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トラベリング・パンツ

 生まれる前からマタニティ教室で母親たちが知り合いになり、生まれてからもいつも一緒にすごしてきた女の子四人。それぞれに性格も違うし、家庭の環境もさまざま。哀しいときは四人で慰めあい、嬉しいときは四人でわかちあう。そんな片時も離れたことのなかった四人が夏休みを別々に過ごすことになり、ふと見つけた不思議なジーンズをそれぞれに回して届けながら自分の身に起きたことを伝えあうことにする。そのジーンズは異なる体型の四人の誰がはいてもなぜかぴったり。きっとこれはなにか不思議なことが起きるに違いないといくつかのルールを決めて順番に送っていくことになる。

 リーナは少しおっとりした美人さん。控えめに見られているけれど自分ではそういう自分の殻や周りの評価を変えたいと思っている。ギリシアの祖父母の許で過ごす夏休み。ふとしたことで知り合いになった大学生の男性と親しくなるが、祖母いわくその一族とは犬猿の仲なので近づいてはならない。自分の気持ちを押し殺してジーンズを次のティビーに送る。

 スーパーでバイトをして資金を作りながら、みじめなドキュメンタリー映画をひとりで作っているティビー。ジーンズは番地を間違えてある少女の家に届く。数日前にスーパーで倒れているのを見つけ救急車を呼んであげたベイリーだった。ティビーが映画を作っていると知ると手伝いたいと申し出る。勝手に手伝いをはじめてしまうが、自分よりも上手にインタビューする面もあって、少し面白くない。なによりなんとなく生意気に見えてしまう。けれどもあるとき、ベイリーが白血病であることを知ってしまう。

 離婚した父親と久しぶりに夏休みを過ごすことになったカーメン。しかし父に連れられて到着した場所には女性とその子供たちの姿。この夏休みに再婚するということで一緒に暮らしているという。父親と過ごせると思っていたものの、結婚式の準備などにかまけていて相手をしてもらえないカーメン。それでいて連れ子の心配や面倒は見ていて自分だけがのけものにされているように感じる。ついには自分がいなくても父親すら心配してくれていない様子に怒って帰ってしまう。ジーンズに力なんてなかった。

 母親を亡くしたブリジット。サッカーの合宿に参加して、イケメンコーチに恋してしまう。コーチとの恋愛はご法度だというのだが、おかまいなしにアプローチするブリジット。親しくなりそうでいながら結局拒絶されてしまう。サッカーの技量は評価されているが、チームのコーチにはワンマンなプレイに駄目だしもされる。がむしゃらに明るく振舞っているなかでふと思うのは死んだ母親のこと。ジーンズの魔法も自分には効かなかったらしいと、再びギリシアのリーナに。

 四人それぞれにいろいろの悩みや苦しみや思いを抱えて少しずつ前に進もうとしはじめる。もはやジーンズに不思議な力があるのかないのかは問題ではなくて、きっとそれはなにかのきっかけでしかない。やがて四人それぞれが変化をもたらして不思議なジーンズの旅が最後の場面に向かう時、四人がそれぞれに成長している姿が印象的。

 たとえそれが普通のジーンズでしかなかったのだとしても、彼女たち四人にはそれが必要であったのだろうし、たまたまそれがジーンズであったというだけなのかもしれない。ちょっとした何かが必要であっただけで。

 そうして四人は少し、いやずいぶんと成長した。子供でも大人でもそういうタイミングというのは必ずやあるはずで、ちょっと元気になれる、そんな映画。

 幸せってなにか大きなことを成し遂げた時に感じるわけじゃなくて、ほんのちょっとしたことで感じるもの。ベイリーのそんな言葉がいつまでも残る。

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 続編があるのね。

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