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トラベリング・パンツ

 生まれる前からマタニティ教室で母親たちが知り合いになり、生まれてからもいつも一緒にすごしてきた女の子四人。それぞれに性格も違うし、家庭の環境もさまざま。哀しいときは四人で慰めあい、嬉しいときは四人でわかちあう。そんな片時も離れたことのなかった四人が夏休みを別々に過ごすことになり、ふと見つけた不思議なジーンズをそれぞれに回して届けながら自分の身に起きたことを伝えあうことにする。そのジーンズは異なる体型の四人の誰がはいてもなぜかぴったり。きっとこれはなにか不思議なことが起きるに違いないといくつかのルールを決めて順番に送っていくことになる。

 リーナは少しおっとりした美人さん。控えめに見られているけれど自分ではそういう自分の殻や周りの評価を変えたいと思っている。ギリシアの祖父母の許で過ごす夏休み。ふとしたことで知り合いになった大学生の男性と親しくなるが、祖母いわくその一族とは犬猿の仲なので近づいてはならない。自分の気持ちを押し殺してジーンズを次のティビーに送る。

 スーパーでバイトをして資金を作りながら、みじめなドキュメンタリー映画をひとりで作っているティビー。ジーンズは番地を間違えてある少女の家に届く。数日前にスーパーで倒れているのを見つけ救急車を呼んであげたベイリーだった。ティビーが映画を作っていると知ると手伝いたいと申し出る。勝手に手伝いをはじめてしまうが、自分よりも上手にインタビューする面もあって、少し面白くない。なによりなんとなく生意気に見えてしまう。けれどもあるとき、ベイリーが白血病であることを知ってしまう。

 離婚した父親と久しぶりに夏休みを過ごすことになったカーメン。しかし父に連れられて到着した場所には女性とその子供たちの姿。この夏休みに再婚するということで一緒に暮らしているという。父親と過ごせると思っていたものの、結婚式の準備などにかまけていて相手をしてもらえないカーメン。それでいて連れ子の心配や面倒は見ていて自分だけがのけものにされているように感じる。ついには自分がいなくても父親すら心配してくれていない様子に怒って帰ってしまう。ジーンズに力なんてなかった。

 母親を亡くしたブリジット。サッカーの合宿に参加して、イケメンコーチに恋してしまう。コーチとの恋愛はご法度だというのだが、おかまいなしにアプローチするブリジット。親しくなりそうでいながら結局拒絶されてしまう。サッカーの技量は評価されているが、チームのコーチにはワンマンなプレイに駄目だしもされる。がむしゃらに明るく振舞っているなかでふと思うのは死んだ母親のこと。ジーンズの魔法も自分には効かなかったらしいと、再びギリシアのリーナに。

 四人それぞれにいろいろの悩みや苦しみや思いを抱えて少しずつ前に進もうとしはじめる。もはやジーンズに不思議な力があるのかないのかは問題ではなくて、きっとそれはなにかのきっかけでしかない。やがて四人それぞれが変化をもたらして不思議なジーンズの旅が最後の場面に向かう時、四人がそれぞれに成長している姿が印象的。

 たとえそれが普通のジーンズでしかなかったのだとしても、彼女たち四人にはそれが必要であったのだろうし、たまたまそれがジーンズであったというだけなのかもしれない。ちょっとした何かが必要であっただけで。

 そうして四人は少し、いやずいぶんと成長した。子供でも大人でもそういうタイミングというのは必ずやあるはずで、ちょっと元気になれる、そんな映画。

 幸せってなにか大きなことを成し遂げた時に感じるわけじゃなくて、ほんのちょっとしたことで感じるもの。ベイリーのそんな言葉がいつまでも残る。

B003EVW5ZU旅するジーンズと16歳の夏/トラベリング・パンツ 特別版 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21

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 続編があるのね。

B003EVW5Z0旅するジーンズと19歳の旅立ち 特別版 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21

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BYE-BYE SAKYO

 あちこちで「え!小松左京が亡くなった!」という文字を目にしたものの、もうすっかりよぼよぼになってしまった姿を見ていると年齢にしては衰えてしまったのだなあと思わざるを得ず。そうした意味ではこういう日も遠からずあるのだろうなと漠然と思っていたのもあって、残念に思うのは確かながらも割と淡々と受け止めていた。

 考えてみると著名な作品は知っているのだけれど読んだものはそう多くはなくて、あまりあれこれ語れるような読者ではなかったなと。とはいえ、「果てしなき流れの果に」とか「ゴルディアスの結び目」とか、「さよならジュピター」とか「首都消失」とか、いくつかは読んでいて、特に「果てしなき流れの果に」なんかは印象に強く残っているなあ。いや、内容はすっかり忘れてしまっているのだけれど。あくまでもなんだかすごかったぞという印象が残っているということで。

 その名前を日本中にしらしめたともいえる「日本沈没」も結局読んでないのだった。映画は見ていてこれはよかった。もちろん近年リメイクされたわけのわからない駄作のことではなくて、昭和の時代に作られた大量の糊をまいて特殊撮影したというあちらのほう。

 同じ映画でも相当の準備と力をいれてハリウッド映画に比類しうる日本 SF 映画を作ろうといって作ったはずの「さよならジュピター」が残念な結果になったのは唯一の汚点なのかもしれない。もちろん評価はひとそれぞれなのでわたしが思うにはというだけなのだけれど。物語はともかくとして、映像は作り物感が激しくて哀しくなるくらいだったから。

 日本 SF の黎明期を支えてきた人々が、もうどんどん亡くなっていく時代になったのを思うとさびしさもなくはないけれど、すでに時代はどんどん変わって新しくなっているのだなとも同時に思うわけで。

 少しは読み落としていた作品を読まなくてはいけないなあ。

4094080651日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1)
小松 左京
小学館 2005-12-06

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489456369X果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所 1997-12

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 早川文庫の頃は映画のカットがさしえに使われていたのだがなあ。

4894563878エスパイ (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所 1998-03

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4894565226さよならジュピター〈上〉 (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所 1999-05

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 なんだか軒並みハルキ文庫になってしまっているのだなあ。早川とか新潮とか角川とか(ま、角川はある意味別)徳間とか、いろいろあったのに。

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ひなげしとにわとり

 「コクリコ坂から」のコクリコとはフランス語でひなげしのことなのだというので、プチロワイヤルを開いてみたら、なるほどそうだった。

coquelicot

ひなげし、虞美人草

 さらに下のほうをなにげなく見ていると、

coquerico

こけこっこう[雄鶏の鳴き声](cocorico)

 というのを見つけた。発音もほぼ同じで、[li] か [ri] かという違いだけ。

 ひなげし坂のほうが絵になるかもしれないけれど、こけこっこう坂も案外絵になる、かもしれない。などと想像してしまった。

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やっぱ音声検索でしょ

 [ プレクストークのホームページ->製品紹介->プレクストークリンクポケットとは? ]

 先日新聞にも載ったのだけれど、大きさや基本的な機能とかコンセプトはいいんじゃないかなとは思う。ただ、携帯電話式に数字キーを押して書籍検索をするように見えるのだけれど、ここはやはり音声検索の導入なんじゃないかなと。見えない人のためのツールであるのだから、まさに音声検索こそ理想じゃないかな。当然候補を読み上げて教えてくれるというように。今後かもしれないけれど。

 技術的な困難さというのもあるのかもしれないけれど、朗読した音声データをやりとりするのでは朗読のための時間であるとかファイルの大きさであるとかいろいろ面倒な部分もありそうで、テキストそのものの音声読み上げが自然になったら理想なのかなあとは思う。データサイズも小さくなるし、朗読してという手間も軽減できるし。

 誤解のないように言っておくと、こういうのはもっともっと普通になるべきと思うので、もっともっと進化して普及して欲しいなと。そのためにも本当の意味で使いやすいものを目指していって欲しいなと。

 しかし、もはやシナノケンシという名前は意味不明なものになってしまっているなあ。業態変わりすぎです(笑)。

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「歯磨き粉はいりません」

 先日たまたま「天才てれびくん」など見たら、ちょうどワニを飼う方法についてやっていた。途中からだし、普段見ていないのでどういう趣旨のコーナーなのかもよくわからないのだけれど、なんだかシュールで面白かった。

 餌には鶏肉とか魚とかで、きょうは鯉を数匹あげますとかいってワニの水槽にいれているけれど、まったく食べる様子がない。すると、「ワニへの餌やりは一週間に一回でいいです」とか言っている。エネルギーを浪費しないように節約生活しているので、そのくらいの頻度でよいのだという。へえ~。

 で、ちなみにということで鯉をいれたらパクッと食べちゃうシーンもあとからいれている。すばやい。

 時々お風呂で体を洗ってあげましょうとかいって準備するものを紹介。「ワニ専用のブラシは売っていないので、洗車用ブラシを用意します」とか言っている。しかも淡々と。そりゃワニ専用のブラシなんてまずないよね。「歯ブラシも使いましょう」とかいってワニの歯を磨いてあげていると、「歯磨き粉はいりません」とか言う。なるほど。

 前から分かってはいたことだけど、E テレ恐るべし。

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プリンター新調

 久しぶりにプリンターを新調。哀しいかな壊れたとかではなく Windows7 対応ドライバーが提供されないということが主な理由。XP ではまだ十分使えているし、インクもかなりあるので古いものはそのままもう少し使う予定だけれど、Windows7 で使えないというのは不便であるし、インクタンクにしてもいつまで提供されるかも微妙になってきた。

 加えて近年では交換用インクで利益を出すというビジネスモデルのために、インクを 2、3 回購入するのと新品のプリンターを買うのとどっちが得かというくらいな状況というのもあり。つまりは、そろそろ買い替えの潮時かと。

 購入したのは Canon MG6130 。インクがすぐ終わってしまうとか、交換インクが量の割りに高すぎるとか、まあいろいろ不満はあるようだけれど、自分の用途からいえばこのあたりが現状一番いいところではないかなという判断。

 印刷の主な用途が写真年賀状の印刷で、他の印刷はほとんどない。となれば写真の仕上がりがよいほうがいいと。インクの量が少ないとはいっても年に一度の印刷に足りないということでもなかろうと思ったのだけれど、実際タンクを見るとこれまでの三分の二くらいなので正味でいっても半分くらいかと思えば、まあなんとかなるかと。毎年交換用を用意しておくとなると費用の点で大変かもしれないけれど、まあそれはやむをえない。

 たださんの日記を見ていて、ブラザーも魅力的とは思ったものの、写真印刷の仕上がりでいうとやはり少し見劣りがするようであったし、EPSON も地元としては考えたいものの、写真はがきなども手前から用紙を送り、くるりと回してくるというのはちょっと不安があって。問題があるかないかではなくて、少しでも不安は減らしたいというところで。ということで、はがきなどは背面から給紙できるのが Canon であったと。

 複合機である必要性は無理にはなかったのだけれど、価格差とか考えてもあまり大差がないことを思うと、ちょっとしたスキャンなら手軽に行えるのもよいなと。

 そんなわけで出番はまだもう少し先なので、実際の使用感はわからないのだけれど、例年 9 月くらいに新製品発表となるので来月くらいまでがお買い得な時期ではないかな。もっとも、あまり価格の下落を期待して待っていると流通在庫だけになって入手の点で苦労するかもしれないけれど。

 ちょっと残念なのは PhotoShopElements LE 版とかが付属してないことかな。機能を多少絞ったのでもよいのであると助かるのだけれど、ひとまず古いものを使っている。いずれは GIMP とか使うしかなくなるのかしらん。

B004184NAACanon インクジェット複合機 PIXUS MG6130BK 光でナビする新UI 6色W黒インク 自動両面印刷 前面給紙カセット 有線・無線LAN搭載 ブラック ハイパフォーマンスモデル
キヤノン 2010-09-09

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B004184NE6キヤノン インクタンクBCI-326 (BK/C/M/Y/GY) + BCI-325 マルチパック BCI-326+325/6MP
キヤノン 2010-09-09

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 写真にさほどこだわらないなら価格的にもとても魅力。

B004184ZN0BROTHER MyMio A4インクジェット複合機 DCP-J515N
ブラザー工業 2010-09-15

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おしまいの日

 なんだかんだ言ってもこの日を迎えたわけで、電波の有効利用とか言ったり、データ放送がどうのと言ったりはするものの、正直なところ画面解像度をややよくしたこと以外でなにか本当の意味で有益な変化があったのかというと疑問であったりするのは確かなところでもあって。

 まあ、いろいろ思うところはあるにせよ、変わってしまうことに意義を唱えたところでどうなるものでもなし。この際だからとテレビを捨てて(文字通り捨てるというよりは、視聴をやめて(もっとも最終的には捨てることになるけれど))生活することを選ぶというのもまたひとつ。どうしてもとなったら携帯電話のワンセグでいいや、という割り切りもまあ、あり。

 テレビは見るほうなので(昔ほどでもないし、見ない時もかなりあるとはいえ)、テレビだけは新しくしたけれど、レコーダーはそこまでの頻度がないので現状このまま。モニター出力による録画は可能であるし、携帯ワンセグは録画テレビでもあるわけで。ラジオの出番も増えました。

 まあ、さほど感慨もないのだけれど、記念日として記録はしておこうかなと。


 もう、絶版なのね。多分持ってないなあ。そして、近年はほとんど純粋に小説新作って出てないのだなあ。再刊が増えているので、そのうち復活するだろうか? 創元さんあたりで。

4101426031おしまいの日 (新潮文庫)
新井 素子
新潮社 1995-04

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#2011/7/24 をもってアナログテレビ放送は終了。震災の関係で岩手・宮城・福島の三県だけは2012/3 いっぱいまで延長されている。

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「かんせい」

 「大科学実験スペシャル」でひとつ気になったのは、”慣性の法則”のこと。法則そのものではなくアクセントなのだけれど。みながみな「感性」というアクセントで言うのがどうにも奇妙だった。建築関係の大学を出たというアンガールズの田中だけが「完成」のアクセントで言っていてちょっと安心したのだけれど。

 それとも自分の感覚が違っているだけなんだろうかとも思ったりはしたけれど。

 やっぱり「アクセント辞典」が欲しいなあ。というか電子版だったら音声で聞けたらいいのだなあ。アクセント記号だけ見ていてもイメージしにくいこととか、勘違いしていることってあると思うし。あったらいいのになあ。

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【私家版】RubyKaigi2011発表資料リンク集(3日目)

[ 案内 1日目 2日目 3日目 ]

2011/7/18
[ 大ホール ]

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[ 小ホール ]

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Lightning talks 2


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【私家版】RubyKaigi2011発表資料リンク集(2日目)

[ 案内 1日目 2日目 3日目 ]

2011/7/17
[ 大ホール ]

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[ 小ホール ]

.........
Lightning talks 1


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【私家版】RubyKaigi2011発表資料リンク集(1日目)

[ 案内 1日目 2日目 3日目 ]

2011/7/16
[ 大ホール ]

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[ 小ホール ]

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[ 闇Ruby会議 ]

#闇が深すぎます・・・

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【私家版】RubyKaigi2011発表資料リンク集(案内)

[ 案内 1日目 2日目 3日目 ]

 昨年ふとしたことから作成した発表資料スライドへのリンク集が好評だったようでもあるので、今年も作成してみました。一部まだ公開されていないのか、はたまた検索にかかってこないだけか、あるいは検索が下手なだけなのか、いずれにしても見つけられなかったものもあります。概ねできたので、ここでひとまず公開いたします。

 なお、不都合などありましたらご連絡ください。削除なりいたします。

【注意点】

 講演タイトルなどはスケジュールからコピーしています。敬称などは略させていただいています。

 RubyKaigi2011 スタッフでもなく、参加者でもなく、視聴すら今年はできなかったので、あくまでも私的なものとして一応作成していますが、ご自由にご利用いただければと思います。

 一部スライドが見つからないものでも、類似のものやサイトへのリンクを「参考」として載せているものがあります。当日の資料そのものではありませんので、ご注意ください。

 闇RubyKaigi ではそもそもスケジュールが発表されていないため、録画を見つつ作成しましたが、スライド映写ができなかった例などではうまく取得できておりません。また、タイトルや名前などが正しく反映されてない場合もあるかもしれませんが、ご了承ください。

 昨年はすべてをひとつの記事にしてしまいましたが、見通しが悪いように感じましたので、一日分ずつわけて掲載いたします。

 それでは、参加できなかった方。参加はしたけれど見逃したという方。途中になったその続きを見たい! という方。などなど、ご利用いただければ幸いです。

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”やってみなくちゃわからない”

 先日たまたま見たらなかなか面白かった NHK E テレの「大科学実験」。回転するものの重心が中央によると回転が速くなるやつと、電磁石のやつを見たのだった。回転のほうはわざわざ巨大な円盤とそれをささえる 4 本のひもを用意して、重量となるのは人。それぞれのひもに一人ずつしがみついて回転はじめ。タイミングをそろえて次第に上に(つまり中央に)上っていくというもの。はたして回転は速くなるのかと。

 いや、なにも人でやらなくてもと思うけれど、そういう巨大なものをある意味アナクロな手法で実験していこうというのが趣旨らしく、芸の域にもあるような。

 電磁石では6 メートルくらいの鉄の壁をよじ登るのだということで、試行錯誤。最終的にはとてつもない乾電池ボックスを背負い、手足につけた電磁石のスイッチを下で操作するという。これではまるでリモコン人間。盗まれた大切な巻物を取り返すために登るという設定なのだけれど、あんなに時間がかかっていては(よじ登るだけでなく、開発時間もかかっているからなあ)、とっくにどこかに逃げているではないか、というのはまあご愛嬌。

 そんな「大科学実験スペシャル」が先日放送されて、これまでのダイジェスト的な内容でそれはそれで面白かった。音の伝わる様子を観察するということで、数百メートルに人を並べ、音が聞こえたら手に持った旗を上にあげる。多少個人差による前後はあったにせよ、見事なその動きは音を見せてくれたいた。計算するとちゃんとほぼ音速に近い数字になっていたし。

 とまあ、非常に楽しい番組なのだけれど、どうやらしばらく仕込みの時間に入るらしく、次は来年春ということらしい。再放送でいいからやってくれないかなあ。だって、やってみなくちゃわからないじゃない。大科学実験でね。

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”えっと、あとがきです”

 [ そしてオーラス。::ときどきの雑記帖 未定編 ]

なぜ日本語、英語ときてフランス語なんでしょうか? いえ、それが悪いというわけではないのですが

 あくまでも写真を見てのわたしの想像ですけれど、高橋会長の好みとこのメッセージを思えば、つまりそれは”新井素子”ということなのではないかなと。

もしもご縁がありました(?) いつの日かまた、お目にかかりましょう


 お決まりの一文。

もしも、ご縁がありましたなら、いつの日か、また、お目にかかりましょう--。
新井素子

 後年となってはあまりに定番になってしまった新井素子のあとがきの締めの言葉なので。と、思ったが立教大学ではドイツ語だったような記憶が突如わいてきた。とはいえ、物語の終わりには「Fin」をいれていたのでそういう意味ではフランス語もあながち無関係ではないか。ほかはかずひこさんとかいらっしゃる関係もあるのかしらん。

 もっとも、最初の単行本である「あたしの中の・・・」(奇想天外社刊)では、まだそうした文言はまったく使われてないのだけれど。

#実はこの閉幕の写真にしても中継にしても見てないので、偶然の一致にちょっと驚いていたりする。

追記:07/23
 結局、かずひこさんがいたからという単純な理由だったらしい。

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はじまりのおわり

 Ruby会議 2011 が終わり、いくつか見ている方々の日記など増えてきました。一応の最後ということもあったので、今年は参加してみたいという気持ちはあったのですが、費用的な面でなかなか厳しいものもあり結局断念してました。もっとも急に事情ができて、仮に参加予定であったとしても難しくなってしまったこともあり、いけなくてよかったということなのかもしれないと、思ったりもしました。

 そんなわけでライブ中継すら見ることなく(たまたま初日の夕方にあった図書館システムだけは視聴できましたが)終わったので、恐らく今後動画が整備されても一部については見ることがあっても、すべてを見ることはないのだろうなとも。

 そういえば会議中特別割引で販売されていた達人出版会の電子書籍についても、迷っていたのもあるのだけれど、迷ったまま機会を失ってしまったのでした。これは少し残念。

 昨年一部で意外とご好評いただいたようなので、今年も発表資料スライドのリンク集を用意しはじめてはいるのですが、まだ終了したばかりということもあってなかなか見つかりません。まあ、公式のほうで(最後ということもあって)作られるかもしれませんが、一応作業は進めてみますのでいずれ発表する予定ではおります。

 参加の方々、お疲れ様でした。

#まるで新井素子みたいなタイトルにしてしまったな。

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食品干しネットを導入

 ここ一年あまり生姜をスライスしたのちに干してカラカラにしてから保存・使用している。まあ、ためしてガッテンの受け売りなんですが。確かに保温効果は高くなるので目的にかなっているのと、なにより使い切るためにも保存の上で便利なので。

 もっとも冬に向かっての季節においては、部屋の中で干していても一週間もすれば十分に乾燥できたのだけれど、先日どうやら不十分だったらしく一部にカビが発生してしまったのだった。やむなくそのグループはすべて廃棄することにして新たに干すことにしたのだけれど、これはしっかり天日で短時間乾燥を目指したほうがよさそうだなということで、道具を買ってくることにした。ネットで三段構造になっていて、全体がネットに覆われているので虫やらごみやらの影響をかなり防いでくれそうなので。

 さっそく使ってみると季節的なこともあってか一日干しておいたらほぼ乾燥したものもあった。このあたりはスライスの厚みによるのだろうけれど。多少厚かったものはもう少し必要だったけれど、概ね二日から三日もあれば十分だった。なにより安心して外に干せるというのはなにかとよい感じ。

 現在は容器にいれて冷蔵庫。様子を見つつ使ってみてというところ。よさそうならば、せっかくなので椎茸とかいろいろ干してみようかなとも。まあ、魚とかはちょっとかなあ。

B002G1S5QWコンパル 万能干しネット 25cm
コンパル

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4倍くらい上回る

 このところ福島産の肉牛の問題で騒がしいのだけれど、そのものではなくてちょっと気になっているのが NHK でのこと。神奈川県では基準値の 4 倍くらいの値が検出されたと画面には示されている。アナウンサーは「基準値を 4 倍くらい上回る値が」とか言っている。両者はイコールなんだろうか、と思ってしまって。

 あくまで自分の理解ではあるのだけれど、「基準値の 4 倍」といえば、基準値を 1 としたときに 4 であったということ。「基準値を 4 倍くらい上回る」といえば、4 倍くらい上回っているのだから 1 + 4 で 5 くらいではないのかな、と。それとも 1 + 3 = 4 というとり方が正しいのか。

 と、そんなことをむしろ謎に思っているのだった。

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高い窓


4150704554高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
レイモンド チャンドラー 清水 俊二
早川書房 1988-09

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 チャンドラー再読の一応の終わりが「高い窓」。手持ちがここまでしかないので。

 希少らしい古い金貨が盗まれたので取り返して欲しいという気の強い女性の依頼だったのに、あれやこれやおかしな方向に進んでいって、あの人が死に、この人が死に。そのすべてに立ち会ってしまうマーロウは、なにかにとりつかれているのかというくらいに。いったい話はどう収束するのさと思っていたら、見事につながっていく最後はなかなか圧巻だなあ。

 意味不明に思えた「高い窓」というタイトル(原題も The High Winodw)も、なるほどこれしかないかというくらいにしっくりと思わせてくれて。依頼人の秘書、マールがある意味鍵となるのだけれど、こういう哀しいというかおめでたいというか人はあらゆるところに存在して気の毒なこともある。社会にも会社にも、そして家族にも。そんなちょっと切なく思えるあたりも結末の魅力かなと。

 いったいどれほどの分量なのかはわからないけれど(恐らく 100 ページ分前後?)、最後の部分は戸田奈津子さんによる翻訳。成し遂げることなく亡くなられた清水さんに代わって完成されたのだとか(という話は以前読んで知ってはいる)。ただ、どこからが戸田さんの手になる部分なのかがわからないほど、清水訳に融合されていて見事。

 未読のあれやこれやもそろそろ探してこようかなと。

#最近落選続きなので再読が増える。母数が増えるとどうしようもないよなあ。

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メモ:サガン文庫リスト(1990年まで)

 「ジョゼと虎と魚たち」を見たときに出てきたサガンの本を調べてみた記録がそのままだったので一応メモしておく。映画では単行本だったと思うけれど、手持ちの資料からなので文庫の発行年で。

1955 悲しみよこんにちは
1958 ある微笑
1960 一年ののち
1961 ブラームスはお好き
1968 すばらしい雲
1971 優しい関係
1972 冷たい水の中の小さな太陽
1975 心の青あざ
1980 絹の瞳
1981 乱れたベッド
1987 愛は遠い明日
1987 赤いワインに涙が
1989 愛の中のひとり
1990 ボルジア家の黄金の血

 資料が 1992 年のものなので、以降については未調査。

#作中では絶版とされていたけれど、実際にはそういうわけではないと思われる。(一年ののち、すばらしい雲、かな)

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差別化と利便性と

 運送会社の宅配荷物などで、各社でいろいろなサービスをしていたりする。受け取りのときにメールで知らせてくれて、受け取り時間や場所をそのまま変更したりできるサービスとかもなにやら広まってきているらしい。現状でいえばすべての会社ではないし、やっているところでもそれぞれのシステムだろうから使い勝手みたいなものも違うのかもしれないし。

 一番の問題は受け取る側に運送会社を指定することができないということかもしれないなあと思ったり。たとえばネットショップで買い物したりしても、運送会社はその店で決まっているのであって買う側がここを使ってという指定はまずできない。「A社だと登録してあって便利なのだけれど」、と思ってもB社で配達ということになるケースも多いのでは。

 さらに言うと、地域によって運送会社を変えるということはあるので、他の地域だとA社で配送しているが、自分が住んでいる地域にはどうあってもA社では届けてもらえないという事態になることもあるわけで。

 つまり、運送会社が「わたしたちにはこんなに便利な受け取りサービスがありますよ」と宣伝しても、受け取り側が「それはいいなあ」と選ぶことはできないのだよなあと。送る側が決めてしまうので。まあ、あまり自由に決められても送る側としては大変で困るとは思うけれど。

 運送会社としたら自社を選んでもらうべく、いろいろの付加価値を考えるわけだけれど、結局送る側の論理でしか選ぶことができないというのが現実なのだなと、ふと思った次第。受けての利便性を用意しても、それは必ずしも享受できるとは限らないのだなあと。いっそ、受け取り側のそうしたサービスは共通化されたらよいのかもしれないけれど、さすがにそれは各社納得しないだろうし、無理な話にも思うし。

 などと蒸発しそうな頭でふと思ったのだった。

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「恋愛適齢期」

 きっと人生において遅すぎるということはないんだよ。きっと、たぶん、おそらく。と思うことにしよう。「恋愛小説家」とか、なんだかジャック・ニコルソンがこの手のラブコメディづいているような気がしたりするけれど、調べたわけじゃない。なんとなく。

 もうすっかり歳もいって二枚目ってほどでもないし、体型だって太っちょだし、でもなんとなく憎めないかわいらしさとかがあるのかなあ。で、いい感じに物語りにはまってくれるのでいいな。

 まあ、自分が連れてきたくせに心臓発作になった途端、放っておいて帰ってしまうとはどういう娘だとか、いくらなんでもふたりのことをほぼ忠実にコメディな戯曲にしちゃうなんてそれはあんまりだよエリカとか、いろいろあるけれど、最後が明るいのでいいよねと。

 ダイアン・キートンがすごくいいなあ。

B003EVW5VY恋愛適齢期 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21

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 ヘレン・ハントも。

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2011-01-26

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メモ:シンポニー新薬承認

 [ 【1日付の主な承認新薬】予防ワクチン2製剤が登場‐日本発の過活動膀胱薬も : 薬事日報ウェブサイト ]

「シンポニー皮下注50mgシリンジ」(一般名:遺伝子組み換えゴリムマブ)は、ヤンセンバイオテクが開発し、国内では田辺三菱製薬と共同開発したヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体。既存治療で効果不十分な関節リウマチに対し、プレフィルドシリンジ製剤として、4週に1回皮下注射する。

 関節リウマチ治療薬「シンポニー®皮下注50mgシリンジ(一般名:ゴリムマブ)」製造販売承認取得について(2011年7月1日発表): ニュースリリース|田辺三菱製薬株式会社

 ターゲットとしては既発売のレミケードと同じであると。いずれ特設サイト(リウマチ21.info)に情報が載るかと思われ。ひとまずメモ。

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「Windowsデスクトップガジェットを起動できません」

 はっきりとは覚えてないのだけれど数日くらい前から Windows デスクトップガジェットが起動できなくなっていた。もともと特に使いたいものはなく、当初からあった VAIO サポートツールというのだけは、まあ情報源として残しておくかということで、そのままにしておいたのだった。だから使えなくなっても特に困るということでもなかったのだけれど、PC を起動するたびに「Windows デスクトップガジェットを起動できません」というメッセージがでるのが鬱陶しいので、とりあえずそのあたりは解決せねばなるまいなと。

 ところが検索などしてみてもあまりこれというものがない。デスクトップガジェットのオン・オフを切り替えてみろとかいろいろでていたのだけれど、どうも違う。また、64bit が悪さをしているのではないかという意見もあって、それならと 32bit の sidebar.exe を実行してみると動作する。といって 64bit でなくてという手法がちょっとわからない。

 などなどもう諦めるかと思っていたのだけれど、ふと思い立ってガジェットの記録されているフォルダを見ていて気がついたことが。Gadgets フォルダにとうの VAIO サポートツールが見当たらない。けれど起動に失敗するときに一応表示はされるのだった。いったいどこに保存されているのかと。

 答えは Shared Gadgets フォルダだった。そこでいったんこのフォルダから削除してみたところ、問題なく起動できた。そして、そっくり Gadgets フォルダに移したところリストに表示されるようにもなり、起動も問題なかった。

 先月末くらいに Windows Update が一度あった。今月に入って Vaio Upadte があった。どれが原因したかはわからないけれど、どうもガジェットの場所が分からないというかおかしな状態にでもなっていたらしい。

 ということで、もしもデスクトップガジェットがおかしくなったら Program Files > Windows Sidebar 以下あたりを確認してみるとよいかもしれない。

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メリット、デメリットの先にあるもの

 [ 電子書籍の価格:更新日記 - 日曜プログラマのひとりごと ]

現在の専用アプリケーションに閉じ込められた電子書籍は好ましいものではない。

 このあたりは同じ意見で、今年になってもはや話題はすたれてしまったけれど、昨年の今頃は iPad のためのさながら仕掛け絵本かという電子書籍ばかりが話題を集めていたし、そうしたものを作る側も売る側も求めていたようだった。

 確かにそうした仕掛けは見た目が楽しいし、新鮮であるので面白いとは思うけれど、そうした目先のものは直になれてしまう。そして飽きられる。

 大量の本を小さな端末内に収めておけるというメリットは確かに一面ではメリットであるし、指摘されているようにデメリットともなりうるのだろうなと。目に見える形の積読本のアピールというのは確かにないなあ。もっとも書棚に収めたからといってすっかり存在を忘れてしまっている本もあるし(ゆえに同じ本を買ってしまったり)、ダンボール箱に入ったままなどというのも同様かもしれない。

 電子書籍にメリットを多く感じている人もいるだろうし、逆にあまりメリットを感じていない人もいるだろうし。まだまだ過渡期なのだということでは確かなのだろうなと。

 価格についても難しい面はあって、先の「G1GC本」の爆発的な売れ行きに悲喜こもごもという状況を見ても思うわけだし。今後時間をかけて醸成されていくものなのかもしれない。

 ただ、デイジーさんの活動のように、それがもたらす恩恵という意味でいえば、明らかにその動きそのものは加速されるべきであるし、継続もされるべきなのだろうなと。スペースがどうのこうのとかよりは、書籍の真のユニバーサル化という側面でとらえることのほうが大切なのかもしれないなとは思う。

 昨年来の狂騒が終わったころにこそ真価が問われるのだろうなあ。

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パンドラ


4150309078パンドラ1 (ハヤカワ文庫JA)
谷 甲州
早川書房 2007-11-22

by G-Tools

 はじまりは見事な天体ショーだった。流星群による美しい光が地球上の夜空を走った。

 マレーシア。動物によると見られる襲撃事件が発生。当初はごく一般的な獣害と思われていた。猿のグループと見るものの、その行動はあまりに組織的で知的な戦略によっていた。やがて鹿に乗った不思議な猿との攻防がはじまる。かろうじてその猿を殺すことに成功し、事件は収束したかに見えた。

 国際宇宙ステーション。流星群の直撃により実験モジュールに被害を受け、数人を残していったん地上へと帰還するが、再度訪れると様子はすっかり変わっている。残っていた乗員は褐色の藻類のようなものに覆われ、まるで傀儡師のような謎の知的生命体によって操られていた。人の体を使って宇宙機を操作し、地上へ降りようと画策する謎の生命体。阻止しようとするも、なすすべもなく宇宙機は地上へと降下していく。

 オーストラリア。周辺海域から魚の姿が消える。酸素濃度が極端に低い海域も確認される。一方でそうした海域がまるで生き物のように移動してインドネシア方面に向かう事象が確認される。現地の海洋研究者が海中で褐色の藻類のようなものにとりまかれた魚と遭遇。たまたま採取した同じ不思議な生命体を体につけたカモノハシを自らのプールで飼育。自らに移して実験をすると、酸素ボンベなしで水中を行動できることを確認する。

 ボルネオ。宇宙ステーションから地上へ降り立った知的生命体の目的地。さまざまな動物に変化が現れており、人間に対して組織的に抵抗をみせはじめる。すべての動物が変異したのか、それとも一部の動物が変異して高度な知能を持ったのか。一方で原住民の退化も見られた。退化した原住民を手下にする動きも。

 やがて研究者たちの調査・討議を経て得られてきた結論は「パンドラ・フォーミング」。流星群をもたらした彗星パンドラは、それそのものかどうかは不明ながら知的生命体によるもので、彼らが地球をみずからの生存に適した形に変えようとしている。その一端としてもっとも問題である人類に敵対しているのではないかと。

 なんとか共存の道はないのかとさぐる動きもあるものの、結局それは受け入れられないものという判断がなされ、次にパンドラによって影響を受けるまでに宇宙船の準備をすすめ、パンドラの動きそのものを封じ込めるための国際プロジェクトがはじまる。ところが、パンドラの軌道上にはもうひとつ物体が発見され、パンドラ2と命名されたそれはわずか 5 年ほど後に地球軌道に到達すると思われた。その際に大量のパンドラ・フォーミングのための物質が地球にふりそそげば、もはや地球は人類の住む星ではなくなってしまう。

 計画は前倒しされ、地球規模で宇宙船の建造と宇宙飛行士の養成などが進められる。しかし、時間的な余裕の一切ない状況下で起きるのは、中国やロシアによる政治的なかけひき。このままで計画は無事に遂行されるのか。パンドラ2の接近を、パンドラ・フォーミングを阻止することは可能なのか。

 なんとも奇抜な発想のファーストコンタクトで、さらに国際政治的なかけひきまでおこる SF の殻をかぶったサスペンスとでもいおうか。端的でありながら十分な状況描写、そしてなによりも奇妙奇天烈な発想とで長大な物語にもかかわらず、ぐいぐいと読ませてしまう。谷甲州の本領発揮ともいえる。

 単行本上巻にあたる文庫1・2巻で地球上と国際宇宙ステーションをめぐる前半の物語が。そして、続く3・4巻でいよいよ宇宙にでてパンドラ2と対峙するという場面が描かれる。どちらも相当量のページ数であるのに、読み終えて感じるのはもう終わってしまったのかというくらいの密度の濃さ。終盤はさながら「さよならジュピター」か「アルマゲドン」かという思いもするが、はっきりいってそれらは比べ物にならない展開が待っているはず。もちろん、リメイクされた「宇宙戦争」みたいなまがいものでは間違ってもない。極限の現場を書かせたら天下一品かもしれない。

 もちろん難がないわけではなくて、一介の動物学者でしかない主人公や、自衛官、警察官などなどが短期の養成を受けたとはいえ、宇宙機のコントロールを的確に判断できたり、データ分析をなんなくこなしてしまったりというのは現実的には無理があるだろうなとは。そこまで的確な物理学的な分析や判断が、用意されたコンピュータシステムを利用してとはいえ簡単になされてしまうのは、どれほど優秀なのかと。

 小説なのだからそこまで現実味を期待してはいけない部分はあるし、それはそれとしてなのだけれど、それほどまでに描写が細かく真実味を高めているということではあるのかもしれない。

 「異性人の郷」は年代設定そのものには意外性があったものの、ファーストコンタクトものとしてはある意味定石通りのものだったかもしれない。けれども「パンドラ」はなにもかもが新鮮で SF の醍醐味を思う存分味わえるというもの。この感動はある種、「2001 年宇宙の旅」にも似ている。

 これほどの作品を 7 年も知らずにいたのが悔やまれるくらいに。


 以下、本文からのクリップをいくつか。(ほとんど 3 巻だなあ)

 朝倉にとっては、落胆せざるをえない結果だった。全世界規模で同時発生しつつある事件なのに、日本では対岸の火事としかみていない。

 その上に大げさすぎる表現が、かえって事件の存在を薄くしていた。自分たちとは無関係だという思いこみが、的はずれな主張になっているのではないか。(「3」P.43)


世論形成の戦略がさだまらないうちに、未公開情報が漏れたのが根本的な原因だった。悪いことにリークされた情報は、対パンドラ戦略の暗部ともいうべき部分だった。センセーショナルな報道が、それに追い討ちをかけた。

 危機管理と広報の連携もまずかった。情報公開が遅れたせいで、憶測だけが飛びかうことになった。結果的に不確かな情報が一人歩きをして、事実とはかけ離れた噂が定着した。
 事態に気づいたときには、もう手遅れだった。情報の公開に踏みきったところで、噂を打ち消すことはできなかった。当事者に対する不信感が、予想外に大きくなっていたのだ。
(「3」P.55)


「電子機器メーカーの工場がある国は、ほとんどが動員されているはずよ。部品の発注もされないのは、よほど品質管理が杜撰な国だけだわ」(「3」P.116)

ある意味でこれは、非常に危険な状態だった。指揮系統が不明確なものだから、責任の所在も曖昧になっていた。それなのに、彼らが危機感を持っている様子はなかった。(「3」P.274)


 --だが宇宙を知らない政治家に、問題の本質を見抜けるのか。

 政治家が余計な口出しをするものだから、現場の人間はいつも苦労させられる--そういったシン少校の言葉が、急に思いだされた。堂嶋二佐のように毅然とした態度をとる政治家が、果たして地上にいるのかどうか。(「3」P.359)


 そのことを考えると、いいようのない虚しさを感じた。いったい自分たちは、何をしているのか。これは人類の存続をかけた宇宙戦争ではなかったのか。それなのに自分たちは、低次元の争いをくり返している。結束して共通の敵にあたるどころか、味方同士で足の引っ張りあいをはじめる始末だった。こんなことで、本当に敵と戦えるのか。(「4」P.15)

4150309086パンドラ2 (ハヤカワ文庫JA)
谷 甲州
早川書房 2007-11-22

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4150309094パンドラ3 (ハヤカワ文庫JA)
谷 甲州
早川書房 2007-12-07

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4150309108パンドラ4 (ハヤカワ文庫JA)
谷 甲州
早川書房 2007-12-07

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WQVGAサイズの3gpビデオ作成顛末

 携帯動画変換君を使って 3gp ファイルを作っていたのだけれど、16:9 の映像を 4:3 の枠にしたものだと上下に黒帯がはいってしまい、実際の映像部分が小さくなってしまって残念だった。それならばと黒帯部分を切り取って 16:9 の部分だけにしてしまえばということでやってみた。(WQVGA は5:3 なので、正確には 15:9 というところではあるけれど)

 携帯動画変換君でも周囲の切り取りをする crop オプションがあるとのことなのだけれど、ここだけは MobileMediaConvertor(MMC) を使った。動画の画面を見ながら切り取り線を設定できるので簡単。(MMC でも 3gp 動画に変換する機能はあるのだけれど、海外製のためか極小さなビデオサイズにされてしまい(サイズ指定はなし)Windows 上では音声ファイルと認識されてしまう始末で、使えなかった)

 その後、携帯動画変換君で 3gp に変換するのだけれど、用意されているのは QVGA までのサイズなので調整が必要になる。普段使っているのは「3GPPファイル, 音声AAC形式一般設定 動画XviDエンコード」。Transcoding.ini をまず修正。

 [Item2] の「QVGA高画質15fpsステレオ」をそっくりコピーしてファイルの最後に貼り付け、[Item2] の数字を [Item6] などに、また title も「WQVGA高画質15fpsステレオ」などに変更しておく。

 「 -s 320x240 」の部分を変換するビデオサイズに変更。400x240 とした。たまたま crop したビデオが 4:3 になってしまうので(16:9 を指定してもうまくいかなかった)、「 -fixaspect 」を削除しておく。

 「 QT_3GPP(MobileMP4)_QVGA_AAC.ini 」を「 QT_3GPP(MobileMP4)_WQVGA_AAC.ini 」などと変更しておく。

 つづいては「 ./core/QT_3GPP(MobileMP4)_QVGA_AAC.ini 」をコピーして、「 QT_3GPP(MobileMP4)_WQVGA_AAC.ini 」と名前を変えて保存し、編集。

 先頭のほうの以下の部分がビデオサイズを指定しているようなので修正する。

[0:0:6]

atom=wdth
id=1
size=4
data=01400000
[0:0:7]
atom=hegt
id=1
size=4
data=00F00000

 [0:0:6] 以下の data=01400000 の 14 が幅。[0:0:7] 以下の data=00F00000 の F が高さを示しているらしい。数値は 16 進数で、それぞれのピクセル数を 16 で割ったものではないかと想像。

 320 / 16 = 20 = 14H
 240 / 16 = 15 = 0FH

 ということで 400x240 を計算して、

 400 / 16 = 25 = 19H
 240 / 16 = 15 = 0FH

 となるので、それぞれの data 部分を修正する。

 これで普段通りに変換させるとビデオサイズ 400x240 の 3gp ファイルを作ってくれる。

 が、これを携帯電話にいれてみたところ認識できないのだった。どうやら 320x240 サイズ以外は認識しないようになっているらしい。さらには、その後 320x240 で黒帯ありのままのビデオを再生するときに「表示サイズ」というメニューを見つけたので確認すると、「全画面」というのが数種類ある。試すと黒帯なしと同等に表示することができたという。

 いったい、この作業はなんだったのか。ひとまずは記録しておくということで。

#実のところ、最初は 400x224 (16:9) で作ってみたりもした。一応規格に沿うということで 400x240 で。

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お牛さまのご加護を

 [ 信濃毎日新聞[信毎web] 松本の地震 引き続き警戒必要 ]

 前夜から震度3とかがおきていて、あるいは指摘されていた牛伏寺断層にいよいよ動きがと思ったのだけれど、現状でははっきりしないものの付近というだけで違うのではないかとのことらしい。震源がごく浅かったこともあってこのあたりではほとんど体感しないほどの揺れでしかなかった。それだけに緊急地震速報がまったく追いつかないタイミングだったらしいけれど。まあ、そもそも震源近辺では無理なのではあるけれど。

 松本城やあちこちでいろいろの被害はでているようで、旧来の景観を保持しようとしているところほど(当然とはいえ)被害が大きいということで、早急に耐震対策を実現するようにしなければというところなのかなと。

 実際映像を見ると、倒壊したブロック塀などはまるっきり鉄心のないものに見える。昨今あれほどいわれているのになぜ? というくらいに。もちろん修復には費用もかかるわけではあるけれど、自治体の助成とかも場合によってはあるのではなかったかな? そうでなくても家を補修するよりははるかに安上がりですむのではないのかなあ。

 牛伏寺断層(ごふくじだんそう)というくらいなのだけれど、実際、牛伏寺(ごふくじ)さんというお寺があって、境内に伏せた牛の像が置かれていたりする。お牛さまのお力でどうか鎮めてくださるとよいなあ。

#ご心配いただきありがとうございます。と、誰となく。

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