったらちょっと無理がありすぎな感じがして、それをいってもいけないのだろうけれどちょっと気になってしまうのだった。さらにはiPod 程度で銃弾が止まってしまうものかというところも。あの程度だったら貫通するんじゃなかろうかと。数十年は放置されていたであろう車のバッテリーを交換したのはよいとして、ガソリンが残っているものだろうかとか、残っていたとしてそれが使えるのかとか、まあいろいろ言い出すとキリがなさそうなのだけれど。

 で、tako さんも言うように父親の言葉が実にいいし、実家に送る手紙へと張られた伏線もよく活きているし、なによりも堺雅人という人選がうまかったなあと。

 終わり方はまああれもありだとは思う。それはそれで叙情的な余韻が残るという描き方では。原作がどうであるのかは知らないけれど、それでももう少し事件の真相にせまる部分があってもよかったかなあとは思う。断片的に描かれる部分でいろいろ想像はできるものの、もう少し明確になにかがあってもよかったのではないかなと。この物語としては暗殺そのものについては主眼ではなく、単に濡れ衣を着せられた男の逃亡劇を描きたかっただけなのだろうとは思うけれど、それでももう少しあったらなあとは思ったり。

 このあたりは確かに好みの分かれるところなのだろうなと。

 ただ、伏線はりすぎて活かされないままになっている感も強いので、いっそ連続ドラマのようなものでじっくりとそのあたりを描くという手法もあるいは残されているかもしれないなあ。いや、フジだったらやりそうだなあ。

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伊坂 幸太郎
新潮社 2010-11-26

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リンダリンダリンダ

 ソンちゃんのソンちゃんによるソンちゃんのための映画。それが「リンダリンダリンダ」。ソンちゃんは役名だけど。それくらいに韓国からの留学生という役どころのソンちゃん、ペ・ドゥナでもっているような感じ。実にいい味出してます。女子高生の青春している映画という点でもそれはそれでいい感じなのだけれど、ソンちゃんの日本的にはちょっと外れているけれど、本当はそことっても大事といったあたりがちょこちょことでてきてソンちゃんの役どころの意義が非常に高い。

 物語としても学校祭のわずか数日間のできごとという短さがうまくきいている感じ。まあ、その割りに展開がうますぎるという感じはしなくはないけれど、そういう信じられないようなことが起きてしまうのもまた青春ってやつでと思わせるくらいの勢いが。

 バンドメンバーの女の子たちもそれぞれにいい配役。いや、なによりもソンちゃん、ペ・ドゥナなんだけど。これはやられてしまう人は多いんじゃないかなと。そうして立て続けに見ることになるのであった。

 女の子の青春学園映画?といったところが少ないのもあるだろうけれど、このできのよさは出色だなあと。

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バップ 2006-02-22

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 これも気になっている。

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