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高い窓


4150704554高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
レイモンド チャンドラー 清水 俊二
早川書房 1988-09

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 チャンドラー再読の一応の終わりが「高い窓」。手持ちがここまでしかないので。

 希少らしい古い金貨が盗まれたので取り返して欲しいという気の強い女性の依頼だったのに、あれやこれやおかしな方向に進んでいって、あの人が死に、この人が死に。そのすべてに立ち会ってしまうマーロウは、なにかにとりつかれているのかというくらいに。いったい話はどう収束するのさと思っていたら、見事につながっていく最後はなかなか圧巻だなあ。

 意味不明に思えた「高い窓」というタイトル(原題も The High Winodw)も、なるほどこれしかないかというくらいにしっくりと思わせてくれて。依頼人の秘書、マールがある意味鍵となるのだけれど、こういう哀しいというかおめでたいというか人はあらゆるところに存在して気の毒なこともある。社会にも会社にも、そして家族にも。そんなちょっと切なく思えるあたりも結末の魅力かなと。

 いったいどれほどの分量なのかはわからないけれど(恐らく 100 ページ分前後?)、最後の部分は戸田奈津子さんによる翻訳。成し遂げることなく亡くなられた清水さんに代わって完成されたのだとか(という話は以前読んで知ってはいる)。ただ、どこからが戸田さんの手になる部分なのかがわからないほど、清水訳に融合されていて見事。

 未読のあれやこれやもそろそろ探してこようかなと。

#最近落選続きなので再読が増える。母数が増えるとどうしようもないよなあ。

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