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壊れゆくわたくし

 毎年夏ともなれば NHK は先の大戦にかかわるドキュメンタリーなど特集番組を放送しているのだけれど、沖縄戦をテーマとしてここのところいくつかの番組を放送されていて、これがなかなかに訴えかけてくる。先週は「昔、父は日本人を殺した」と題して沖縄戦海兵隊員の父を持つ作家の取材を追っていた。たまたま出会いがしらで目が合ってしまった相手を殺したという父親。ただ、それは15 才くらいの少年兵であったと。恐らくはそのときのものかと思われるいくつかの遺品を大切にしまっておいたのだけれど、死の床にあって息子である作家に当時の話をようやくしたのだとか。できればそれを遺族に返したいという思いで沖縄を訪れる。

 それとは別に、沖縄戦の実態とはどうであったのかを生存している元海兵隊員に取材をしていく。あのときの自分はどうかしていた。兵士であるとないとを問わず、人を殺すということになんの抵抗もなかったといったことを苦しそうな記憶のなかからようやく語っていたり。

 そして ETV 特集の「米軍カメラマンが見た沖縄戦百日間の真実」。国民へのアピールのためもあって貴重なカラーフィルムを使って戦場の記録を大量に残していた。一度に 12 秒しか撮影できず、終わるとまたねじをまいて撮影。その中には検閲によって公開をしないようにとされた多くの映像もあったということで、ある意味人道的に問題とされるのではないかという恐れもあったと。

 ここでもまた兵士たちが次第に戦闘行為に麻痺していき、精神的にある意味壊れていった様子ともいえるものが映しだされていたり。民家を焼き討ちしたりは、他の戦場でも往々にしてあったことではある。また日本兵が住民を盾にするかのようにしたという捉え方もある。とはいえ、カメラマンですら殺戮に麻痺していった過程が語られたりして背筋の寒くなる思いも。

 ただ、それは戦闘のさなかにあった当事者にとっては、ある意味避けられない変化だったのかもしれず、誰であろうとそうなる可能性を否定できないのかもしれない。精神を守るためにヒトがそうしているのかもしれない。

 無論、だから許されていいのだというわけでもないけれど、戦争のもつ負の側面をきちんと理解しなくてはいけないのだろうなと。

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