歩こう、歩こう、上を向いて歩こう
一週間ほど前のことになるけれど、NHKで放送された永六輔さんのこの夏を追った番組を見たのだった。数年前には大きな手術もなさったように思うのだけれど、今度はパーキンソン病を患っていたのだとか。実のところ昨年だったかたまたまラジオを聴いていたら何を言っているのかわかりにくくて、どうしてしまったのだろうと思ったことがあったのだけれど、それがそうだったらしい。
リハビリを繰り返して今ではかなり回復していて、比較的以前のような語り口だったのがちょっと安心した。そうはいってもなかなかまだ思うように体も回復しきらないようではあった。番組では毎年行っていたコンサートを今年で区切りにしようということで、そのあたりの一部始終を伝えていた。いわく、なんだか年寄りが昔を懐かしむだけになってきているからと。
スタッフの中には若い人もちらほらいるようではあるけれど、恐らく主たるスタッフや出演者、さらにはなんといってもお客さんの多くがある年代以上を占めるという状況ではあるようで、そろそろ役割は終わったのではないかと。続けることにも意義はあるが、どこかで区切りをつけるということにも意義はある。ただ、それはなかなか難しい決断だったりはするだろうな。
そうして最後は最後らしい趣向をこらしてすべてが終わり、それでもまた新しいなにかが始まるのだろうな。
リハビリ中のエピソードで、外国人のスタッフに「いい歌があります。上を向いて歩こう、というのですが、永さん知ってますか?」ときかれて、思わず「知りません」と答えたというのがとても微笑ましかった。
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コメント
永さんは、手術というより、ここのところ怪我が多かったのです。
数年前は、転んであばらにひびを入れたり(まだ、喋りは大丈夫だった頃)、人に押されて電柱と喧嘩して目の周りに青あざを作ったり…(この時は、上田に来る前日で、上田でサングラスを買ってかけてました(^^;)。
もうその頃から症状は出はじめていたのですね。
それが、乗っていたタクシーが事故に遭って、その次の放送から突然喋りが昔の調子に戻りはじめたのです(まあ、完全ではありませんが、劇的に変わってびっくりしました)。
もちろん治療の効果もあったのでしょうが、何かあれがキッカケになったのは間違いなさそうです。
体の方は思い通りにはいかないようですけど、喋りが戻ってくれば、ラジオでは怖いもの無しですからねえ。
投稿: 黒豆 | 2011.10.11 13:48
なるほど。
時折上田にお越しの際のことを書かれていたのを読んではいましたが、いろいろあったのですね。
確かに今のしゃべりであればかつてとさほど遜色もなく、まだまだ頑張っていただきたいなと思いますね。
投稿: ムムリク | 2011.10.11 20:33