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男と女

 映画のなかにはテーマ曲が妙に耳に残って、それで映像が思い浮かんだりというのもあるのだけれど、昔の映画の場合にテーマ曲をあまりに聞き覚えているがゆえに、なんとなく見たような気になっている映画、というのも案外多かったりするような。テレビやラジオなどで、何度となく聞く機会があるために、なんとなくそんな錯覚をしてしまうような。

 ということで、「男と女」を見た。こんな映画だったのかと。なんとなく今でも斬新な感じがする。お互いの過去を言葉で話すという場面はなくて、回想する映像が流れる。しかも音声はなかったような気がする。それでも見ていると、「あー、そういうことね」とわかる。

 時々、モノクロとカラーとが出てくるのだけれど、これは演出としてなのだろうか。それともモノクロだったものを一部カラーにしたとか。使い分けているような印象もあるにはあるのだけれど、よくわからない。

 物語としたらシンプルなのだけれど、やっぱり「男と女」の関係は、永遠の謎なのだなあと思わせておいての、ラスト数秒の演出は、やはり謎だよねとほくそ笑んだところでおしまいといった感じ。

 ル・マンとかモンテカルロ・ラリーとか、なんだか時代を思わせてそれもまたいい感じ。この女優さん、素敵だなあ。

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